断熱等級7とは?等級4との違いや光熱費の差を比較し快適で省エネな家づくりを徹底解説
「夏は涼しく、冬は暖かい」「光熱費を抑えて快適に暮らしたい」という理想の住まいを叶えるカギが、断熱等級7です。
2025年には断熱等級4以上、2030年にはZEH基準が義務化される予定となっています。これからの注文住宅には、省エネ・快適・健康の3つをバランスよく備えた性能が求められるでしょう。
この記事では、断熱等級7のメリットと、家づくりで注意すべきポイントをわかりやすく解説します。高性能な住まいを目指す方は、注文住宅を建てるヒントとしてお役立てください。
断熱等級7とは?注文住宅に求められる新基準
断熱等級とは、住宅の断熱性能を評価する指標です。「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づいて定められており、住宅が外部からの熱の侵入をどれだけ防げるかを示します。1から7までの7段階に分類され、数字が大きいほど断熱性能が高く、断熱等級7が最も優れた断熱性能を備えています。
2025年から断熱等級4が最低基準に
地球温暖化対策やエネルギー資源の効率的な活用を進めるため、2025年4月から新築住宅の省エネ基準適合が義務化されます。すべての新築住宅は断熱等級4以上を満たす必要があり、断熱等級3以下の住宅は建築できません。そのため、注文住宅で多く採用されている断熱等級4は、施行後は最低基準となってしまいます。さらに、2030年にはZEH基準レベルへの引き上げが予定されており、今後も省エネ性能が求められる見込みです。(参考:国土交通省「家選びの基準変わります」)
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断熱等級7が快適な住まいになる理由
住まいの断熱性を高めることは、快適で健康的な暮らしを実現できるメリットがあります。断熱性能の高い住宅は、外気温の影響を受けにくく、室内の温度差が少ないというのが特徴です。一年を通して快適に過ごせ、急激な温度変化によるヒートショックを防ぐ効果も期待できます。
さらに、冷暖房の効率が高まり、光熱費の節約やエネルギー消費の削減にもつながります。気密性が向上すると換気が適切に機能し、室内の空気を清潔に保てるのも大きな魅力です。結露やカビの発生を防ぐ効果もあり、住宅の耐久性アップにも貢献します。
断熱等級7のメリットとは?
断熱等級7の住宅は、高い快適性と経済性を備えています。室内の温度差が少なく、冬でも厚着せず快適に過ごせるうえ、冷暖房費も抑えられるため家計にもやさしいのが特長です。断熱等級7の家での暮らしがどう変わるのか、4つの視点から見てみましょう。
快適性|一年中過ごしやすい室温を保てる
断熱性能の高い住宅は、冬でも室内の暖かさをしっかり保てるため、快適に過ごせます。部屋ごとの温度差が少なく、廊下や脱衣所なども寒くなりにくいのが特長です。家全体が心地よい空間となり、寒い日でも薄着で過ごせるのは大きな魅力でしょう。さらに、夏は外の暑さを遮断できるため、帰宅後の冷房負担も軽減できます。一年を通して「夏は涼しく、冬は暖かい」快適な室内環境が実現可能です。
省エネ|光熱費を大幅に削減できる
断熱性能の高い住宅は、冷暖房にかかるエネルギーを約40%も削減できます。エアコンの使用頻度も自然と減り、日々のエネルギーコストが抑えられ、光熱費の負担を大幅に軽減できるのが大きなメリットです。さらに、省エネ性能に優れた住まいは、家計にやさしいだけでなく、環境にも配慮した持続可能な暮らしを後押しします。
健康|ヒートショック・結露・アレルギー対策に有効
断熱性と気密性に優れた住宅は、結露やカビの発生を抑え、清潔で快適な室内環境を保つのに役立ちます。また、冬場のヒートショックや夏場の熱中症といった季節特有の健康リスクを軽減できるのも大きな特長です。花粉症や喘息、アトピーなどの症状が緩和される可能性もあり、健康的な暮らしを支える住まいとして高く評価されています。小さなお子さまや高齢者がいるご家庭にも、安心しておすすめできる住環境です。
資産価値|高断熱住宅が評価される時代に
高断熱住宅は、省エネ性能の高さや快適な住環境が評価され、市場でも高い支持を得ています。将来売却する際も資産価値が維持されやすく、有利に働く可能性が高いでしょう。近年は住宅の省エネ基準がますます厳しくなっており、2030年には新築住宅にZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準の性能が義務化される予定です。今後、高断熱住宅はさらに注目を集めると考えられます。(参考:国土交通省「家選びの基準変わります」)
断熱等級7の家で光熱費はどれくらい下がる?
断熱等級は、注文住宅の快適性と光熱費などのランニングコストを左右する重要な要素です。断熱性能が高いほど冷暖房効率が向上し、月々の光熱費を抑えられます。ただし、初期コストとのバランスを考慮しながら選ぶことが大切です。
断熱等級4との光熱費の比較
G3(等級7相当)の住宅は、G1(等級4相当)に比べて、暖房エネルギーを40〜55%削減できるとされ、 電気代も抑えられると推定されています。(参考:一般社団法人20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会「省エネルギーとG1~G3」)
一般的な住宅会社が建てる断熱等級4の住宅と断熱等級7の住宅では、年間の冷暖房費に以下のような差が生じるという試算もあります。
住宅の断熱等級 | 年間の冷暖房費 | 30年間の累積費用 |
断熱等級4 | 約13万7千円 | 約411万円 |
断熱等級7 | 約3万5千円 | 約105万円 |
差額 | 約10万2千円 | 約306万円 |
この試算によると、断熱等級7の住宅では年間約10万2千円の冷暖房費を節約でき、30年で約300万円の差が発生します。長期的なコストを考慮すると、より高い断熱性能を選ぶほうが経済的にもお得といえるでしょう。
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断熱等級7の住宅が実現する「冬暖かく、夏涼しい家」
断熱等級7の住宅は、家全体の温度を均一に保ち、快適で健康的な暮らしを実現します。寒い廊下や冷えたトイレの不快感がなく、間取りの自由度も広がるのが大きな魅力です。
また、高断熱の環境はヒートショックの予防や肌トラブルの軽減、カビの発生防止にも効果的で、健康面でも多くのメリットがあります。さらに、光熱費を抑えながら、一年を通して快適に暮らせる住まいを求める方にも最適です。
断熱等級7を実現する家づくりのポイント
断熱等級7の住宅を実現するには、断熱・気密・換気のバランスがとれた設計と、高い施工技術が欠かせません。たとえ高性能な素材を使っていても、気密処理や施工に不備があれば、性能を十分に発揮できないためです。ここでは、断熱等級7の家づくりで重要となる3つのポイントを紹介します。
断熱材の種類と選び方
省エネ性能の高い住宅を建てるには、断熱材の選び方が重要なポイントとなります。家全体を高性能な断熱材で包むと外気の影響を受けにくくなり、冷暖房効率が向上し、エネルギー消費の削減につながるためです。
ただし、断熱材には種類があり、それぞれ性能が異なります。注文住宅を検討中の場合、使用される断熱材を事前に確認すれば、快適な暮らしと光熱費削減を実現可能です。
断熱材の主な種類と特徴
■ 繊維系断熱材(例:グラスウール)
- 細かいガラス繊維で構成されており、断熱材として広く使用されている
- 大量生産が可能なため、価格が安く、導入しやすい
- 断熱性能はやや劣るため、省エネ性を重視する住宅には不向き
- 冷暖房の効率が下がりやすく、長期的には光熱費がかさむという可能性がある
■ 発泡プラスチック系断熱材(例:フェノールフォーム)
- プラスチックを泡状に加工したもので、内部の細かな気泡が高い断熱効果を発揮する
- 熱を通しにくく、断熱性能が長く持続するというのが大きな特長
- 価格はやや高め
- 住宅会社によってはオプション扱いとなるケースも多い
窓の性能と選定ポイント
窓は、住宅の断熱性能を大きく左右する重要な要素となります。夏の暑さの約7割、冬の暖房熱の約6割が窓から出入りするとされており、適切な窓を選ぶことが、室内の快適性や冷暖房費の削減につながるためです。
現在の新築住宅に使われる窓は、主に「ガラスの枚数」と「枠の材質」によって性能が異なります。
■ ガラスの枚数
- 複層ガラス(2枚ガラス):多くの新築住宅で採用される一般的な仕様
- トリプルガラス(3枚ガラス):断熱性に優れ、省エネ効果が高い
■ ガラス枠の材質
- アルミ:価格が安い一方で、熱を通しやすく断熱性は低め
- アルミ+樹脂(ハイブリッド):アルミの強度と樹脂の断熱性を併せ持つバランスタイプ
- 樹脂:断熱性は最も高いが、強度面でやや制限がある
これらの組み合わせによって、窓の断熱性能とコストが決まります。ガラスの枚数が多く、枠が樹脂に近いほど断熱性が高くなる一方で、コストも上がるのが特徴です。
ローコスト住宅や建売住宅では、「複層ガラス × アルミ枠」の組み合わせが多く採用されています。コストを抑えられる反面、断熱性能は低く、冷暖房効率が下がりやすいというのが課題です。
高断熱仕様の住宅を目指すなら、トリプルガラスとアルミ+樹脂のハイブリッド枠を組み合わせた高性能な窓の採用をおすすめします。ただし、多くの住宅会社でオプション扱いとなっており、導入には追加費用が必要となるケースが大半です。
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気密性能(C値)と測定の重要性
住宅の省エネ性能を高めるうえで、「気密性」は欠かせない要素のひとつです。目に見えない隙間が多い住宅では、冷暖房で調整した空気が外に逃げてしまい、エネルギー効率が大きく低下します。
たとえば冬場、冷気は床にたまり、暖かい空気は天井付近へ逃げていくため、暖房をつけても足元がなかなか温まりません。床暖房などで対策することも可能ですが、高額なオプションとなりやすく、建築コストを押し上げる原因となります。
一方、気密性の高い住宅であれば、少ないエネルギーで冷暖房が効率よく機能し、室温が安定して快適です。夏も外気の影響を受けにくく、冷暖房コストの削減や光熱費の抑制につながります。
ただし、気密性は設計図や仕様書だけでは判断できません。本当に気密性が高いかどうかは、建築現場で「気密測定」を行い、実測値の確認が必要です。
気密性能を数値で示す指標は「C値(相当隙間面積)」で表わし、C値は数値が小さいほど隙間が少なく、高気密となります。
一般的な住宅のC値は約5.0ですが、高気密住宅の目安は1.0以下です。中には気密測定を実施せずに「高気密住宅」と謳う住宅会社もあるため、C値の測定実績があるかどうかは、信頼できる住宅会社を見極める重要なポイントとなります。
断熱等級7の注文住宅を建てるなら?
多くの住宅会社では断熱等級4〜6が標準のため、断熱等級7の家は特別仕様というイメージがあるかもしれません。三宅工務店では断熱等級7を標準仕様で装備しているため、断熱材・窓・気密性のすべてにおいて高水準の性能を採用しながら、追加費用はゼロです。三宅工務店が断熱等級7を標準にできる具体的な仕様を紹介しましょう。
三宅工務店の高断熱仕様とこだわり
三宅工務店では、業界最高水準の断熱材「ネオマフォーム」を外壁・屋根・床下に標準採用しています。一般的なグラスウールと比べて約2倍の断熱性能を誇り、冬の寒さや夏の暑さを十分に遮ることが可能です。さらに、気泡が非常に細かく、崩れにくい構造のため、断熱効果が長期間にわたって持続します。これほど高性能な断熱材を追加費用なしで導入できるのは、三宅工務店ならではの大きな魅力です。
標準仕様で実現する高性能な断熱材と窓
三宅工務店の住宅は、LIXIL製トリプルガラス+アルミ×樹脂のハイブリッド枠を標準装備として採用しています。高性能なガス封入と多層構造により、一般的な窓と比べて3倍以上の断熱性能が魅力です。スリムなフレーム設計で外観をスタイリッシュに保ちつつ、室内のインテリアも邪魔しません。断熱性とデザイン性の両立を求める方にとって、理想的な仕様となっています。
全棟気密測定で安心の高気密住宅
いくら断熱材や窓にこだわっても、家に隙間があれば快適性は大きく損なわれてしまうのが問題です。三宅工務店では、全棟で気密測定を実施し、「C値」を数値で確認できる体制を整えています。C値1.0以下で高気密住宅とされる中、2023年は平均C値0.43という、非常に高い気密性能を達成しました。見えない部分にも徹底的にこだわるからこそ、「エアコン1台で家中が快適に保てる」といったお客様の声が多く寄せられています。
三宅工務店では断熱材や窓だけでなく、見えない気密性能にもこだわっています。
詳しくはアイフルホームの家づくり|断熱・気密性能の詳細ページをご確認ください。
まとめ|これからの省エネ住宅には断熱等級7が必須
これからの住宅は省エネ性能が求められ、断熱等級7は将来を見据えた新基準といえます。光熱費を抑えられるだけでなく、快適性や健康面でも多くのメリットがあり、長く安心して暮らせるのが魅力です。また、省エネ性能の高さは資産価値の維持にもつながるため、将来的に売却を視野に入れている方にもおすすめです。
三宅工務店では、高性能な断熱材や窓を標準仕様とし、断熱等級7の住まいを追加費用なしで実現。さらに、全棟で気密測定を実施しており、安心・信頼の高性能住宅をお届けしています。