【2023年最新】長期優良住宅で後悔しない!申請する前に抑えるべきポイントを解説
長期優良住宅で後悔しない!申請する前に抑えるべきポイントを解説

家づくりコラム

【2023年最新】長期優良住宅で後悔しない!申請する前に抑えるべきポイントを解説

長期優良住宅で後悔しない!申請する前に抑えるべきポイントを解説

「長期優良住宅にして失敗した」と後悔している意見をネットでよく見かけませんか?

本来、長期優良住宅は良いことずくめの制度です。

定められた基準に合わせて住宅性能を高めることで末永く安心して住めますし、国から認定されれば各種の税制優遇や住宅ローン控除の増額が受けられます。

ですが、長期優良住宅の制度をきちんと理解しないまま手続きを進めてしまい、あとになって後悔する人がいるのも事実です。

そこでこの記事では、長期優良住宅の制度の仕組みから、メリット・デメリットの比較、そして後悔しないためのポイントを解説します。

最後までお読みいただくと、長期優良住宅の仕組みを理解でき、その恩恵をきちんと受ける方法がわかります。ぜひご自身の長期優良住宅への取り組みのご参考になさってください。

目次

長期優良住宅とは

長期優良住宅とは、耐久性、安全性、維持管理性、利便性、快適性に優れた住宅の総称です。

所轄行政庁が審査をして、住宅の性能が一定の基準に達していると認められることで、長期優良住宅としての認定が受けられます。

長期優良住宅のメリットは、断熱性能や省エネ性能などに優れており、住み心地がよく、光熱費も節約できます。また、長期優良住宅を購入すると、住宅ローン減税の特典が受けられる場合があります。

長期優良住宅の定義について

長期優良住宅認定制度は、2009年(平成21年)に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律(長期優良住宅法)」によりが導入されました。

長期優良住宅として認定されるためには、一定基準以上の断熱性能と耐震性能が求められます。

また、木材の腐朽やシロアリによる食害、コンクリートのひび割れによる鉄筋の腐食等の構造劣化に対して予防措置が取られていることも必要です。

参考:国土交通省「長期優良住宅のページ」

住宅性能評価制度と「品確法」について

長期優良住宅認定制度は、2000年(平成12年)に施工された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」の「住宅性能表示制度」と深い関わりがあります。

住宅性能表示制度は、住宅の建物性能を第三者機関が認証するものです。

新築住宅の場合は、10分野32項目にわたる評価があり、それぞれの分野において性能を等級によりランク付けされます。

その中でも、長期優良住宅の認定を受けるためには下記の項目について一定レベル以上の性能等級を取得することが必須になります。

①分野「構造の安定に関すること」…耐震等級
③分野「劣化の軽減に関すること」…劣化対策等級
④分野
「維持管理・更新への配慮に関すること」…維持管理対策等級
⑤分野「温熱環境に関すること」…断熱性能等級・一次エネルギー消費量等級
⑨分野「高齢者等への配慮に関すること」…高齢者等配慮対策等級

長期優良住宅の認定を受ける方法は、5つの性能基準を満たすこと

長期優良住宅として認定されるためには、下記の(A)~(E)の5つの性能基準を満たす必要があります。

(A)住宅の構造および設備について長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられていること。
(耐震等級3、断熱等性能等級5、一次エネルギー消費量等級6、劣化対策等級3)

(B)住宅の面積が良好な居住水準を確保するために必要な規模(一戸建て住宅の場合75㎡以上)を有すること。

C)地域の居住環境の維持・向上に配慮されたものであること。

(D)維持保全計画が適切なものであること。(10年ごとの点検かつ30年以上の維持保全が必要(維持管理対策等級3))

(E)自然災害による被害の発生の防止、軽減に配慮がされたものであること。

これらの項目について、登録住宅性能評価機関による設計図面および維持管理計画書の確認が必要になります。

確認後に所管行政庁に申請書を提出して適合審査に合格すると「長期優良受託認定通知書」が交付されます。

登録住宅性能評価機関による確認から所管行政庁による臨定通知書の交付を受けるまで、およそ1ヵ月以上を見込む必要があるため、一般的な住宅の建築に必要な申請に比べて期間が掛かってしまうことに注意が必要です。

また、申請費用自体は5万円程度ですが、建設会社に支払う申請書作成費用等の経費を含めると、総額で30万円程度かかるケースが多いようです。

長期優良住宅を建てるメリット

長期優良住宅を建てるメリット

長期優良住宅には多くのメリットがあります。制度を知らずに注文住宅を建ててしまって後悔しないように、下記にまとめました。

メリット① 断熱性能が良く快適な居住空間が得られる

長期優良住宅には高い断熱性能が求められます。具体的には、「断熱等性能等級5」かつ「一次エネルギー消費量等級6」ですが、これはZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の基準と同等です。

この高い断熱性能により、冷暖房に使用する電気やガス、灯油などのエネルギー使用量が抑えられます。家計の光熱費が削減できるため、経済的な恩恵も期待できます。

また、住宅内が均一に暖まりやすく部屋間の温度差が少なくなるため、冬場の「ヒートショック」による心筋梗塞などの健康被害のリスクも軽減されます。

※断熱性能等級について、こちらの記事で詳しくご紹介しています。ぜひご参考になさってください。

家づくりコラム:断熱性能等級とは?2022年に新設された等級5についても解説

メリット② 大地震でも建物の損壊を抑えられる

長期優良住宅の構造強度としては「耐震性能等級3」が必要です。これは、建築基準法で定められた最低基準の1.5倍の耐震性能を有することを示します。

建築基準法では、数百年に一度程度の極めて稀に発生する地震力(震度6強から7)に対して「倒壊・崩壊しないこと」、数十年に一度程度の稀に発生する地震力震度5強)に対して「損傷しないこと」を最低限度の構造強度として基準が定められています。

耐震性能等級3は大地震に対する備えとして非常に高いレベルにあると言えます。

※耐震等級3について、こちらの記事で詳しくご紹介しています。ぜひご参考になさってください。

家づくりコラム:【2023年最新】耐震等級3が必要な理由とは?耐震等級の調べ方もあわせて紹介

メリット③ 修繕にかかるコストが抑えられる

長期優良住宅の認定には劣化に対する予防措置と更新を想定した設備仕様、それに加えて維持管理計画の策定が必要になります。

少なくとも30年の使用を想定し、さらに少なくとも10年に1度の点検が義務付けられますので、使用する材料や工法、設備の仕様も長期間の仕様に耐えられるように設計されています。

せっかく注文住宅を建てても、初期コストばかり気にして耐久性の劣る部材を選定し、すぐに劣化してしまい修繕費用がかかる…と後悔する声をよく聞きます。

長期優良住宅であれば、コストがかかる構造や外装に関わるリフォームの発生頻度は、一般的な住宅と比較して少なくなり、将来の修繕にかかるコストが抑えられると言えます。

メリット④ 各種の税金優遇が受けられる

長期優良住宅の認定を受けると、下記のような税金優遇が受けられるという大きなメリットがあります。

メリット⑤ 各種補助金制度の活用

長期優良住宅で建てると、地域の中小工務店等が整備する木造の長期優良住宅について補助金が適用される「地域型住宅グリーン化事業」や、エネルギー消費量を抑え太陽光パネルなどの自家発電設備でエネルギーを生み出し、差し引きでのエネルギー消費をゼロに近づける「ZEH住宅」の補助金を受けられる可能性があります。

各種補助金の適用については、ハウスメーカーや工務店にご相談ください。後悔しないためにも、活用できる補助金はできるだけ受けられるようにしましょう。

メリット⑥ 住宅ローンの金利引き下げ、保険料の割引

長期優良住宅は、ローンや保険料もお得に利用できるので、忘れずに金融機関や保険会社に相談しておきましょう。

長期優良住宅のデメリット

長期優良住宅の認定を受けることには多くのメリットがありますが、主にコスト面と工程スケジュールの面でデメリットもあります。

建てて後悔しないように、よく検討すべき事項を以下にまとめてみました。

デメリット① 仕様がグレードアップし建築費用が上がる

長期優良住宅は基準に適合させるために仕様をグレードアップすると、一般的な仕様より建設コストが1~2割程度上昇してしまいます。

コストアップの主な理由としては、耐震性能を確保するために建物の構造材が太くなり使用する部材量も多くなってしまうことと、断熱性能のアップのために使用する断熱材とサッシの価格が高くなってしまうことが挙げられます。

デメリット② 申請費用がかかる

長期優良住宅の申請は住宅性能評価と同時に行うケースが多く、「性能評価書」「申請書」の作成と登録住宅性能評価機関の確認、所管行政庁による認定まで含めると30万円程度の出費となります。

デメリット③ 申請スケジュールにより工期の制約がある

長期優良住宅は、所管行政庁による認定通知を受けるまで工事の着工はできません。

一般的な住宅の申請スケジュールに加えて、期間が1~2カ月程度余計にかかることに注意が必要です。

それに加えて、各種の補助金を受ける場合には年度ごとに公募スケジュールが決められていますので、それに合わせた申請~着工~竣工の工程計画を立てることが必要になります。

デメリット④ 維持管理が義務付けられるため点検費用がかかる

長期優良住宅は建てて終わりではなく、維持保全計画を提出し少なくとも引き渡し後30年にわたって維持管理して行くことが法律で義務付けられています。

少なくとも10年以内の頻度で定期点検を実施し必要な修繕を行うこととされており、点検費用および修繕費用が発生します。

この費用を把握しておかないと、将来後悔することになりかねませんので注意が必要です。

長期優良住宅で後悔しないために抑えるべきポイント

長期優良住宅で後悔しないために抑えるべきポイント

ここまでの内容を踏まえて、長期優良住宅を建てて後悔しないために最低限押さえておくポイントについて解説します。

建築費用の増加分を上回るメリットがあるか

先述のように、長期優良住宅は一般的な住宅と比較して各段に性能が良いために、仕様や材料のグレードアップによるコストアップが懸念されます。それに加えて申請費用も発生します。

各種の税制優遇や補助金制度も用意されていますが、コストアップ分をカバーできるかを、トータルコストの観点から慎重に検討しましょう。

長期優良住宅という名前だけで判断すると、必要以上のスペックの割高な住宅を購入して後悔することにもなりかねません。

また、長期優良住宅仕様にすると大幅にコストアップするハウスメーカーや工務店には注意が必要です。もともとの仕様と性能のスペックが低いことが懸念されます。

引き渡しが申請スケジュールに乗るか

長期優良住宅は一般住宅よりも申請期間が長くなり、結果として検討から実際の入居までの期間が長くなります。

子供の入学や進学のタイミングなど、希望する時期に間に合わず後悔する可能性もありますので、ハウスメーカーや工務店に希望の引き渡し時期を明確に伝え、逆算したスケジュールを組んでもらうようにしましょう。

将来にわたって維持管理して行けるか

長期優良住宅は維持管理計画に基づいた定期点検が義務付けられ、将来にわたって維持保全に労力とコストをかける必要があります。

地震や台風などの災害時には臨時の点検も実施しなくてはなりません。定期点検および報告書の作成は現実的にはプロに委託せざるを得なく、コストもかかるため後々後悔する要因にもなります。

将来にわたる維持管理を考えると、地元の工務店に依頼して建築することをおすすめします。地域密着型の工務店であれば全国規模のメーカーと違って距離的な制約もなく、引渡し後も親身に点検に来てくれることが期待できます。

点検費用についても、新築した工務店であれば高額な費用を請求されるリスクも少なく、建てた後に後悔することも少ないでしょう。

まとめ

ここまで、長期優良住宅の定義と建築するメリット・デメリット、後悔しないためのポイントについて解説してきました。

長期優良住宅は非常に優れた耐震性能や断熱性能を持ち、家族が長期間にわたって健康快適に安心して暮らせる素晴らしいものです。

ただし、コストアップや工期の制約、将来の点検コストの発生などのデメリットもあります。

長期優良住宅は検討すべき項目が多岐にわたるので悩まれる方も多いと思います。

もしご自身での判断が難しいようなら、お近くの工務店を訪れてプロのアドバイスを受けることをおすすめします。

今回ご紹介した内容を参考に、後悔しないための長期優良住宅をご検討してみてください。

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