ローコスト住宅で後悔する理由とは?安さの秘密や失敗しない方法を解説
これからマイホームを建てる予定のある方の中には「できるだけ建築コストを抑えたい」という理由からローコスト住宅の建築を検討されている方も少なくありません。
ですがローコストな住宅の仕組みを十分に理解せずに選択してしまい、住み始めた後になって後悔したという声も少なくありません。
そこでこの記事では、ローコスト住宅で後悔する理由をはじめ、ローコスト住宅に向いている人や失敗しない方法などを解説していきます。
これからローコストでのマイホーム建築・購入を検討されている方は、ぜひ参考になさってください。
ローコスト住宅とは
ローコスト住宅とは、低価格で建てられる住宅のことです。
ローコスト住宅の定義に「〇〇〇万円以下で建てられる住宅」といった明確なものはありませんが、坪単価の相場感は30〜50万円くらいと言われています。
工務店やハウスメーカーによって坪単価の価格帯に開きがあります。
ローコスト住宅を取り扱う建築業者の中には坪単価が安い住宅のみ販売している「ローコスト住宅専門」の建築業者や、価格帯の異なるタイプの住宅を販売している中のひとつがローコスト住宅というケースもあります。
ローコスト住宅で後悔する理由
ローコスト住宅は住宅にかかる費用を抑えることができるのが最大の魅力ですが、ローコスト住宅で後悔したという声も少なからずあります。ここでは、どういった点に後悔しがちなのか解説していきます。
後悔する理由①断熱性が乏しいことから費用がかさむ
コストダウンのために断熱材の質や量を下げることによって十分な断熱性を維持できず、冷暖房による光熱費がかさんでしまう可能性があります。
また断熱性能が乏しいことから発生する「結露」や「カビ」への対応が求められる場合も。これらは住宅や家族の健康に悪影響を及ぼす可能性があるので修繕が必要になり余計な費用がかかる可能性があります。
後悔する理由②耐震強度が気になる
ローコスト住宅の耐震性については、法律上の最低限の耐震等級(※)を満たすレベルであることが多いです。そのため災害の多い地域にお住まいの予定がある方にとっては安心感のある住宅とは言えないかもしれません。
※耐震等級について詳しくはこちらの記事で解説しています。併せてご覧ください。
参照:家づくりコラム「住宅に必要な地震対策とは?耐震等級や免震工法について解説」
URL(今月の記事に内部リンクしてください)
後悔する理由③メンテナンス費用が高くなる
ローコスト住宅に使われる建材は質の悪いものではなないものの、最低限の機能しかないものがほとんどになります。そのため長持ちするような特別な加工が施されている建材よりも早く劣化してしまいます。
劣化した箇所をメンテナンスで修繕していくわけですが、ローコスト住宅の場合はその頻度がどうしても一般住宅より多くなってしまう傾向にあります。
そのため、住み始めてからかかってくるメンテナンスの費用感、時期などを事前に把握しておくことが大切になります。
後悔する理由④設計の自由度が低い
家を設計する際に自由度が低いこともローコスト住宅で後悔する点です。
なぜならローコストを実現しているひとつが、住宅の「規格化」だからです。
シンプルなデザインや間取りに統一して規格化することで低価格を実現しているので、住宅の外観や内観デザインの変更や好きなように間取りで部屋を増減するといった希望が叶わないケースがあります。
購入時には自由度が低くても安いのだからと我慢できるかもしれません。しかし、いざ住み始めてみると、自分たちのライフスタイルに合った間取りにすれば良かったと後悔することも。
後悔する理由⑤オプションを追加して想定以上の金額になる
ローコスト住宅の設備は必要最低限でグレードも低く抑えることで低価格を実現しています。
そのため、オプションとして最新の住宅設備を選択したり、変更したりすると、想定以上に高額になる場合があります。「結果的に一般的な注文住宅と変わらない価格になった」ということも起こり得ます。
後悔する理由⑥保証期間が短い
ローコスト住宅で後悔しがちな点は、保証期間が短いことにもあります。
高価格帯の住宅メーカーでは、法律で義務づけられている10年保証に加えて、独自の長期保証を30〜60年と追加している場合がほとんどです。
それに比べてローコスト住宅の保証はコストダウンのため短い傾向にあります。従来の住宅に比べて劣化が早いことも加味して、自分たちで時期を見極め、専門業者に依頼する手間がかかるようになります。
ローコスト住宅が向いている人
ローコスト住宅を建てても後悔しない人はどんな人なのでしょうか。
どんな人がローコスト住宅に向いているか解説します。
住宅はシンプルでいいと思っている人
こだわりのある個性的なデザインの住宅より、シンプルでコンパクトな住宅で十分という方には、ローコスト住宅が向いています。
ローコスト住宅だからといって通常の価格帯の住宅より住みづらいということはありません。間取りは住む人にとって使いやすく設計されていて、内装や外装もシンプルでありながらも飽きのこないデザインが採用されている場合がほとんどです。
住宅にお金をかけたくない人
毎月の住宅ローンの返済をできるだけ抑えたい、子供の教育費や自信の老後のためにしっかり貯金しておきたい、といった人に向いています。
ローコスト住宅の建築なら初期投資にかけるお金を抑えることができるので、家を建てたあとの生活資金に余裕が持てます。
またローコストの注文住宅なら土地購入にかけられる予算が増えるので、自分の住みたいエリアの選択幅が広がるのもメリットでしょう。
設備に対して妥協できる
キッチン、お風呂、トイレなどの住宅設備が最新式のものでなくとも満足に暮らせる人もローコスト住宅に向いています。
水回りの住宅設備はいくら最新式でも10~20年で交換時期がきます。あらかじめグレードが低いものを導入して、のちの交換ありきで予算を抑えることは、住んだ後のランニングコストを節約できます。
ローコスト住宅で失敗しない方法
総額の費用で資金計画を立てる
ローコスト住宅に限ったことではありませんが、家づくりにはさまざまな費用がかかります。費用は、「建物」「土地」「諸経費」3つに分けられます。諸経費などは住宅本体価格の2〜3割かかるといわれています(※)。
ローコスト住宅ということで、ついつい住宅本体価格に意識が行きがちです。家づくりの総額費用を見越して余裕のある資金計画を立てることが大切です。
住宅建築にかかる費用について詳しくはこちらの記事で解説しています。併せてご覧ください。
参照:家づくりコラム「新築一戸建てにかかる費用は?内訳や価格相場を解説します」
ランニングコストを意識する
ローコスト住宅の魅力は価格の安さですが、初期費用の安さだけに目を奪われないように注意しましょう。家は建てたあとが本番。住み始めてからのランニングコストをきちんと視野に入れなければいけません。つまり、家に住み始めてからからの費用をできるだけ抑える方法を選択しましょう。
ランニングコストのひとつに光熱費があります。ローコスト住宅で光熱費を下げたいのであれば、光熱費が安くて済むような建築エリアを探すのもひとつの方法です。夏は涼しく、冬が暖かいエリアなら光熱費を抑えることができます。
もうひとつのランニングコストはメンテナンス費用です。
ローコスト住宅のメンテナンス保証は短いことは前述したとおりです。そこで法律で義務づけられている10年後のメンテナンスに向けて、貯蓄して10年目のメンテナンス時に劣化しにくい建材を選択することをおすすめします。
紫外線に強い外壁材や、防水効果が高い床材を選ぶなど、耐久性のある質の良い建材を選ぶことで、以降のメンテナンスによる修繕費用を抑えてランニングコストを安くすることができます。
建築を依頼する工務店やハウスメーカーの実績をチェックする
工務店やハウスメーカーなどの建築業者選びは、ローコスト住宅で失敗しないための重要なポイントです。
まずは比較検討をする上でも、建築業者の公式ホームページで「実績」を確認しておきましょう。多くの建築業者の公式ホームページでは、これまでの手掛けたローコスト住宅の施工実績を写真付きで掲載しています。掲載されている実績が多ければ、それだけ多くの方が利用されているということで信用ができます。
またネットでの建築業者選びで忘れてはならないのが「口コミ」です。気になる建築業者に関するSNSや口コミサイト、レビューサイトで口コミを確認して建築業者選びの参考にしましょう。
次に可能であれば、主催している住宅展示場に足を運んでモデルハウスを見学に行きましょう(※)。最近はしっかり感染対策が施された住宅展示場やイベントも増えてきているので、会場へ足を運んでみることをおすすめします。
なによりローコスト住宅の造りを実際に体感できる機会ですし、建築業者の腕前を目の前で確認できます。また、スタッフとのやりとり、対応から直建築業者の雰囲気が見て取ることも可能です。
住宅展示場について詳しくはこちらの記事で解説しています。併せてご覧ください。
参照:「住宅展示場に予約なしで行ってもいいの?モデルハウスの見学方法を解説」
家に求める優先順位を決める
ローコスト住宅はコスト削減のために制限が多いです。ですから、家を建てる際には優先順位を作っておきましょう。例えば、できるなら少々高くなってもいいから住宅設備のグレードをワンランクアップすることを第一優先にするなどです。
一般の注文住宅ならあらゆるところを自由に決められますが、ローコスト住宅は制限の中で決めていかなければならないので、マイホームにおいて大切にしたいことの優先順位を決めておくことで、建築業者との打ち合わせもスムーズに進みます。
まとめ
今回はローコスト住宅で後悔する理由やローコスト住宅に向いている人、失敗しない方法を解説しました。
ローコスト住宅は企業努力で低価格を実現した住宅であり、安かろう悪かろうということはありません。
今回ご紹介したローコスト住宅における内容や失敗しない方法を踏まえて、住み心地のよいローコストのマイホームを実現しましょう。
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