後悔しないキッチン選びがしたい!注文住宅でよくある失敗6選と種類や特徴を徹底解説
注文住宅で理想のキッチンをつくっても、入居してから「使いにくい」と後悔したまま何十年も不便に暮らすのは避けたいものです。最新のキッチン設備を選んでも、配置や設計次第では失敗の原因となってしまいます。この記事では、キッチンでよくある後悔ポイントを6つ解説し、毎日の料理や家事を快適にするためのヒントを紹介します。マイホームの新築を検討中の方やキッチンづくりを成功させたい方は、ぜひ最後までお読みください。
キッチンの種類と特徴
キッチンの仕上がりに後悔しないためには、ご自身のライフスタイルに合ったスタイルを選ぶ必要があります。キッチンの種類とそれぞれの特徴を解説しますので、家づくりの参考にしてみましょう。
対面キッチン
対面キッチンは、リビングやダイニングと向かい合ったキッチンです。「オープンキッチン」とも呼ばれ、壁で仕切られていません。家族と会話したり、テレビを見たりしながら料理や片付けができる人気のキッチンスタイルです。小さなお子さんやペットの様子を見守りながら調理ができ、食事の準備や片付けもスムーズに進みます。対面キッチンは家族とのコミュニケーションが取りやすい反面、油汚れが広がりやすいというデメリットも考慮する必要があります。
アイランドキッチン
アイランドキッチンは、「島」のように独立した形のキッチンです。対面キッチンと同様に壁にくっついていないので、キッチンの周りをぐるりと自由に動ける特徴があります。複数人で一緒に料理をしやすく、家族や友だちとのコミュニケーションも弾むのがメリットです。ホームパーティーを開く機会の多いご家庭に適したスタイルです。ただし、アイランドキッチンの設計で後悔しやすい点として、収納スペースの確保が難しいという問題があります。
壁付けキッチン
壁付けキッチンは、キッチンの前面が壁についています。料理中は壁に向かって作業するため、集中しやすい環境です。壁とキッチンがくっついているため、コンパクトな空間でも設置しやすい特徴があります。リビングやダイニングを広く使いたいと考える方におすすめのスタイルです。
L字型キッチン
L字型キッチンは、シンクとコンロがL字に配置されています。体の向きを変えるだけでシンクやコンロに手が届くので、作業効率が上がるというのが特徴です。L字型キッチンには、次のようなパターンがあります。
- 2つの辺を壁に付けるパターン
- どちらも壁に付けないアイランド型
- 一方だけ壁に付けるペニンシュラ型
壁付けと対面の両方の良さを活かせるのが、L字型キッチンの大きなメリットです。
Ⅱ型キッチン
Ⅱ型キッチンは、シンクとコンロが別々の作業台に置かれています。作業スペースが広く、家族で一緒に料理する際に便利です。振り向くだけでシンクとコンロを使えるので、移動が少なくて済みます。シンクとコンロの両方に収納があり、大量の道具や食器をしまえるのもメリットです。
U字型キッチン
U字型キッチンは、コンロ、シンク、作業台がUの形に配置されています。作業する人を囲むような形のため、少ない移動で作業しやすいのが特徴です。収納や調理スペースも広く取れるので、効率良く料理したい人におすすめします。カウンターをリビングに向けると、ダイニングカウンターとしても使用可能です。
キッチンの後悔ポイント6選と対策を解説
キッチンは毎日使う場所なので、間取りや使い勝手が悪いと後悔しやすい場所でもあります。ここでは、注文住宅でのキッチンで後悔したと感じやすい失敗例を6つ紹介し、対処方法や解決策を解説します。
後悔ポイント1:作業効率が悪い
キッチンの使いやすさは、シンク・IH・冷蔵庫の3つの配置にかかっています。3つが離れすぎていると、無駄な動きが多くなってしまう原因です。シンク、コンロ、冷蔵庫を結ぶ三角形の作業動線を「ワークトライアングル」と呼びます。キッチン内で効率良く動くためには、ワークトライアングルの長さを次の範囲に収めるのがおすすめです。
- シンクとIH:120cm〜180cm
- シンクと冷蔵庫:120cm〜210cm
- 冷蔵庫とIH:120cm〜270cm
3辺の合計が3.5m〜6mに収めると、料理や片付けがしやすくなります。キッチンの動線をスムーズにすると作業効率が格段に上がるため、後悔しないキッチン設計には不可欠です。ハウスメーカーや工務店からキッチンの間取りを提案されたら、ワークトライアングルをチェックしましょう。
後悔ポイント2:パントリーが使いにくい
パントリーは、食品や食器、調理器具などを収納できて便利な設備です。しかし、設置場所を十分に考慮しないと、キッチンの使い勝手が悪くなってしまいます。たとえば、パントリーがキッチンから遠い場所にあると、料理中に食品や調味料を取りに行くのが不便です。料理中に使うものを収納する場合は、すぐに取り出せる場所にパントリーを設置します。
パントリーをまとめ買いしたもののストックを置く場所として使う場合は、玄関とキッチンの間に設置するのがおすすめです。買い物から帰ってきて、荷物をキッチンに運ぶついでにパントリーにしまえます。動線が効率的なだけでなく、体への負担も少なくなるのがメリットです。
パントリーの配置はどこでも良いわけではなく、目的に応じた場所に設置することで利便性が上がります。何を収納し、どのようなタイミングで出し入れするのかをイメージして設置場所を決めましょう。
後悔ポイント3:キッチンと食器棚の間隔が合っていない
キッチンと後ろの食器棚の間隔が合っていないと、使いにくい仕上がりとなってしまいます。家族みんなで料理をしようとしても、キッチンと食器棚の間隔が狭いと背後をスムーズに通れません。包丁を使っている人や熱い料理を運んでいる人にぶつかると、ケガや火傷の原因となるので非常に危険です。
複数人で料理をするご家庭の場合、キッチンと食器棚の間隔は1m~1m20cmを目安にします。人とぶつからずに通り抜けでき、安全面の確保もできるためです。一方、調理は1人で行う場合は90cmくらいがおすすめです。料理中に振り向くだけで食器棚に手が届き、効率良く作業できます。キッチンと食器棚の間が広すぎると、食器を取るのに手間がかかり、作業効率が悪くなる原因です。
注文住宅を新築する際は、家族で一緒に料理をするのかを話し合いましょう。人数に合わせてサイズを決めれば、快適なキッチンを実現できます。
後悔ポイント4:作業スペースが狭い
キッチンのシンクとIHの間にある作業スペースの幅をしっかり確認せずにキッチンを選んでしまうと、調理中に不便を感じやすくなります。
作業スペースの幅は60cm~90cmが一般的で、アイランドキッチンのような広いタイプだと120cmくらいです。作業スペースが60cmだと、まな板と少しの食材を置いただけで埋まってしまいます。ボールやお皿を並べて料理したいなら、できるだけ作業スペースの幅を広く確保しましょう。夫婦や親子で一緒に料理をする場合は、幅が90cm以上あると横並びで作業しやすくなります。
まずは、今使っているキッチンのサイズを調べて、新しいキッチンはどれくらいの幅が欲しいか検討するのがおすすめです。
後悔ポイント5:食洗機の容量が足りない
自動で食器を洗ってくれて便利な食洗機も、容量を確認せずに選んでしまうと後悔の原因となります。食洗機には「浅型」と「深型」の2種類あり、浅型はおよそ4人分、深型はおよそ5〜6人分の食器が入ります。一般的には家族の人数に合わせて選ぶものの、4人家族でも料理の品数が多い場合は深型を選ぶと良いでしょう。
深型は小さな鍋やフライパンも入るので、手洗いする量をできるだけ減らしたい人にもおすすめです。ただし、上から出し入れするため、下の方にある食器が取りにくいというデメリットがあります。深型の欠点を解消できると人気なのが、フロントオープン型の食洗機です。前面のパネルを手前に倒して開けるので食器を出し入れしやすく、8人分以上の食器が入ります。
ハウスメーカーによっては、フロントオープン型食洗機を標準装備に含めています。食洗機を検討中の方は、事前に担当者に確認してみましょう。
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後悔ポイント6:オープンキッチンの欠点を理解していない
オープンキッチンは、周りに壁がほとんどない開放的なデザインです。非常に人気があるものの、収納スペースが少なくなるという注意点があります。オープンキッチンは上に吊り戸棚がなく、他の場所に収納スペースを設ける必要があるためです。
また、IHコンロの周りに壁がないので、油が床に飛び散りやすいという問題もあります。油汚れは掃除が大変なだけでなく、フローリングが変色してしまう原因にもなりかねません。IHの前にオイルガード(油はねを防ぐためにコンロ周りに設置するパネル)を付けたり、床に保護シートを貼ったりして対策するのがおすすめです。
油の飛び散り具合は、炒め物や揚げ物をつくる頻度によっても異なります。ご自身の献立サイクルや調理方法に合わせて、必要であれば油汚れ対策を検討してみましょう。
注文住宅のキッチンづくりで後悔しないためのポイント
キッチンの後悔ポイントを理解したうえで、注文住宅のキッチンづくりを成功させるためにはいくつかのポイントがあります。キッチンの種類をイメージできたら、以下の項目について考えてみましょう。
動線をイメージする
快適で使いやすいキッチンをつくるためには、動線は非常に重要なポイントです。動線が悪いと「狭くて動きにくい」「料理中の無駄な動きが増える」というような問題が起き、入居後に後悔してしまいます。キッチンでの作業内容や動きを具体的にイメージし、レイアウトを検討しましょう。ワークトライアングルだけでなく、収納や調理家電の配置も使い勝手にかかわる要素です。キッチン設計で失敗しないためにも、事前に動線について十分考慮しましょう。
使いやすい収納をつくる
キッチンには多くのアイテムを収納するため、十分な収納スペースが必要です。すべてを片づけられるよう、十分な収納スペースをつくりましょう。壁面収納や吊り戸棚、パントリーのように収納方法はいくつもあります。キッチン収納の設計で失敗しないためには、奥行きの深さや取り出しやすさに注意が必要です。物が簡単に出し入れできて、ストックの量も把握しやすい収納が理想となります。奥行きが深すぎたり、高さが合わない棚は使いにくいため、ライフスタイルに合った収納設計を心がけることが大切です。
ごみ箱の置き場所を確保する
キッチンを考えるときに忘れがちなのが、ごみ箱の置き場所です。燃えるごみ・不燃ごみ・プラスチック・缶・ビンのように細かく分別するには、多くのスペースが必要となります。家族の人数や生活スタイル、住んでいる地域によって、ごみ箱のサイズや数はさまざまです。まずは、注文住宅を建築予定のルールを調べてみましょう。ごみ箱を置く場所は、シンクの下やキッチンの後ろ、使いやすくて家事の邪魔にならない場所がおすすめです。
コンセントの数と位置を決める
キッチンでは冷蔵庫や炊飯器、電子レンジのように多くの家電を使います。コンセントが足りないと、家電を使うたびにコードを差し替えるのが面倒です。コンセントの位置が悪いと「コードが届かない」「家具でコンセントが隠れる」という後悔につながります。さらに、キッチン家電は電力消費量が多く、アンペア数にも注意が必要です。キッチンのコンセント配置で後悔しないためには、冷蔵庫や電子レンジなどの家電をどこに設置するかを事前に考えておきましょう。
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キッチンの横幅、高さ、奥行き、通路幅を検討する
注文住宅のキッチン設計では、「横幅」「ワークトップの高さ」「奥行き」「通路幅」を十分に考慮します。間口は165〜300cmが標準で、効率的な作業ができる幅を選びましょう。腰痛にならないワークトップの高さは「身長÷2+5cm」が目安となり、奥行きは60〜65cmが一般的です。通路幅は1人なら80〜90cm、複数人なら100〜125cm確保すると使いやすいキッチンとなります。
まとめ
キッチンの種類や配置はライフスタイルに合ったものを選ぶと後悔しません。対面キッチンやアイランドキッチンはコミュニケーションが取りやすく、壁付けキッチンは作業に集中できます。L字型やⅡ型、U字型も使いやすく、家づくり初心者にもおすすめです。動線や収納、コンセント、ごみ箱の配置も考慮し、ハウスメーカーや工務店のアドバイスを受けながら理想のキッチンを実現しましょう。