シューズクロークのよくある失敗例6選と後悔しないためのポイントを徹底解説!
注文住宅で人気のシューズクロークですが、設計ミスや選び方の失敗で「使い勝手が悪い」「玄関が狭くなった」と後悔するケースが多くあります。収納力不足や間取りの問題で玄関が散らかり、「シューズボックス(下駄箱)を選んでおけばよかった」という声も少なくありません。この記事では、シューズクロークに関するよくある失敗例6つを紹介し、後悔しないためのポイントを解説します。設計に悩む方や収納アイデアを探している方は、ぜひ参考にしてください。
シューズクロークの種類と失敗しない選び方
シューズクロークには、主に「ウォークインタイプ」と「ウォークスルータイプ」の2種類があります。それぞれに魅力があるものの、設計や選び方を誤ると後悔の原因です。また、扉が付いた「クローズタイプ」と扉のない「オープンタイプ」も選択肢として考えられます。各タイプの特徴をしっかり理解して、後悔しないシューズクローク選びを心がけましょう。
ウォークインタイプの特徴と注意点
ウォークインタイプのシューズクロークは、出入り口が1つだけのシンプルな設計が特徴です。収納力が高く、玄関が狭い家でも1畳分のスペースがあれば設置できます。玄関スペースを有効活用したい方には最適な一方で、狭い間取りでは動線が悪くなるリスクもあり注意が必要です。
ウォークインタイプの特徴を活かした効果的な収納方法については、「ウォークインクローゼット収納を徹底解説!新築に取り入れたい理由」をご覧ください。
ウォークスルータイプの特徴と注意点
ウォークスルータイプは、出入り口が2つあり、玄関からシューズクロークを通って家の中へ直接アクセスできる点が特徴です。玄関からリビングへの動線がスムーズになる設計な反面、収納スペースが限られているため、物が溢れやすいというデメリットもあります。収納不足による失敗を避けるためには、事前に収納するアイテムをリストアップしておくのがおすすめです。
シューズクロークのメリットとデメリット
注文住宅にシューズクロークを設置すると多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。メリットとデメリットを十分に理解した上で、収納スペースの確保や玄関の整理整頓に役立つシューズクロークを計画しましょう。
シューズクロークを設置する主なメリット3つ
注文住宅にシューズクロークを設置するメリットは、主に以下の3点です。
外出時の準備がスムーズになる
シューズクロークを活用すれば、靴だけでなく、コートや傘、アウトドア用品など外出時に必要なアイテムを1か所にまとめて収納できます。とくに家族が多い場合やお子さんがいる家庭では、出かける前の準備がスムーズになるでしょう。また、帰宅後も汚れたアイテムを室内に持ち込まずに済むため、部屋を清潔に保てるのも大きなメリットです。
玄関が常に整理整頓される
シューズクロークがあれば、靴や傘、ベビーカーなど、玄関周りが散らかる原因となるものをスッキリと収納できます。玄関を常に整った状態に維持でき、急な来客時でも慌てる心配がありません。玄関は家全体の印象を左右する場所でもあるため、生活感を隠したい方にもおすすめです。また、災害時に玄関が整理整頓されていると避難がスムーズにできるというメリットもあります。
靴を履いたまま使える便利さ
シューズクロークの最も大きなメリットは、靴を履いたままアイテムが出し入れできる点です。忙しい朝や帰宅時にも手軽に利用でき、アウトドア用品やベビーカーなどの大きなアイテムの収納にも役立ちます。また、毎日使うコートや小物と一緒に姿見を設置すれば、外出前に全身のコーディネートを確認できるのも魅力の1つです。
シューズクロークのデメリットと回避方法
注文住宅にシューズクロークを設ける際は、メリットだけでなく、デメリットも確認しておきましょう。
匂いが広がるリスク
扉がないオープンタイプのシューズクロークでは、靴の匂いが玄関に広がりやすくなります。場合によっては、匂いがリビングやキッチンまで届くため注意が必要です。対策として、換気扇や小窓を設置するほか、消臭効果のある珪藻土のような壁材を採用する方法があります。
十分な広さが確保できないと後悔する
シューズクロークは収納力が高い一方で、スペースを取る設備でもあります。家全体の面積に余裕がない場合、他の部屋が狭くなる原因にもなりかねません。そのため、収納したいアイテムに合わせた適切な広さの確保が重要です。ハウスメーカーや工務店の担当者と十分に打ち合わせを行い、用途や予算に合わせて納得のいく広さを確保しましょう。
埃や汚れが溜まりやすい
シューズクロークは、外から埃や泥が入りやすい場所です。とくにアウトドア用品やガーデニング用具を収納する場合、土や泥が床に付きやすいという難点があります。清潔に保つためには、こまめな掃除が欠かせません。掃除の時間を確保するのが難しい場合は、手入れしやすい床材を選ぶなどの工夫をするとよいでしょう。
注文住宅のシューズクロークでよくある失敗6選
ここでは、注文住宅のシューズクロークに関する失敗例を6つ紹介し、後悔を防ぐための具体的な対策を解説します。快適なシューズクロークを実現するための参考にしてみてください。
タイプ選びを間違えた
シューズクロークでよくある失敗の1つが、タイプ選びの間違いです。シューズクロークには、動線の違いで「ウォークスルータイプ」と「ウォークインタイプ」の2種類があると説明しました。しかし、それぞれのメリットとデメリットを理解せずに選んでしまい、使いにくさを感じて後悔するケースが見られます。
シューズクロークを選ぶ際は、「収納量を重視するならウォークインタイプ」「動線を重視するならウォークスルータイプ」を基準にするのがおすすめです。扉の有無も含めて、自分の生活スタイルに合ったタイプを検討しましょう。
換気扇をつけ忘れた
シューズクロークでよくある失敗の2つ目は、換気扇を設置し忘れることです。靴の匂いがこもりやすいため、換気が不十分だとシューズクロークに入るたび不快に感じてしまいます。とくにウォークスルータイプでは、靴の匂いが廊下やリビングにまで広がる恐れがあるため注意しましょう。
換気扇をシューズクロークに設置しておけば、雨で濡れた傘やレインコートの湿気も効果的に排出できます。入居後に換気扇をつけることも可能ですが、費用がかさむというのが難点です。間取りによっては設置できない可能性もあるので、新築時に取り付けておくと後悔しません。
収納の配置が不便
シューズクロークでよくある3つ目の失敗は、収納の配置が不便なケースです。棚やハンガーの配置は使い勝手に大きく影響し、動線を考慮せずに設計すると無駄な動きが増えてしまいます。反対に、動線に合わせて収納を配置すれば、歩きながら自然に片付けられるようになって快適です。
たとえば、上着を着てからカバンを持ち、最後に靴を履く流れに沿った配置にすれば、家を出るまでの動作がスムーズになります。家族の人数が多いご家庭では、それぞれの外出や帰宅時の動きを具体的にイメージしながら収納の順番を考えることが重要です。
仕切りの選び方を誤った
シューズクロークで4つ目の失敗は、仕切りの選び方を間違えることです。シューズクロークの出入り口に設置する仕切りとしては、主に「引き戸」と「ロールスクリーン」の2種類があります。しかし、それぞれの特徴や注意点を理解せずに選ぶと、使い勝手が悪くなるというのが課題です。
引き戸の失敗例
引き戸は横にスライドして開閉できるため操作が簡単なものの、開けた時に戸を収めるスペースが必要となります。戸袋の部分には収納をつくれず、狭いシューズクロークには不向きでした。 |
ロールスクリーンの失敗例
ロールスクリーンは収納スペースを有効に使える一方で、布製のため汚れやすいというデメリットがあります。庭いじりやキャンプ道具など、土が付いたものを頻繁に出し入れする場合、明るい色を選んだことで汚れが目立ってしまいました。 |
どちらの仕切りも特徴を理解した上で選べば、シューズクロークを快適に使えるようになります。
収納サイズが合わない
シューズクロークで5つ目の失敗は、収納サイズがアイテムに合っていないことです。収納物に合わせて棚を設計しないと、無駄なスペースが生じてしまいます。たとえば、靴を置く棚の奥行きが深すぎるとデッドスペースができるだけでなく、取り出しにくくなってしまうのが問題です。
一般的な収納棚の奥行きは42〜43cmですが、靴棚の奥行きはシューズボックスと同じ30cm程度をおすすめします。サイズが不明なアイテムや、買い替えで大きさが変わる可能性のあるものを収納する場合は、棚板を外して高さ調整ができる仕様にしておくと便利です。
玄関が狭くなった
シューズクロークで6つ目の失敗は、玄関が狭くなってしまうことです。横幅が限られている住宅では、シューズクロークの設置により玄関が窮屈になる可能性があります。多くの家では玄関の幅が約170センチ程度で、下駄箱も含まれています。しかし、シューズクロークを設置するために下駄箱をなくすと、玄関の面積が削られてしまうケースも少なくありません。
図面上ではそれほど大きな変化がないように見えても、実際にはシューズクロークの壁が圧迫感を与え、予想以上に狭く感じるものです。玄関が狭くなる失敗を防ぐためには、モデルルームを見学して実際の広さを体感すると良いでしょう。
玄関の失敗を防ぎたい方は、「注文住宅の玄関でよくある失敗と対策を知って後悔しない家づくりをしよう!」をご覧ください。
シューズクロークの失敗を防ぐ3つのポイント
注文住宅のシューズクロークは、よくある失敗を避けると、より使いやすい空間を実現できます。ここでは、設計時に押さえておきたい3つのポイントを解説しますので、家づくりの参考にしてください。
収納アイテムに合わせた広さの確保
シューズクロークを壁に設置する場合は、玄関の壁一面ほどのスペースが必要です。ウォークインタイプやウォークスルータイプの場合は、出入り口の幅は一般的な扉と同じ程度必要となります。注文住宅のシューズクロークは、1~4畳ほどの広さがあれば十分です。収納したいアイテムを事前にリストアップし、必要な収納量に合わせて設計すると成功しやすくなります。
圧迫感を防ぐ工夫
シューズクロークに扉をつけると、中の様子が外から見えず玄関がスッキリします。しかし、玄関が狭い場合、扉が圧迫感を与えたり、開閉スペースが不足したりするのが課題です。開放感を保ちつつスペースを確保するためには、カーテンで出入り口を隠すなど、扉をつけずに広く見せる工夫を取り入れましょう。
空気の入れ替えを考慮する
シューズクロークには、換気のために小さな窓があると便利です。とくに扉をつけないオープンタイプでは、窓からの光で玄関ホールが明るくなるというメリットもあります。しかし、ウォークスルータイプでは出入り口が2か所あるため、窓の設置が難しいかもしれません。窓が設置できない場合は、換気扇を使ってシューズクローク内の空気を効率良く入れ替えましょう。
注文住宅の窓設計に関するくわしいアドバイスについては、「注文住宅の窓設計でよくある失敗6選と後悔しないために知っておきたいポイントを徹底解説」をお読みください。
まとめ
注文住宅にシューズクロークを設置する際は、メリットとデメリットを十分に理解しておくと失敗を防げます。収納したいアイテムや使い方によって、最適な広さや種類が異なるためです。シューズクロークは靴を履いたまま使える便利な設備なものの、住み始めてから「玄関の使い勝手が悪い」と後悔するケースも少なくありません。設計の段階で注意すべきポイントをしっかり考慮し、ハウスメーカーや工務店の担当者と一緒に理想のシューズクロークを実現しましょう。
はじめての注文住宅づくりに不安がある方は、「家づくり初心者が後悔しないための完全ガイド!注文住宅を建てる手順と成功の秘訣を徹底解説」がおすすめです。