部屋を広く見せたい方必見!膨張色や窓の配置、照明・家具選びなど6つのテクニックを徹底解説
「部屋を広く見せたい」と思っても、床面積は限られているし、家具も減らせない…というお悩みはありませんか?
本記事では、狭い空間でも視覚的に広く見せるための6つのテクニックを実例とともにご紹介します。
注文住宅の設計時に取り入れやすいポイントも解説していますので、家づくりを検討中の方にも参考になる内容です。
部屋を広く見せる配色テクニックは膨張色と後退色の使い方がカギ
部屋を広く見せたいとき、まず注目したいのが「色の効果」です。色には視覚的な錯覚を生み出す力があり、同じ広さの空間でも、使う色によって開放的にも圧迫感のある空間にもなります。なかでも、壁や天井などの大きな面積を占める部分の色選びは、部屋全体の印象を左右する重要なポイントです。
膨張色とは?空間を明るく広く見せる色の選び方
白やアイボリー、ベージュ、パステルカラーなどの明るい色は「膨張色」と呼ばれ、光を反射して空間を明るく見せる効果があります。壁や天井に使うと、清潔感や開放感が生まれ、実際の面積よりも広く感じられるのが特長です。たとえば壁を白に、天井を淡いグレーにすると、空間にやわらかなコントラストが生まれすっきりとした印象になります。
後退色とは?奥行き感を出す寒色の使い方
ブルーやグレー、ラベンダーなどの寒色系は「後退色」と呼ばれ、視覚的に奥行きを感じさせるのに効果的です。たとえば壁の一面に後退色を取り入れると、奥行きが強調されて空間が広く見えます。家具の色を壁と近いトーンで揃えると、色の境目が目立ちません。視線が自然に抜けるため、部屋もより広く感じられます。
中間色と配色バランスでナチュラルな広がりを演出
膨張色や後退色だけでなく、これらをつなぐ「中間色」や全体の配色バランスも大切です。たとえば、ホワイトやベージュをベースに、グレージュや淡いモカなどの中間色をアクセントとして取り入れると、空間にリズムが生まれます。天井・壁・床の色の濃淡をコントロールすれば視線の流れができ、圧迫感が出ません。床をやや濃くし、壁は床より明るくした上で、天井を最も明るくすると、重心が下がり安定感のあるすっきりとした空間になります。
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部屋を広く見せる窓の工夫は視線の抜けと採光で開放感アップ
部屋を広く見せたいとき、見落とされがちなのが「窓の配置と大きさ」です。窓は光や風を取り入れるだけでなく、視線を外へ逃がす役割もあります。間取りや家具の配置にあわせて窓の位置やサイズを工夫すれば、驚くほど開放的な空間に仕上げられます。注文住宅であれば、生活動線や眺望を意識した窓の設計ができるのも大きな魅力です。
視線の抜けが生む広がり効果とは?
たとえば、リビングに入って正面に窓があると、視線が自然に外へ抜けて、空間が実際よりも広く感じられます。座ったときの目線の高さに窓があれば、横方向への広がりも感じやすくなります。眺望の良い方向に窓を設けるのが、より印象的な「広がりのある部屋」に仕上げるコツです。
室内窓で空間につながりをもたせる
壁で空間を完全に仕切ってしまうと、圧迫感や閉塞感が生まれてしまいます。キッチンとダイニング、リビングと廊下、寝室とワークスペースなどの間に「室内窓」を設けると空間同士のつながりを保ちつつ、適度な区切りをつくれるのでおすすめです。明るく開放感のある印象になるだけでなく、家族のコミュニケーションもとりやすくなります。
高窓・地窓など形状と高さの工夫で奥行きをプラス
窓の効果は配置や大きさだけでなく、高さや形状によっても変わってきます。たとえば、視線よりも高い位置に設ける「高窓(ハイサイドライト)」は、外からの視線を遮りながら光をたっぷり取り込め、プライバシーと開放感を両立させられるのが特長です。反対に、床に近い位置に細長く設けた「地窓」も、外とのつながりを感じさせる演出としておすすめします。
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縦の広がりで部屋を広く見せるハイドア・ハイサッシ・吹き抜け活用術
部屋を広く見せたいとき、多くの人は床面積や家具の配置に意識が向きがちです。しかし、「天井の高さ」をどう活かすかも重要なポイントで、実際の広さ以上にゆとりを感じられるようになります。注文住宅では、間取りや窓・建具の高さを自由に設計できるため、「縦の広がり」を意識した空間づくりがしやすいのも魅力のひとつです。
ハイドアで天井高を強調する
天井まで高さのある「ハイドア」は、一般的なドアの上にある垂れ壁がありません。そのため、視線が自然と上方向へと抜け、空間全体がすっきり広く感じられます。デザイン性も高く、ホテルライクで高級感のある雰囲気を演出したい方にもおすすめです。リビングや玄関のような、第一印象を左右する場所に人気があります。
ハイサッシで空間と自然をつなげる
ハイドアと同様に、天井近くまで高さのある窓「ハイサッシ」も部屋を広く見せるのに効果的です。縦方向に視線が広がるため、空間に伸びやかさを与えます。空や外の景色を多く取り込め、自然との一体感も感じられ、深呼吸したくなるような心地よさが生まれます。ただし、開口部が大きくなる分、断熱性能や防犯対策を十分に考慮しましょう。
吹き抜けの効果と後悔しないためのポイント
ハイドアやハイサッシに加えて、吹き抜けを取り入れると、より一層ダイナミックな縦方向の広がりを演出できます。吹き抜けは、上下階の空間をつなげて天井を高く見せる構造で、自然光をたっぷり取り入れられるのも大きな魅力です。とくにリビングに採用すれば、家の中心が明るく、開放感あふれる空間になります。ただし、冷暖房効率への配慮が必要になるため、断熱性や空調計画も含めた設計が重要です。
照明で部屋を広く見せる方法は明暗の差と奥行きの演出がポイント
照明は、空間の印象を大きく左右する重要な要素です。単に明るく照らすだけでなく、種類や配置を工夫すれば、部屋の広さや奥行きを視覚的に演出できます。注文住宅では、間取りと一緒に照明について考えれば、より広がりのある住まいを実現できます。
ダウンライトで天井面をすっきり見せる
天井に埋め込むタイプのダウンライトは、照明器具の存在感を抑え、天井面をフラットに見せられるのが特長です。天井に凹凸がなくなると空間に一体感が生まれ、視線が途切れず、自然と広がりを感じやすくなります。とくに、低めの天井やコンパクトな部屋には効果的で、圧迫感を軽減しながらも十分な明るさを確保できます。
間接照明で立体感と奥行きを演出する
壁や天井を照らす間接照明は、直接光源を見せずに光の反射で空間を照らすため、やわらかく自然な明るさを演出できるのが特長です。光と影のコントラストによって空間に奥行きや立体感が生まれ、視覚的に広がりのある部屋に見せる効果が高まります。テレビボードや造作棚、カウンターの下などに照明を仕込めば、高級感もプラスできます。
明暗のメリハリで「のっぺり感」を回避する
部屋全体を均一な明るさで照らすと安心感があるものの、空間にメリハリがなく、のっぺりとした印象になりがちです。あえて明暗の差をつけると、立体感や奥行きが生まれ、部屋を広く見せる視覚効果が高まります。フロアライトやブラケット照明を取り入れれば、シーンにあわせた演出も楽しめるのでおすすめです。
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鏡と収納で空間に広がりを!部屋を広く見せる整理整頓のコツ
部屋を広く見せたいと思ったときに、つい床面積や家具の配置ばかりに意識が向きがちです。しかし、視覚的な見せ方を工夫することも非常に重要で、鏡や収納といった要素をうまく取り入れる必要があります。日常のストレスを減らし、心地よい暮らしを支える住まいづくりには欠かせない視点といえるでしょう。
鏡の反射で空間に奥行きを生み出す
鏡は、空間の広がりをつくる上で非常に効果的なアイテムです。壁に大きな鏡を設置すると空間が鏡に映り込むため、奥行きや広がりが生まれ、部屋全体が倍以上に広く感じられます。とくに、窓の正面や側面に鏡を配置すれば自然光や外の景色も取り込みながら、開放感や明るさも同時に演出可能です。
隠す収納で生活感をなくす
床にモノが散らかっていると、空間が狭く見えてしまいます。広く見せたいなら、生活感を出さない収納計画が重要です。設計段階で収納スペースを確保しておけば、見た目も使い勝手も大きく変わります。たとえば、リビングやダイニングの一角に家族全員で使える共用の引き出しを用意したり、オープン棚にロールスクリーンをつけたりして中身を隠せるようにするなどの工夫が有効です。
見せる収納と隠す収納のバランスがポイント
「収納=隠す」という考え方にとらわれすぎると、空間が単調になってしまうという課題があります。あえて「見せる収納」と「隠す収納」をバランスよく組み合わせるとメリハリが生まれ、部屋が広く感じられるようになります。たとえば、オープン棚やガラス扉のキャビネットにお気に入りの雑貨や本を並べれば、空間に奥行きと個性が加わるのでおすすめです。
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家具選びで部屋を広く見せる!圧迫感を減らすレイアウトと素材の工夫
部屋の印象は、家具の種類や配置によって大きく変わります。間取りにどれだけこだわっても、家具のボリューム感や置き方を間違えると、空間が狭く見えてしまう原因です。家具選びやレイアウトを工夫して、視覚的にすっきりと広く見せるコツを紹介します。
脚付き・低めの家具で抜け感をつくる
部屋を広く見せるには、「脚付き家具」や「背の低い家具」を選ぶのがおすすめです。脚があると床の見える面積が多くなり、視線が奥へと伸びやすくなります。また、ローソファやローテーブルなどの低めの家具は、視線を遮らずに天井の高さを強調するのに効果的です。ガラスやアクリルなどの透明素材を使った家具や、スリットのあるデザインのように「抜け感」のあるスタイルを選べば、圧迫感を軽減し、軽やかな印象に仕上がります。
家具の配置と高さで遠近感をつくる
家具の高さや位置も、空間を広く見せるための重要な要素です。背の高い収納棚やキャビネットなどは、できるだけ部屋の奥や壁際に配置し、手前には背の低い家具を置くと遠近感が生まれ、自然と奥行きを感じさせるレイアウトになります。入り口から部屋の奥まで見通せるように家具の高さや配置を調整すれば、視界が開け、空間に広がりを持たせられます。
色と素材で圧迫感を軽減する
家具の色合いや素材感も、空間の広さに大きく影響します。壁や床の色に近い明るめのトーンを選べば、家具が自然と空間に馴染み、圧迫感を抑えられます。なかでも、白やベージュ、ライトグレーといったニュートラルカラーはおすすめです。また、ガラスやアクリル、スチールなどの光を通す素材は視線を遮らず、空間に抜け感を与えます。
部屋を広く見せたい!よくある質問Q&A
部屋を広く見せたいと思っても、「うちの場合はどうだろう?」「こんなときはどうすればいいの?」と、具体的な悩みが出てくる方も多いのではないでしょうか。ここでは、部屋を広く見せるためのアイデアに関して、よくある質問をまとめました。
Q1. 狭いリビングでも効果のある照明の工夫はありますか?
はい、あります。ダウンライトを使って天井面をすっきり見せたり、間接照明で壁や天井に光の広がりを演出したりすることで、空間に奥行きや立体感が生まれます。明暗にメリハリをつけると、視覚的に広がりを感じやすくなります。
Q2. 注文住宅で部屋を広く見せたい場合、どのような工夫が有効ですか?
設計段階から「視線の抜け」や「縦の広がり」を意識するのがポイントです。ハイドアやハイサッシ、吹き抜けの活用、窓の配置などにより、開放感のある空間に仕上がります。収納の配置もあわせて計画することで、すっきりとした印象をキープできます。
Q3. 家族が多くてもすっきりした空間はつくれますか?
もちろん可能です。「隠す収納」と「見せる収納」をバランスよく組み合わせることで、生活感を抑えながらも使いやすい空間をつくれます。共用の引き出しやロールスクリーン付きの棚などを活用すると、散らかりにくく、広く見える部屋を実現できます。
まとめ│部屋を広く見せるには小さな工夫の積み重ねが大切!理想の空間をつくろう
今回は、限られた面積でも部屋を広く見せるための6つの工夫をご紹介しました。
おさらい:広く見せる6つのテクニック |
・膨張色・後退色を使った配色 ・窓や室内窓で視線の抜けを意識 ・ハイドア・ハイサッシで縦の広がりを演出 ・照明の使い方で立体感と明暗の差を ・鏡と収納で空間に広がりと整頓感を ・家具の抜け感と配置で奥行きを演出 |
どれも注文住宅の設計時に取り入れやすい工夫です。マイホームづくりのヒントとして活用してみましょう。
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