注文住宅でコンセントの後悔を避けるためのポイント!位置・数・高さを最適に決める方法とは?
注文住宅を建てた後、「コンセントの配置をもっと考えておけば良かった」と後悔する人は少なくありません。たとえば、コンセントの位置が使いにくい、延長コードがインテリアの邪魔をするといった問題があります。この記事では、多くの人が後悔しがちなコンセントの付け忘れや配置ミスを防ぐために、8つの重要なポイントを紹介します。注文住宅の間取りを検討中の方や、新居で快適に暮らしたい方は、ぜひ参考にしてください。
注文住宅のコンセントで後悔しがちな4つの原因
注文住宅の計画を綿密に立てたつもりなのに、いざ入居してみると「ここにもコンセントを設置しておけば良かった」と後悔するケースは多く見受けられます。コンセントの配置で失敗しやすい主な原因を4つ紹介しましょう。
コンセントの数が足りない
多くの人の後悔は、「もっと多く設置しておけば良かった」という数の問題です。失敗を防ぐためには、現在の住宅で使用している家電をリストアップします。リストを参考に、間取り図を見ながら部屋ごとに必要なコンセントの数を検討しましょう。また、将来のライフスタイルや家族構成の変化を考慮して、数年後の需要も見越して設置することが重要です。
コンセントの高さに問題がある
コンセントの高さは、家電の使いやすさだけでなく、安全性にも影響します。小さなお子さんがいる家庭では、手が届きやすい位置にコンセントを設置すると事故やケガのリスクが高まります。また、家具のサイズも考慮に入れ、インテリアに合わせた適切な高さに配置することが大切です。とくに、オーダーメイドの家具を設置予定の場合は、慎重に検討しましょう。
スマホの充電が不便
スマートフォンは現代生活に欠かせないアイテムのため、設計段階で充電場所を考慮しないと後悔の原因となります。どこで主にスマホを使うのか、充電する場所や時間も含めて検討し、デバイスの数に応じたコンセントの設置を行いましょう。生活動線や家事動線に合わせて配置すると、他の家族や家電と干渉せずに使えます。
季節を考慮し忘れた
コンセントを使用する目的は季節によって異なるため、年間を通じたシミュレーションが大切です。夏には扇風機や除湿機、冬には電気ストーブやクリスマスツリーなどの使用場所を想定します。季節に応じたアイテムのコンセントを確保しておくと、ストレスなく暮らせて快適です。
注文住宅でコンセントの後悔が多い場所8選
注文住宅を建てる際、ハウスメーカーや工務店の担当者からもコンセントに関するアドバイスがもらえます。しかし、図面を見ただけでは、実際に住んでからの後悔を予測するのは難しいものです。ここでは、コンセントが足りなくて後悔することが多い場所を8つ紹介します。
洗面所周り
メーカー製の洗面台には、2口程度のコンセントが標準装備されています。しかし、実際に生活してみると、2口では足りないと後悔するケースも少なくありません。対策として、洗面台で使用する家電の数を事前に確認しておきます。
洗面台で使用する家電の一例
・ドライヤー ・ヘアアイロン ・電気シェーバー ・美顔器・ 電動歯ブラシ |
コンセントが足りないと感じる場合は、近くの壁に追加で設置するのがおすすめです。
家電は常にコンセントに挿しっぱなしにするわけではないため、少ない数でも問題ないと考えるかもしれません。しかし、お子さんが中高生になると、朝の身支度に時間がかかるようになります。複数の家電を同時に使用できると時間も短縮でき、家族のストレスも解消でき便利です。
追加のコンセントは胸の高さに配置すると、抜き差しがしやすくなります。また、コンセントの近くに棚を設けておけば、家電を充電しながらおいておくことも可能です。
【関連記事】
注文住宅の洗面所デザインと配置のポイントは?おしゃれで使いやすいを叶えよう
お掃除ロボットの充電ステーション
注文住宅の新築に合わせてお掃除ロボットを購入しようと考えているケースも多く、専用のコンセントと充電スペースを計画していなかったという後悔も目立ちます。お掃除ロボットは意外と大きく、スペースを取る家電です。そのため、リビングのように目に付く場所で充電していると、部屋の雰囲気を損ねる可能性があります。
たとえば、納戸や階段の下にスペースを設け、充電場所を確保するのがおすすめです。お掃除ロボットが目立たなくなり、部屋に生活感が出るのを防げます。ただし、お掃除ロボットは充電台周辺の掃除が苦手というのが課題です。充電スペースは、人が掃除しやすいよう広めに確保しましょう。最近では掃除機と床拭き用のお掃除ロボットを2台持つ家庭も増えているため、両方を並べられる広さがあると使い勝手が良くなります。
クローゼットの中
人が中で動けるファミリークローゼットやウォークインクローゼットでは、コンセントを設置し忘れて後悔する声が絶えません。アイロンや衣類のシワを取るスチーマー、スーツのズボンプレッサーなど、クローゼット内で使えると便利な家電があるためです。使うたびにクローゼットから洋服を取りだす手間が負担となり、収納が乱れてしまうケースもあります。また、スマートウォッチやワイヤレスイヤホンをクローゼット内に保管する場合も、充電用のコンセントが欲しいと感じるようです。
設計段階ではコンセントの必要性を感じないかもしれませんが、少なくとも1か所はクローゼット内にコンセントを設置しておくと良いでしょう。物で隠れない位置を選ぶことが大切で、たとえば、ハンガーパイプの下に設置する場合は、吊るした衣類で隠れないように配置します。通常のクローゼットでもコンセントを設置しておくと、コードレス掃除機の充電などができて便利です。
【関連記事】
ウォークインクローゼット収納を徹底解説!新築に取り入れたい理由
電気自動車用コンセント
現在、電気自動車(EV)を所有していなくても、駐車場近くにコンセントを設置しておくことを強くおすすめします。すぐに使用しない場合でも、外壁に200Vの電気配線を引いておき、カバーで保護しておけば問題ありません。入居後に充電用のコンセントを増設することも可能ですが、新築時に比べて費用がかかるというのがデメリットです。また、希望する場所にコンセントが設置できない、配線が露出して見た目が悪くなるといったリスクもあります。
一方、新築時に外壁まで配線を引いておけば、充電用コンセントやV2H(電気自動車の電力を自宅で利用する機器)を設置することになっても、初期費用を抑えられて経済的です。照明や高圧洗浄機用のコンセントは100Vが主流のため、電気自動車の充電には不足しています。電気自動車の充電を目的とする場合は、200Vの専用配線を引きましょう。
【関連記事】
太陽光発電をつけるならV2Hと蓄電池のどちらを選ぶ?おすすめの選び方と違いを解説
ダイニングテーブルの近く
小さなお子さんがいると食べこぼしが多く、食事のたびに床の掃除が必要です。ダイニングテーブルの近くにコンセントがあれば、ハンディクリーナーを手軽に使ってすぐにきれいにできます。また、ホットプレートで卓上調理を楽しむ際も、延長コードを必要としません。延長コードは足を引っかけて転倒する恐れがあるので、安全面を考えると使用を控えるのがおすすめです。
ダイニングテーブルの上にコンセントを配置すれば、卓上家電を使う際に抜き差しが簡単にできます。一方、掃除機のようにテーブルの下で使う場合には、床に近い高さに設置すると便利です。どちらにするか迷った際は、上下両方にコンセントを設置しておくと臨機応変に対応できます。
加湿器や除湿機用
一戸建て住宅では、冬には加湿器、梅雨には除湿機を使用する機会が多くあります。大きさもあり生活感も出るため、邪魔にならない場所や目立たない場所に置きたい家電です。しかし、ちょうど良い位置にコンセントがないと、見栄えが悪くなるという問題があります。事前に設置場所を決めておけば、使い勝手が良くなり、インテリアの雰囲気を損なう心配もありません。
「コンセントの位置に合わせて加湿器や除湿機を選べば良い」と考えるかもしれませんが、設置場所によっては加湿や除湿の効果は異なります。家電を効率的に使用するためにも、あらかじめ設置場所と製品の大きさを検討しておくことが重要です。
キッチン周り
キッチンのコンセントは、調理家電に対して数が足りないという後悔が多く見られます。コンセントが足りないとタコ足配線にしてしまいがちなものの、電気火災のリスクが高まるため非常に危険です。キッチンでは使用する家電の数に合わせて適切にコンセントを設置しましょう。
キッチンで使う代表的な電化製品として、以下のものが挙げられます。
- 冷蔵庫
- 電子レンジ
- 炊飯器
- ホームベーカリー
- トースター
- コーヒーメーカー
- ミキサー
- ハンドブレンダー
- フードプロセッサー
- 食器洗い乾燥機
- 生ごみ処理機
現在持っている調理家電の数だけでなく、今後増える可能性のある家電の数も重要です。カウントした数に加え、2〜3口の予備をプラスしておきます。キッチン家電は新製品が次々と誕生するので、多すぎると感じるくらいのほうが安心です。
テレビ周り
テレビ周辺もキッチン同様、コンセントが多くあると便利な場所となります。タコ足配線や延長コードを使うと、画面を見るたびにストレスを感じるのが問題です。また、静電気でホコリがたまりやすく、掃除をサボると火災のリスクが高まります。問題やリスクを回避するためにも、テレビのほかに設置予定のゲーム機やレコーダーなどの数を考慮してコンセントの数や位置を検討しましょう。
将来的に新たな機器が増えても対応できるよう、2〜3口の予備を含めてコンセントを配置するのがおすすめです。テレビ周りにはオーディオ機器だけでなく、間接照明用のスタンドライトを設置する可能性もあります。入居後にコンセントの使い勝手が悪いという後悔を防ぐためにも、多めに設置しておくと安心です。
注文住宅のコンセントで後悔しないための4つの手順
注文住宅を建てるにあたって、コンセントの後悔を避ける方法はいくつかあります。ここでは、後悔しないための重要なポイントを4つの手順に分けて解説しましょう。
数を決める
各部屋で必要となるコンセントの用途をリストアップし、使用頻度に応じて必要な数を決定します。新築時にコンセントを多めに設置しておくメリットは、後から追加するよりもコストが抑えられる点です。設置場所によっては後付けが難しく、入居後に大きな後悔となってしまいます。そのため、「迷ったら付けておく」くらいの余裕を持った計画が重要です。
位置を決める
コンセントの数が決まったら、次は位置を決めていきます。使いやすい場所に設置するためには、家具や家電の配置を具体的に考えておくのがポイントです。「家具を置いたらコンセントが隠れてしまった」という失敗のないように、拡大コピーした図面に家具や家電のレイアウトを書き込んでみましょう。具体的にシミュレーションしてみると、イメージが掴みやすくなります。
高さを検討する
コンセントの数と位置が決まったら、次に高さを検討します。床から約25cmが標準とされるものの、家具や家電の配置によっては使い勝手が悪くなるというのが問題です。具体的なイメージがある場合は、最適な高さに設定すると後悔を避けられます。たとえば、ダイニングテーブルや書斎の机の場合、テーブルの高さにコンセントを設置すると便利です。
目立たないようにする
コンセントやコードを目立たせたくない部屋では、色の選び方に注意しましょう。アクセントクロスを貼る場所では、色を合わせて選ぶとコンセントが目立ってしまうという後悔を防げます。また、テレビやキッチン周りではコンセントの数が足りなくなりやすいため、3口コンセントの導入を検討すると見た目をスッキリと整理できておすすめです。
まとめ
コンセントの位置で後悔しないためには、新居での生活を具体的にイメージすることが重要です。ライフスタイルや家族の人数を考慮し、位置や数を慎重に決めます。家具や家電のサイズがわかれば、快適な高さに取り付けが可能です。入居後にコンセントを追加するのは費用がかさむため、迷ったときは設置してしまうことをおすすめします。記事で紹介した例を参考に、ご自身の生活に最適なコンセントの配置を考えてみましょう。