住宅ローンは年収の何倍?審査基準・返済負担率・安全な借入額の目安をわかりやすく解説!
テーブルの上のに置かれた住宅模型と住宅ローン契約書|借入可能額の目安を計算する男性

家づくりコラム

住宅ローンは年収の何倍?審査基準・返済負担率・安全な借入額の目安をわかりやすく解説!

テーブルの上のに置かれた住宅模型と住宅ローン契約書|借入可能額の目安を計算する男性

「住宅ローンは年収の何倍まで借りられる?」は、家づくりを考える多くの人が気になるポイントです。一般的に年収の6~7倍が基準とされていますが、審査基準や返済負担率によって実際の借入額は変わります。

本記事では、借入可能額の目安や審査のポイント、安全に返済できる金額の計算方法をわかりやすく解説します。「年収○○万円ならいくら借りられる?」 という具体例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

住宅ローンは年収の何倍まで借入できるのか?

年収に対する住宅ローンの借入目安を銀行員と相談する夫婦

住宅ローンを組むにあたって、「年収の何倍まで借りられるのか?」という問題は多くの人が気になるポイントです。銀行は、勤務先や職種などの条件に加え、「返済負担率」という基準をもとに借入可能額を決めます。

住宅ローンは年収の7倍程度が目安

銀行の審査基準や個人の条件によって異なるものの、住宅ローンは年収の7倍程度が上限というのが一般的な考え方です。

たとえば、年収が600万円のケースでは、「 600万円 × 7 = 4,200万円」が住宅ローンの借入上限の目安 となります。

しかし、銀行は「返済負担率」という指標をもとに、実際にいくら貸せるかを決めているので注意しましょう。

返済負担率とは?

返済負担率とは、住宅ローンの返済額が年収の何%になるかを示すものです。たとえば、年収600万円で年間のローン返済額が180万円なら、返済負担率は30%となります。

銀行は貸しすぎを防ぐために返済負担率に上限を設定しており、一般的な目安は以下の通りです。

年収600万円の住宅ローンシミュレーション

たとえば、年収600万円の人が返済負担率35%の銀行で35年ローンを組む場合、以下のように計算できます。

  1. 月収の計算 → 600万円 ÷ 12 = 50万円
  2. 負担率35%の計算 → 50万円 × 35% = 17万5千円(月の返済額)
  3. 借入可能額の計算(審査金利3.5%の場合)→ 約4,230万円

つまり、年収600万円なら最大4,230万円がローン借入額の上限の目安です。住宅ローンの借入可能額は銀行の基準や他のローンの有無によって変わるため、具体的な金額を知りたい場合は銀行に相談しましょう。

住宅ローンはいくら借りられる?年収ごとの目安を解説!

住宅ローンの借入可能額を年収別にシミュレーションする夫婦

住宅ローンを組む際は、「年収の何倍まで借りられるのか?」という視点は重要なポイントです。住宅ローンの借入可能額は一般的に年収の7倍が目安ですが、実際の上限額は銀行の審査基準によって変わります。

年収別に見る住宅ローンの借入上限額

以下の表は、返済負担率35%で計算した年収別の住宅ローン借入上限額です。

年収借入可能額(最大)年収倍率(目安)
400万円約2,822万円約7倍
500万円約3,528万円約7倍
600万円約4,234万円約7倍
700万円約4,940万円約7倍
800万円約5,645万円約7倍
900万円約6,351万円約7倍
1,000万円約7,057万円約7倍
※ 35年ローン・審査金利3.5%の場合

住宅ローンは年収の何倍まで安全?

住宅ローンの借入額は年収の7倍が目安とはいえ、「安全に返済できるか」という点について慎重に考える必要があります。
たとえば、年収600万円の人が4,230万円のローンを借りると、毎月の返済額は約17.5万円です。しかし、自己資金を足せば、より余裕のある住宅購入が可能となります。

自己資金を加えた「家の予算」の計算方法

年収600万円の人が自己資金300万円を持っている場合

このように、住宅ローンだけでなく自己資金を加えた「総予算」を考えることが非常に重要です。

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注意点:住宅ローンの借入額は銀行によって異なる

住宅ローンの審査基準は銀行ごとに異なるだけでなく、他のローン(車のローンなど)がある場合は借入可能額が減る可能性もあります。

そのため「住宅ローンは年収の何倍まで借入可能か」だけでなく、「無理なく返済できるか」も考慮して検討しましょう。

家づくりの前に正確な借入可能額を知りたい場合は、金融機関でのシミュレーションをおすすめします。

住宅ローンは年収の何倍?審査基準と目安を解説

住宅ローンの審査基準チェックリストを確認するノートと家の模型

住宅ローンを申し込む際は、「年収の何倍までなら安心して借りられるのか?」 という疑問を持たれた方も多いでしょう。年収の7倍が住宅ローンの借入上限の目安として一般的とはいえ、必ずしも審査に通るわけではありません。

住宅ローンは年収の8倍以上だと審査厳しくなる

住宅ローンの借入額は銀行が設定する返済負担率によって決まり、「年収 × 7」 でざっくりとした借入可能額を求められます。他の借り入れや返済能力に問題がないとして、審査に通りやすい借入額の目安は以下の通りです。

住宅ローンの審査で気をつけるポイント

住宅ローンを扱う銀行の審査基準として、「無理なく返済できるか」というのは最も重要な項目です。年収の8倍を超えるローンを申し込むと、返済リスクが高いと判断され、希望額より少なくなるケースが多く見受けられます。そのため、住宅ローンを申し込む際は、年収の7倍以内を目安にし、無理のない計画を立てると安心です。

住宅ローンは年収の何倍まで?審査に落ちる理由と対策を解説

住宅ローン審査のNGを示すプレートを指しだす銀行員

住宅ローンを申し込む際に、年収の7倍以内なら必ず審査に通るわけではありません。審査に落ちる理由として最も多いのは、他のローンの影響です。

住宅ローン審査に落ちる主な理由

他のローンの影響

たとえば、車をローンで購入している場合は、車のローンも返済負担率に含まれるため、住宅ローンの借入可能額が減ります。

年収600万円で負担率上限35%(月17.5万円まで)とした場合

他のローンがあると住宅ローンで借りられる金額も減るので、事前に確認が必要です。

審査金利の影響

銀行の審査では、実際のローン金利ではなく、3~4%の審査金利を使って計算されます。
将来の金利上昇を見越して、無理なく返済できるかを判断するためです。ご自身で試算する際は、現行の金利を適用しがちなので注意しましょう。

住宅ローンを申し込む前にやるべきこと

  1. 他のローンがないか確認し、必要なら先に完済する
  2. 銀行の審査基準(金利・負担率)をチェックする
  3. 年収の7倍以内でも、確実に審査に通るか銀行に相談する

住宅ローンは年収の何倍まで借入可能かだけでなく、実際に審査に通るかどうかも重要です。他にローンがあって住宅ローンの借入額が少なくなるかもしれないと心配な場合は、早めに銀行に相談して、対策を講じましょう。

住宅ローンは年収の何倍まで?無理なく返済できる金額の考え方

住宅ローンの無理のない返済計画をイメージさせる家の模型と¥マークのつみき

住宅ローンは一般的に年収の7倍まで借りられるとされているものの、大切なのは無理なく返済できるかどうかです。「借りすぎが心配…」という方のために、安全に返済できる金額の考え方をわかりやすく解説します。

安全に返済できる住宅ローンの計算方法

住宅ローンを検討中の方は、以下の手順で無理のない借入額を確認しましょう。

1:手取り収入を計算する

年収から税金・社会保険料を引いた金額が「手取り年収」となります。


年収600万円の場合

2:毎月の生活費を引く

手取り年収を12で割って1か月の収入を出し、以下のような毎月かかる費用を差し引きます。

3:住宅ローンと固定資産税を計算

毎月の生活費を引いた残りの金額から、以下の2つを引いてみましょう。

将来的な出費に備える余力があり、無理のない生活を送れるようであれば問題ありません。

年収600万円でのシミュレーション

年収600万円で、住宅ローンの月返済額が10万円のご家庭で試算してみます。

  1. 手取り月収 = 約39万円
  2. 生活費を引く(例:食費・光熱費・教育費などで22万円)
  3. ローン返済 10万円 + 固定資産税(月割り)を引く

手元に残るお金はあるので、住宅ローンの借り入れで家計が圧迫されることはないでしょう。ただし、「これなら安心!」という金額は家庭によって違うため、最終的には各家庭の判断となります。

住宅ローンは無理なく返せる額を基準に決めよう

住宅ローンの無理のない返済額は人によって異なります。そのため、「いくら借りられるか」ではなく、「無理なく返せる金額」を基準に考えることが大切です。手取り収入と生活費を計算し、毎月の余裕を確認しましょう。住宅ローンを契約する前に、ご自身に合った返済計画を立てて、無理のない借入を心がけると経済的な不安を減らせます。

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住宅ローンは年収の何倍まで?予算が厳しいときの対策

住宅ローンの返済負担を減らすために支出を見直す夫婦

住宅ローンの借入額は年収の7倍が目安とはいえ、「支払いが厳しそう…」と感じる場合はどうすればよいのでしょうか?マイホームの予算を見直す前に、まずは家計の支出を見直す方法があります。

住宅ローンの返済が厳しいと感じたときは、一度に大きく節約するのではなく、さまざまな支出を少しずつ減らすことがポイントです。

1. 毎月の固定費を削減

2.生活費を少しずつ減らす

たとえば、毎月1万円の支出を削減できれば、住宅ローンの返済負担を減らせます。住宅購入を諦める前に、まずは支出の見直しをしてみましょう。

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住宅ローンは年収の何倍?みんなはいくら借りているのか調査結果を紹介

住宅ローン利用者の調査データを確認するグラフと表

住宅ローンを検討する際、他の人がどれくらい借りているのか気になる方も多いでしょう。
2023年のフラット35利用者調査によると、住宅の種類ごとの平均借入額は以下の通りです。

住宅の種類別 平均借入額と年収倍率

住宅の種類平均借入額年収倍率(目安)
土地購入 + 注文住宅4,171万円約7倍
マンション購入3,889万円約7倍
注文住宅のみ(土地なし)3,040万円約6倍
建売住宅購入3,092万円約6倍
(参考:住宅金融支援機構「2023年度フラット35利用者調査」)

住宅ローンの借入額は地域によって異なる

東京や大阪のような都市部では土地代が高く、住宅ローンの借入額が調査結果を上回るケースが多く見受けられます。人気エリアでは土地代だけで予算の大半を占めることもある一方で、地方や郊外では土地代が比較的安いというのが特徴です。同じ価格でも広い敷地を確保できるため、住宅ローンの借入額を抑えやすい傾向があります。住宅を購入する際は、住みたい地域の相場を把握し、年収の何倍まで借りられるかを考えながら無理のない計画を立てましょう。

住宅ローンは年収の何倍までが適正?

住宅ローンの借入額は一般的に年収の6~7倍が基準とされているものの、住む地域や住宅の種類によって適正な借入額は異なります。都市部では土地代が高く、年収の7倍以上の借入が必要になることも少なくありません。地方では同じ予算でも広い家が建てられ、借入額を抑えやすい傾向があります。年収の何倍までが適正という正解はなく、実際に借りられる額や無理のない返済額を住宅会社や銀行に相談し、慎重に計画を立てることが大切です。

まとめ

住宅ローンの借入可能額は一般的に年収の7倍が目安なものの、重要なのは無理なく返済できるかどうかです。銀行の審査では返済負担率が基準となり、他のローンがあると借入額が減る可能性もあります。また、住む地域によって必要な借入額は異なり、都市部では土地代が高くなりがちです。住宅ローンを組む際は「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」を基準にし、家計の見直しやシミュレーションを行いましょう。

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