地鎮祭って何をするの?かかる費用や時間は?
いざ家の工事に取り掛かる前に行う儀式、“地鎮祭”。
「親戚や親から『しなさい』って言われるけど、本当にしなきゃいけないの?」とよく質問をいただきます。
地鎮祭をする・しないは個人それぞれの考え方によって違いますので、「しなくちゃいけない」とも「しなくてもいい」とも、一概には言えません。
地鎮祭が一体どのようなものなのか、どれくらいの費用がかかるのかなどをこれからご紹介していきますので、ぜひ判断材料の参考にどうぞ。
そもそも地鎮祭って何?
地鎮祭と書いて、「じちんさい」と読むほか、「とこしずめのまつり」とも読みます。地域によっては安全祈願祭や鎮地祭、土祭り、地祭り、地祝いとも呼ばれています(ここでは地鎮祭で統一します)。地鎮祭の起源は弥生時代であると言われ、歴史ある儀式でもあります。
地鎮祭とは建物を建てたり土木工事を始める前に行う、工事の安全や建物・家の繁栄を祈る儀式のことを言います。家を建てる土地周辺地域を守ってくださる氏神様の神主をお招きして、地鎮祭の儀式を行います。
つまり簡単に言うと、土地の神様に「今からこの土地を触るのでお許しください」「工事を見守っていてください」とお祈りすることですね。
地鎮祭当日の流れ
紅白の布を垂らしたテントをたてて何かを行っているというのは見たことはあるけど、地鎮祭って実際には何をやるの?そんな方のために、ざっくりと地鎮祭の流れについてご説明していきます。
1 修祓の儀
地鎮祭の参加者や祭壇、お供え物をお祓いします。白い布がついた棒を神主がもって左右にバサバサさせているアレです。
2 降神の儀
神主が神様を呼びます。
3 献饌
神様にお供え物(お酒と水)をお供えします。
4 祝詞奏上
工事の安全と家の繁栄を祈願する祝詞を、神主が関係者の名前と一緒に読み上げます。
5 切麻散米
神主が切麻を巻いて土地を清めます。
6 地鎮の儀
設計士が鎌で草を刈り(苅初の儀)、建て主が鋤で土をおこし(穿初の儀)、施工者が鍬でおこした土をならします(土均の儀)。順番や誰がどの儀をするのかは地域によって違いようです。これらが終わると神主が鎮め物を納めます。
鎮め物は四角い小箱であったり、お皿をふたつ重ね合わせた形のようなものであったり、形は様々ですが総じて封印が施してあります。あからさまに「封印しています!開けないでね!」という見た目なので、ちょっとうずうずしちゃいます(笑)。
後々お家の基礎の下に埋めることになるこの鎮め物、中身はお祓いをしたお米とお塩、しめ縄の原料と同じ稲わらが少しと、お札のようなものが入っているそうですよ。
7 玉串奉奠
榊の枝に紙垂をつけた玉串というものを神様に捧げます。
8 撤饌
最初にお供えしたお酒と水に蓋をして、お供え物をお下げします。
9 昇神の儀
神様にお帰りになっていただきます。
10 閉式の辞
これにて地鎮祭終了。
うーん、なんだか大変そうですね。聞いたことのない言葉もバンバン出てきました。
簡単にまとめると身を清めてから神様に降りてきていただいて、祝詞やお供え物をして、鎌・鋤・鍬で「えい、えい」して、神様にお帰りいただく。最後には参加したひと全員で、お下げしたお供え物のお神酒をいただきます。(省略されることもあります。)
長そうに見えますが、実際はそんなに時間はかかりません。昔に比べて随分と簡易的になり、かかる時間はおよそ30分から1時間程度で、意外とサクッと終わります。
どれくらいの費用が必要?
一番気になるのが、地鎮祭にかかる費用ですよね。「ただでさえ家づくりにはお金がかかるのに、更にお金がいるなんて」と思いますよね。これが、実はリーズナブルなんです。
地鎮祭の相場は3万円〜5万円。
迷っていた方も、お値段を聞いて「これくらいならやってもいいか」とおっしゃって地鎮祭を行うこともよくあります。
「地鎮祭はやるのが当たり前」といった周囲の人から、のちのちなにかが起こった時に「ほら、地鎮祭してないからこうなった」と言われるよりは、しておいた方が精神的にも楽かもしれませんね。
地鎮祭をするか、しないかでお悩みの方には「しても後悔はしないと思いますよ」とおすすめします。
もちろん、しない方も増えていますので強制的に、ということはありませんが、人生で一度しか経験しないだろう儀式ですからやってみることもひとつの選択肢ですね。