快適なキッチンを叶える!注文住宅の水栓・食洗機・シンク選びのポイントを紹介
注文住宅を新築するにあたって、キッチン周りの設備は慎重に選ぶ必要があります。デザインと機能性を両立させるためには、水栓・食洗機・シンク選びが重要です。
今回は、入居後に後悔しない選び方について詳しく説明しましょう。使い勝手と見た目を兼ね備えたキッチンの実現のためにも、記事をお読みください。
水栓はデザインだけでなく実用性も重要
水栓のデザインは、キッチンの雰囲気に大きく影響します。見た目で選びたくなってしまうかもしれませんが、お手入れが大変なものだと水垢やサビがつく原因となりかねません。水栓が汚れていると、飲み水にも支障をきたす恐れがあります。デザインばかりを重視せず、操作法やメンテナンスの手軽さも考慮して選びましょう。
タッチレス水栓は便利で衛生的
水栓には、手動とタッチレスの2種類があります。手動水栓はレバーを操作して水やお湯を出すタイプです。タッチレス水栓は手をかざすだけで操作できます。最近では感染症対策の一環として、タッチレス水栓の需要が増加傾向です。注文住宅のキッチンでも、操作性の便利さから人気があります。
ハンズフリー水栓とタッチレス水栓の違いと考慮すべきポイント
タッチレス水栓と似たものに、ハンズフリー水栓があります。手をかざすだけで水が出るだけでなく、一定時間経つと自動的に止まるのが特徴です。駅や百貨店のトイレなどに多く設置されています。
非常に便利なものの、小さなお子さんがいるご家庭には不向きな一面もあります。自宅に導入した場合、お子さんが「水栓を閉める」という経験をする機会がありません。学校や友だちの家に遊びに行って困ってしまう可能性もあります。ご家庭によっては、タッチレス水栓のほうがおすすめです。
注文住宅のキッチンでタッチレス水栓が人気の理由
注文住宅のキッチンにタッチレス水栓が人気の理由として、以下の3つが考えられます。
調理中も衛生的で便利
調理中に汚れた手を洗う際に、蛇口に触れずに水が出せて衛生的です。ハンバーグのようにひき肉をこねる作業も、スムーズに進みます。手に泡がついていても水を止めたり、出したりできるので便利です。
手軽な使いやすさで家事をサポート
レバーの操作をせずに水が出せるので、小さなお子さんでも簡単に扱えます。野菜を洗ったり、食べ終えた食器を片づけたりとお手伝いも簡単です。大人も大きなお鍋や両手いっぱいにお皿を持っていても困りません。
節水効果が期待できる
センサーに手をかざすだけで止水できるので、水の出しっぱなしを防げます。手がふさがっていても操作でき、節水効果は抜群です。多くの製品は節水機能が搭載されているため、タッチレス水栓を導入するだけで水道代の節約につながります。
タッチレス水栓の注意点と対処法
キッチンでの作業が便利になるとお伝えしたタッチレス水栓ですが、不便な点もあります。
温度や水量の調整はタッチレスではない
タッチレス水栓は、水を出したり止めたりはハンズフリーで操作可能です。しかし、温度や水量はボタンで操作しなければなりません。場合によっては、手が汚れていても水栓を触る必要が生じます。
感度の高さによる誤作動がある
製品によってはセンサーの感度が良すぎるという問題もあります。「シンクにお皿を置こうとしただけで水が出てしまう」「キッチンカウンターに手を伸ばしただけなのに、センサーが反応してしまった」というようなケースもあります。
停電時はセンサーが反応しなくなるものの、手動モードに切り替えれば問題ありません。生活の中で、少しずつコツをつかんでいく心づもりで導入するとトラブルにも対応できます。
食洗機の設置は必須?注文住宅でのメリットとデメリットを解説
食洗機は、注文住宅を建てる際に考慮すべき重要なポイントです。どのご家庭にも必要なものではありませんが、新築時に設置しておくメリットもあります。とくに、キッチンのインテリアにこだわりたい方は注意が必要です。食洗機の有無から、設置のタイミングについて解説します。
食洗機の設置メリット
キッチンに食洗機を設置する最大のメリットは、食器洗いの手間が省けることです。食洗機に食べ終わった食器と洗剤をセットするだけで、洗浄から乾燥まで仕上げてくれます。家事の時間が短縮できるので、家族団らんや趣味の時間に充てられますね。
また、食洗機は高温殺菌効果も期待できるので衛生的です。50℃以上の温水で洗浄し、ヒーターの熱で乾燥させるため、食器を清潔に保てます。
食洗機は手洗いよりも節水効果があり、年間の水道使用量は約1/4です。
手洗いと食洗機の水道使用量の比較(年間)
手洗い | 食洗機 | |
水道使用量 | 47.45 | 10.80 |
水道だけでなく、ガス代の節約にもなります。太陽光発電を導入したご自宅の場合、電気代もかからないので大きな節約となるでしょう。
(参考:経済産業省「キッチン | 無理のない省エネ節約 – 資源エネルギー庁」)
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食洗機のデメリットと注意点
食器洗いの手間を省いてくれる食洗機ですが、デメリットもあります。食洗機は高温洗浄するため、素材によっては洗えません。「鉄やフッ素樹脂加工のフライパン」「耐熱温度90℃未満のプラスチック容器」「クリスタルガラス」「木製食器やまな板」などは手洗いが必要です。
食洗機は、入れる前に食べ残しや油を取り除く手間もかかります。本体の故障を防ぐためにも、予洗いが必須です。食器の量が少ないご家庭の場合、手洗いのほうが楽だと感じる場合もあります。
本体購入や設置工事だけでなく、メンテナンスにも費用がかかるのも注意したい点です。あらかじめキッチンに組み込むビルトイン型の場合、作業台下の収納スペースは縮小されてしまいます。据え置き型は、調理スペースを圧迫するだけでなく、専用のコンセントも必要です。
食洗機の種類と注文住宅におすすめのタイプ
食洗機にはビルトイン型と据え置き型の2種類があります。ビルトイン型はシンクの下に設置し、キッチンをスッキリとさせられるのが特徴です。据え置き型は作業台に置くタイプで、専用のコンセントと水栓があれば後からの設置もできます。
ビルトイン型食洗機は大容量で、4人以上の家族やまとめ洗いを希望するご家庭に人気です。新築マンションでも多く採用され、ファミリー世帯からの需要が高いとわかります。
注文住宅を建てる際に食洗機を設置するなら、ビルトイン型がおすすめです。好みのデザインやサイズをシステムキッチンに組み込めます。ライフスタイルや家族の人数を考慮し、食洗機の必要性を検討しましょう。
ビルトイン食洗機の選び方
注文住宅の新築時にビルトイン食洗機を設置する場合、事前にサイズを決められます。幅は、45cmと60cmが一般的です。45cm幅のほうが普及しており、機能やデザインにバリエーションがあります。60cmのワイドタイプは大容量の食器を洗えるのが特徴です。
食洗機によって深さが異なり、深型と浅型の2つのタイプがあります。深型は容量が多く、高さがあるため大皿や長い柄の調理器具も洗えるのがメリットです。
また、食洗機の扉にはスライドオープン式とフロントオープン式の2つの種類があります。スライドオープン式は立ったまま食器を入れられ、商品の種類も豊富です。ただし、容量はやや小さめの傾向があります。フロントオープン式は出し入れが簡単で容量も大きいものの、しゃがむ必要があるため負担を感じる方もいるでしょう。日本製が少なく、海外製は効果という問題もあります。
食洗機の選択はサイズや出し入れの方法を考慮するのが大切です。カタログに書いてある容量や想定人数は、配置方法によって異なるので注意しましょう。
ビルトイン食洗機のメーカー5社を紹介
注文住宅にビルトイン食洗機を導入する際には、具体的な製品の比較検討が重要です。以下に代表的な5つのメーカーとそれぞれの特徴を紹介します。
LIXIL(リクシル)
- 静音性や省エネ性に優れている
- ドアを2回ノックすると自動的に開くので、手がふさがっているときでも便利
- 食器や調理器具の種類や量に合わせて調整できる上カゴが4つのスタイルに変更可能
- シリコンカップや軽い小物類が水流で飛ばされない仕様
- 下部と上部からのシャワーで汚れを均一に洗い流せる
クリナップ
- 静音性や省エネ性に優れている
- ドアを2回ノックすると自動的に開くため、手がふさがっていても便利
- 食器や調理器具の種類や量に合わせて上かごが4つのスタイルに変更可能
- シリコンカップや軽い小物類が水流で飛ばされないような設計
- 下部と上部からのシャワーで汚れを均一に洗い流せる
パナソニック
- 業界初の液体洗剤自動投入機能を搭載したモデル
- 約35℃の低温排気を実現
- ドアの開く速度は安全性を考慮して調整
- 3つのセンサーの連携により、節水と省エネを自動で最適化
- 高温・高圧水流(50℃以上)を使用して食器洗いと同時に除菌ができる
タカラスタンダード
- 設置場所をシンク下と横から選べる
- フライパンだけでなく、ザルやまな板なども一緒に洗える
- 操作部が本体上部にあり、立ったままの姿勢で操作可能
- センサーに軽くタッチすると自動でドアが開く
- シャワーミスト機能により、頑固な汚れを浮かせて取り除ける
TOTO(トートー)
- 洗い物をまとめて運べる「通いかご」が便利
- キッチンに調和するデザイン
- 使い勝手の良い大容量タイプ
- 上下段に分かれた引き出しで、食器をセットしやすい
- 調理器具も洗える広々設計
シンクの素材とサイズ選びのポイント
シンクはキッチンにおいて欠かせないアイテムです。キッチンの利便性や雰囲気に大きく影響を与えるため、慎重に選ぶ必要があります。注文住宅では、ステンレスと人造大理石が人気です。それぞれの特徴を見てみましょう。
ステンレスシンクの特徴とメリット
ステンレスは、長い間シンクに使われてきた素材です。人気の秘密はサビにくい性質と耐久性にあります。プロの厨房でも使用される強度を持ち、一般家庭でも長期間使用できる頑丈さです。
メリットとしては、以下の3点が挙げられます。
・サビや腐食に強い ・耐熱性と高い強度を備えている ・匂いや汚れがつきにくく衛生的 |
ステンレスシンクはメンテナンスも簡単で、サビの発生も限られています。小さな傷がつきやすいというデメリットがあるものの、最近は傷のつきにくい加工が施されているシンクも販売されています。
人造大理石シンクの特徴とメリット
人造大理石は、天然大理石が主な原料です。大理石を粉砕してセメントなどで人工的に固めてあります。天然大理石よりもコストが安いのも特徴です。
人造大理石シンクのメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
・見た目に高級感がある ・傷がつきにくい ・色やデザインのバリエーションが豊富 |
天然大理石よりも水に強いというメリットもあります。ただし、紫外線の影響で黄ばんだり、重いものを落とすと割れたりするので注意が必要です。人造大理石の質感はメーカーによって異なるため、色を選ぶのがむずかしい課題もあります。
シンクサイズは65cmと75cmから選ぶ
シンクのサイズは、65cmと75cmの横幅が主流です。65cmはコンパクトなものの、家族の人数によっては狭く感じる場合もあります。75cmサイズはスペースに余裕を持ってキッチンを使用でき、ホームパーティーを開くご家族や二世帯住宅を考えている方におすすめです。
注意したいのは、シンクのサイズはキッチンの種類にも左右される点です。間取りやキッチンの種類によっては、必然的に大きなシンクが必要となります。キッチンのスタイルにこだわりがある場合は、以下の関連記事を参考にしてみてください。
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快適なキッチンに仕上げるためには、水栓・食洗機・シンクを適切に選ぶ必要があります。予算やデザインの好み、ライフスタイルに合わせて慎重に選びましょう。おしゃれで機能的なキッチンを実現するためには、専門家への相談も重要です。近くの工務店やショールームを訪れ、知識と経験を持ったプロの意見を聞いてみませんか。