ZEH住宅とは? 特徴やもらえる補助金について解説
ZEH住宅とは

家づくりコラム

ZEH住宅とは? 特徴やもらえる補助金について解説

ZEH住宅とは? 特徴やもらえる補助金について解説

ZEH住宅は、最近、建築や住宅界隈でよく耳にする機会が増えてきました。

これから新しく家を建てようとしている方の中には、高い省エネ性能を実現する住まい「ZEH住宅」の建築を検討している人も多いのではないでしょうか。

一年中快適に過ごせて、光熱費といったランニングコストを抑えられるZEH住宅。ですがその一方で、高い省エネ性能を実現する住宅設備でお金がかかってしまうのではと心配になりますよね。

そこで今回は、建築費用の負担を軽くするお得なZEH住宅の補助金制度についてご紹介します。

姫路・加古川エリアでZEH住宅の建築実績が豊富な当店が解説しますので、ZEH住宅のメリットを十分にご理解いただけます。ぜひ最後までお読みいただき、ご自身の新築住宅の建築のご参考になさってください。

※今回ご紹介するZEH補助金は2022年5月現在のものです。最新の情報は所管行政庁にご確認ください。

ZEH(ゼッチ)住宅とは

ZEH(ゼッチ)住宅とは

ZEH(ゼッチ)住宅とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略です。住宅の断熱性能や省エネ性能を高め、さらに太陽光発電などで生活に必要なエネルギーをつくり出すことにより、年間の一次消費エネルギー量(空調・換気・照明・給湯)をほぼゼロ以下にする住宅のことです。生活に必要なエネルギーを自給自足する住宅を目指します。

それではZEHを満たす住宅の条件をご紹介します。

ZEHの条件

ZEHの条件を満たすには、「省エネ」「断熱性」「創エネ」の3つの要素があり、それぞれに基準が設けられています。

・省エネ −エネルギーを極力必要としない−
ZEH住宅では省エネ効果の高い住宅設備を導入して、一次エネルギーの消費量を従来よりも20%以上削減することが求められています。特にエネルギー消費の大きい「空調」「照明」「給湯」「換気」の4種では、ZEH基準を満たした機器を使用する必要があります。

・断熱性 −エネルギーを上手に使う−
住宅の外皮に高性能の断熱材を導入して外気温の影響を少なくしたり、結露しにくい素材を窓やサッシに付けることで断熱性能を高めます。
断熱性能は「外皮平均熱貫流率(UA値)」という指標で表します。ZEHの基準では、UA値が0.4〜0.6[W/㎡K]以下という比較的低い数値でクリアすることを求められます。

・創エネ −エネルギーを創る−
ZEH住宅のエネルギー創出は、太陽光発電がメインとなります。あわせて、エネファーム(家庭用燃料電池)などの創エネ設備を導入して自ら電力を作り出すことが必要です。さらに家庭用蓄電池の設備を導入すれば、発電した電力を貯めることができ、昼間に発電した電力を夜間に利用したり、災害時のエネルギーに使うことができます。

ZEH住宅は、これら3つの条件を満たすことで、一次消費エネルギー量(空調・換気・照明・給湯)の収支をゼロ以下にすることを目指します。

なぜ国がZEH住宅に補助金を出すのか

国がZEH住宅を推進するのは、補助金を支援する環境省、経済産業省、国土交通省のそれぞれの取り組みの目標に対して、ZEH住宅の建築が優れた効果をもたらすのがその理由です。

ここでは3省の取り組みについて説明しましょう。

・環境省の取り組み「地球環境保全」
環境省では、地球温暖化の国内の取り組みのひとつとしてZEH事業を挙げています。地球温暖化の原因となっているCO2排出量の削減を急務として、2030年までに現在の40%の削減が目標としています。
そのためには住宅における省エネ性能の向上が必須であり、優れた省エネ性能を基準とするZEH住宅はこの目標に適した住宅なのです。

・経済産業省の取り組み「エネルギーの安定&効率的供給」
経済産業省はエネルギー安定供給のため、家庭でのエネルギー消費の削減を実現するために、2015年からZEH住宅の普及に取り組んできました。その結果、2020年にハウスメーカーが新築する注文住宅は約56%がZEH住宅になりました。現在は、2021年10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」において

「2030年度以降に新築される住宅・建築物についてZEH基準の水準の省エネ性能の確保を目指す」

「2030年において新築戸建て住宅の6割に太陽光発電設備が設置されることを目指す」

という新たな2つの政策目標が設定されて、さらなるZEH住宅の普及に向けた取り組みが行われています。

・国土交通省「木造住宅の生産体制サポート・地域の整備」
国土交通省では、ZEH住宅の推進を「地域型住宅グリーン化事業」の一部として実施しています。この事業は、省エネ性能、耐久性能に優れた木造住宅の生産体制をサポートして、地域に優れた住宅が建つことで、地域の活性化や、環境作りの推進を目的としています。給付対象は建設する地域における木造住宅の関連事業者になります。

ZEH補助事業の種類

ここからは、ZEH住宅のタイプによって異なる補助事業の4種類について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

ZEH支援事業

ZEH、ZEH+住宅を対象とした補助事業です。

■ZEH

ZEH住宅

・申請対象者
新築住宅を建築・購入する個人
新築住宅の販売者となる法人

・対象となる住宅
ZEH
Nearly ZEH(寒冷地、低日射地域、多雪地域に限る)
ZEH Oirented(都市部狭小地の二階建て以上及び多雪地域に限る)

・交付要件の主なポイント
①ZEHロードマップにおける『ZEH』の定義を満たしていること
②SIIに登録されているZEHビルダー/プランナーが関与(設計、建築または販売)する住宅であること

・補助額
55万円/戸
補助対象住宅に蓄電システム(定置型)を導入する場合は2万円/kWh、補助対象経費の1/3又は 20万円のいずれか低い額を加算

■ZEH+

ZEH+住宅

・申請対象者
新築住宅を建築・購入する個人
新築住宅の販売者となる法人

・対象となる住宅
『ZEH+』
Nearly ZEH+(寒冷地、低日射地域、多雪地域に限る)

・交付要件の主なポイント
①ZEHロードマップにおける『ZEH』の定義を満たしていること且つ、以下のⅠとⅡを満たすこと
Ⅰ.更なる省エネルギーの実現(省エネ基準から25%以上の一次エネルギー消費量削減)
Ⅱ.以下の再生可能エネルギーの自家消費拡大措置のうち 2つ以上を導入すること
1.外皮性能の更なる強化
2.高度エネルギーマネジメント
3.電気自動車(PHV車を含む)を活用した自家消費の拡大措置のための充電設備又は充放電設備
②SIIに登録されているZEHビルダー/プランナーが 関与(設計、建築、改修又は販売)する住宅であること

・補助金額
100万円/戸

※追加補助額
●蓄電システム(定置型): 2万円/kWh、補助対象経費の1/3又は 20万円のいずれか低い額を加算
●直交集成板(CLT):90万円/戸
●地中熱ヒートポンプ・システム:90万円/戸
●PVTシステム: 【液体式】65万円/戸もしくは80万円/戸 【空気式】90万円/戸
●液体集熱式太陽熱利用温水システム: 12万円/戸もしくは15万円/戸

・公募方法
先着方式
一般公募及び新規取り組みZEHビルダー/プランナー向け公募に分けて実施します

次世代ZEH+(注文住宅)実証事業

次世代ZEH+住宅

・申請対象者
新築住宅を建築する個人

・対象となる住宅
『ZEH+』
Nearly ZEH+(寒冷地、低日射地域、多雪地域に限る)

・交付要件の主なポイント
「ZEH+に係る要件」を満たしていること且つ、以下のいずれか1つ以上を導入すること   1.蓄電システム
2.V2H充電設備(充放電設備)
3.燃料電池
4.太陽熱利用温水システム
5.太陽光発電システム10kW以上

・補助額
100万円/戸
●蓄電システム(定置型):2万円/kWh、補助対象経費の1/3又は20万円のいずれか低い額を加算
●燃料電池:2万円/台
●V2H充電設備(充放電設備):補助対象経費の1/2又は75万円のいずれか低い金額を加算
●太陽熱利用温水システム:【液体式】17万円/戸、【空気式】60万円/戸

・公募方法
先着方式

次世代HEMS実証事業

次世代HEMS住宅

・申請対象者
新築住宅を建築する個人

・対象となる住宅
『ZEH+』
Nearly ZEH+(寒冷地、低日射地域、多雪地域に限る)

・交付要件の主なポイント
①「ZEH+に係る要件」を満たし、且つ、 蓄電システム又はV2H充電設備(充放電設備)の いずれかを導入すること
②更に、蓄電システム、V2H充電設備(充放電設備)、 燃料電池、太陽熱利用温水システムの設備を 導入することも可とする
③太陽光発電システムによる創エネルギーを 最大活用し、自家消費量を更に拡大することを 目的に、AI・IoT技術等による最適制御を行う 仕組みを備えていること

・補助額
112万円/戸
●蓄電システム(定置型):2万円/kWh、補助対象経費の1/3又は20万円のいずれか低い額を加算
●燃料電池:2万円/台
●V2H充電設備(充放電設備):補助対象経費の1/2又は75万円のいずれか低い金額を加算
●太陽熱利用温水システム:【液体式】17万円/戸、【空気式】60万円/戸

・公募方法
事前割当方式
ZEHビルダー/プランナーからの提案応募に基づき設定された補助対象件数の上限枠内でご応募いただきます。

ZEHの定義について

各事業の交付要件となる“ZEHの定義”について以下にまとめましたのでご覧ください。

『ZEH』
以下の①~③の全てに適合した住宅

①強化外皮基準(1~8地域の平成28年省エネルギー基準(ηAC値、気密・防露性能の確保等の留意事項)を満たした上で、UA値 1、2地域:0.40[W/㎡K]以下、3地域:0.50[W/㎡K] 以下、4~7地域:0.60[W/㎡K]以下

②再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量削減

③再生可能エネルギー等を 加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減 ※エネルギーに係る設備については所有者を問わず、当該住宅の敷地内に設置されるものとする

『Nearly ZEH』
以下の①~③の全てに適合した住宅

①強化外皮基準(1~8地域の平成28年省エネルギー基準(ηAC値、気密・防露性能の確保等の留意事項)を満たした上で、UA値 1、2地域:0.40[W/㎡K]以下、3地域:0.50[W/㎡K] 以下、4~7地域:0.60[W/㎡K]以下)

②再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量削減

③再生可能エネルギー等を 加えて、基準一次エネルギー消費量から75%以上100%未満の一次エネルギー消費量削減 ※エネルギーに係る設備については所有者を問わず、当該住宅の敷地内に設置されるものとする

『ZEH Oriented』
以下の①、②に適合した住宅

①強化外皮基準(1~8地域の平成28年省エネルギー基準(ηAC値、気密・防露性能の確保等の留意事項)を満たした上で、UA値 1、2地域:0.40[W/㎡K]以下、3地域:0.50[W/㎡K] 以下、4~7地域:0.60[W/㎡K]以下)

②再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量削減  ※再生可能エネルギー未導入でも可 ※エネルギーに係る設備については所有者を問わず、当該住宅の敷地内に設置されるものとする ※都市部狭小地(北側斜線制限の対象となる用途地域等(第一種及び第二種低層住宅専用地域、第一種及び第二種中高層専用地域並びに地方自治体の条例において  北側斜線規制が定められている地域)であって、敷地面積が85㎡未満である土地。但し、住宅が平屋建ての場合は除く)等に建築された住宅に限る

ZEH住宅の補助金申請の流れ

助成金を受け取るにあたり、各補助事業の公募に応募する必要があります。補助事業によって公募期間が異なるので事前に確認しておくことをおすすめします。また、HEMS事業以外は先着順となっているので早めに申請するのが望ましいです。

<補助金申請の大まかな流れ>

  1. ZEHビルダーまたはプランナーに相談
    ZEHビルダー/プランナー(※)と共にZEH住宅を建てられる工事会社を探して見積もりをします。

※ZEHビルダー/プランナーとは
ZEHビルダー、ZEHプランナーとは、ZEH住宅を建てることを経済産業省に申請して、登録されたZEH住宅の建築・設計を認められた事業者のことです。

ZEH住宅で補助金をもらうためにZEHビルダー/プランナーに依頼することが条件となっています。ZEHビルダー/プランナーを探す場合はZEH補助事業をとりまとめている一般社団法人環境共創イニシアチブのホームページから検索するといいでしょう

参照:一般社団法人環境共創イニシアチブ「ZEHビルダー/プランナー検索ページ」
https://sii.or.jp/zeh/builder/search

  1. 設計プランを決定
    工務店やハウスメーカーと本格的に設計プランを作成します。
  2. 金融機関による住宅ローン審査および契約
    設計プランがまとまったら住宅ローンの申し込み審査を受けます。審査が終了したら、工事会社と契約と建築確認申請を行います。
  3. ZEH補助金の申請・着工
    工事事会社にZEH補助金の申請書を作成してもらいましょう。補助金の交付が決定したら着工です。
  4. 住宅完成後に実績報告書を提出
    竣工後、工事会社に補助金の実績報告書を作成してもらい提出します。
  5. 補助金を受け取る
    竣工後、数ヶ月で振り込みにより補助金が支給されます。

2022年最新のZEH住宅補助事業スケジュール

今年度(2022年度)のZEH住宅補助支援事業のスケジュールは4月に公開されました。
各補助事業で公募期間、審査期間、完了報告書の提出期限が異なります。ご自身が応募する補助事業のスケジュールを確認して、早めに行動しましょう。

ZEH支援事業の公募期間は四次まで、次世代ZEH+(注文住宅)実証事業の公募は二次まで設けられています。共に申請は先着順になるので早めの応募を心がけましょう。なお、窓口である一般社団法人環境共創イニシアチブのホームページにて、申請状況や予算残額の概算の最新情報が公開されていますので参考にしてください。

参考:一般社団法人環境共創イニシアチブ
https://sii.or.jp/zeh04/

補助金制度を利用する際の注意点

ZEH住宅関連の補助金制度を利用する際の注意点は以下の3つがあります。それぞれくわしく見ていきましょう。

着工時期と完了時期を把握しておく

補助金申請で頭を悩ませることのひとつが、「交付決定通知書」が到着してからでないと着工できない点です。

交付決定通知書は、書類到着後に審査を経て約3週間後に交付されます。

補助金のルールとして、施工前の建設予定地で、交付決定通知書に添付されている書類と一緒に写真を撮影してからでないと施工できないのです。

補助金申請では「完了期限」もあるので、交付決定通知書が遅くなると物理的に工事期間が短くなる恐れがあります。

さらにこの完了期限までに、建物の完成、引き渡しを終えて、完了に関する書類を提出して受理してもらわなければなりません。

建設会社の建設タイミングも鑑みて、完了期限までに余裕を持って竣工できるように、しっかりと相談しておくことが重要です。

補助金の対応になれている工務店を選ぶ

補助金を受け取るためには、前述で述べたとおり決められた日数の中で申請から竣工を完遂しなければなりません。

補助金になれていない業者だと、申請書類の不備や施工日程の調整ミスでスケジュールの遅れが発生してしまう可能性があります。

一度受理されれば、よほどのことがないかぎり柔軟に対応してくれますが、あまりにも遅延するようなら補助金の取消になったりするケースも考えられます。

そんな残念なことにならないためにも、補助金制度に精通した信頼のおける工務店を選ぶことも大切なポイントと言えます。

まとめ

ZEH住宅まとめ

ZEH住宅は、年間を通じて快適に過ごせ、光熱費を削減できるという、これからの時代に合った暮らしやすい住まいといえるでしょう。今回ご紹介させていただいた補助金制度を利用して、よりお得に地球に優しいエコな住宅の建築を検討してみてください。

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