外構工事で後悔しないためには?注文住宅でよくある7つの失敗と注意点
家づくりで後悔しないためには、外構工事は重要なポイントです。高額な費用をかけても、期待通りに使えなかったり、手入れが大変だったりすると、無駄な出費となってしまいます。外構は家の見た目にも大きな影響を与え、近隣の方々にも仕上がり具合がわかってしまうほどです。
今回は、「外構工事で後悔した」という声が多い7つの事例と、外構とエクステリアの違いについて紹介します。注文住宅を検討中の方や、家の外観を快適に整えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
外構とエクステリアの違いと共通点を理解しよう
家づくりを進める中で、「外構」や「エクステリア」という言葉を耳にする機会が多くあります。どちらも似たような意味を持つものの、使われ方は微妙に異なるので注意が必要です。外構とエクステリアの違いや共通点を理解しておくと、マイホームの外周りの計画がスムーズに進み、外構工事での後悔を防げます。
外構とは何か
外構とは「建物の外にある構造物」を指し、具体的には以下のような設備です。
- 門
- 塀
- 植栽
- アプローチ
- カーポート
- 砂利など
注文住宅の外構として、フェンスで外からの視線を遮ったり、カーポートで雨や雪から愛車を守ったりという例があります。外観の装飾というよりも、住み心地を高めるための機能性が重視されているのというのが特徴です。
エクステリアとの違いと共通点
外構と似た言葉として「エクステリア」があります。エクステリアとは「家の外周りの空間」を指す言葉で、インテリアと対照的な位置づけです。インテリアは家具や照明を含めた部屋全体の内装を指しますが、エクステリアはアプローチのデザインや照明で照らされた木々など外周り全体を指します。どちらの言葉も「家の外周りを整える設備や空間」という意味があると覚えておきましょう。
外構工事で解決できる暮らしの悩み
外構工事を上手に活用すると、暮らしの悩みや不満を解消できます。具体的にどのような悩みを解決できるのか、注文住宅で多く見かける外構工事の例を4つ紹介しましょう。アイデアを参考にすれば、新居での生活を後悔せずに過ごせるでしょう。
子どもやペットが道路に飛び出しそうで不安
小さなお子さんや犬がいるご家庭では、道路への飛び出しを心配される方が多くいます。飛び出し防止に最適な外構工事は、門扉の設置です。玄関と道路の間に門扉があれば、お子さんやペットが簡単に外に出られません。さらに、自宅の敷地を外部から仕切ることで、防犯性の向上も期待できます。
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花粉や雨を気にせずに洗濯物を外に干したい
いつでも快適に洗濯物を干すためには、外構工事でサンルームを設置するのがおすすめです。サンルームとは窓やパネルによって太陽光を取り込める多目的な部屋です。室内と屋外をつなぎ、季節を問わず自然光で洗濯物を干せます。花粉や雨の日でも洗濯物を干せるだけでなく、共働き世帯でも突然の雨を気にせずに外出が可能です。
玄関の段差につまずいてしまう
段差のある玄関にお住いの場合、つまずいてしまう事故は珍しくありません。安全のためには外構工事で手すりを設置し、咄嗟の転倒を防ぎましょう。段差に手すりがあると、高齢者をはじめ、妊婦さんや小さなお子さんにとっても安心です。見た目を気にされる方もいますが、最近はスタイリッシュなデザインの手すりも登場しています。
庭のメンテナンスが大変
注文住宅に庭を設けたものの、草むしりや芝生の管理などが大変で後悔したという声も多くあります。メンテナンスを負担に感じた際におすすめなのが、ウッドデッキの設置です。地面の面積が減り、日常のお手入れが楽になります。外構工事の際に、コンセントや水道、照明もつけておくと使い勝手がさらに広がり快適です。
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外構工事で後悔しやすい7つの例
外構工事は成功すれば日常生活を快適に送れますが、失敗すれば後悔の原因となります。外構工事を行ったものの、入居後に後悔しやすいポイントを7つ紹介しますので、慎重に検討しましょう。
1. 手入れが大変な芝生
庭に芝生を植えると爽やかな雰囲気に仕上がり、お子さんがのびのびと遊べます。しかし、芝生は手入れに手間がかかるため、後悔も多い外構設備の代表格です。暖かい季節には雑草が生えやすく、毎週のように草むしりが必要となります。また、芝生の種類によってはほぼ毎日水やりをしなければなりません。伸びるのも早いため、こまめな芝刈りも不可欠です。
手入れを怠った芝生や雑草が生えた庭はだらしない印象を与えてしまうだけでなく、不在がちな家として泥棒のターゲットにもなってしまいます。庭を芝生にしたい場合は、具体的なメンテナンス方法を確認し、生活スタイル合った種類を選びましょう。
2. 家周りのコンクリート
家の周りをコンクリートで覆うと見た目がすっきりし、雑草の手入れも不要になるというメリットがあります。しかし、コンクリートは夏場に熱を蓄え、夜になっても放熱するという性質です。家の周りが蒸し暑くなり、冷房の効きが悪くなる問題にもつながります。断熱性能が低い家だと後悔の原因となるため、注意が必要です。
また、コンクリートは足音がしにくいため、不審者が侵入しやすいというデメリットもあります。コンクリートは砂利よりもコストがかかり、一度設置すると後からの変更が簡単ではありません。家の安全性を高めたい場合は、防犯砂利を敷くのもおすすめです。
3. 一部だけコンクリートの駐車場
車のタイヤが乗る部分だけをコンクリートにする駐車場はコストを抑えられるメリットもあり、注文住宅でも人気があります。しかし、実際に駐車してみると難易度が高く、タイヤがコンクリートからはみ出てしまうケースも少なくありません。
また、芝生や砂利の部分は雑草の手入れが必要となり、雨の日は水浸しになる可能性もあります。外構工事の費用が安く済んでも、必ずしも使い勝手が良くなるわけではないのが課題です。入居後に後悔して全体をコンクリートにする場合、古い部分との色が違ってしまいます。最初から全体をコンクリートにするほうが、結果的に満足度が高くなるでしょう。
4. 滑りやすいアプローチ
アプローチとは門から玄関までの道のりのことを指します。タイルや石を選んで施工するのが一般的なものの、見た目だけで選ぶのは危険です。滑りやすい素材のアプローチでは、小さなお子さんや高齢者が転んで怪我をする恐れがあります。
たとえば、表面が磨かれた石材や滑らかなタイルは、雨で濡れると滑りやすくなるため注意が必要です。表面にザラつきのある素材や細かい石を使って仕上げると、滑りにくくなり、安全性が向上します。また、日陰になるアプローチはコケが生えやすいので、定期的なメンテナンスも重要です。
5. 目的のないウッドデッキ
ウッドデッキをリビングにつなげてつくると室内の空間が広がると、注文住宅でも人気の外構です。多目的スペースとして活用できる反面、目的をはっきりさせずに設置してしまうと後悔してしまいます。
ウッドデッキで快適に過ごせるのは気候の安定した春や秋が中心となり、年間の限られた時期しか使わないというご家庭も少なくありません。しかし、使用頻度に関わらずメンテナンスが必要なため、手間だけがかかってしまう可能性もあります。明確な目的がない場合は、慎重に検討するのがおすすめです。
6. 多すぎる植木
庭の植木は心を和ませてくれるだけでなく、日陰をつくる作用もあります。自然な目隠しとしても活用でき、注文住宅でも人気の外構工事です。しかし、植木には手入れが欠かせないため、入居後に後悔したと感じる人も多くいます。
定期的なメンテナンスの中でも、春から夏にかけての剪定作業が大変です。枝葉は伸び放題の状態だと見た目が悪くなり、虫や鳥の巣ができる場合もあります。また、高く成長した木の剪定には危険が伴うため、数年後のイメージも見据えた計画が必要です。メンテナンスは職人に依頼することも踏まえ、予算や頻度の調整をしてみましょう。
7. 枕木の階段やアプローチ
枕木は「電車のレールの下に敷く角材」を指しますが、外構工事では玄関えのアプローチや階段に使用します。マイホームの外観をナチュラルな雰囲気に仕上げるのに効果的で、芝生やハーブのような緑とも相性抜群です。
ただし、年数が経つと劣化し、見た目や安全性に問題が生じます。天然素材が多く、腐ったり、割れたりしてしまうためです。最近では、FRP(繊維強化プラスチック)の枕木も登場し、メンテナンスはほとんど必要ありません。他にも、コンクリートやアルミ角柱枕木もあるので、ハウスメーカーや工務店担当者に相談してみましょう。
外構工事で後悔しないための5つのポイント
注文住宅で外構工事を検討する際は、後悔しないために押さえておきたいポイントがいくつかあります。とくに大切な5つを紹介しますので、ポイントを抑えて理想の住まいを実現しましょう。
建物や周辺の環境を意識して計画する
注文住宅の外構工事は、「建物の雰囲気とのバランス」や「周りの景観に馴染むデザイン」が重要なポイントです。たとえば、建物が和風のつくりなのに対し、塀がレンガの住宅は不揃いな印象になってしまいます。シンプルな建売住宅が並ぶ中、個性的な外観を選ぶと地域で目立つ家となるでしょう。家づくりは個人の自由ではあるものの、周囲とのバランスも重要です。
また、自宅前の交通量が多ければ、フェンスや門扉で自宅の周りを囲むと安全性が確保できます。外構工事はデザインの好みだけでなく、周囲の条件を考慮して計画するのが重要です。
室内からの眺めにも配慮する
外構工事を考える際、つい屋外からの見え方に意識をとられてしまいます。しかし、入居後の後悔を減らすためには、室内側からの眺めも考慮したいポイントです。よくある失敗として、外からの視線を遮るためにフェンスを設けたものの、部屋から見たら圧迫感が出てしまったというケースがあります。フェンスや門扉を選ぶ際は、室内からの距離や見え方も忘れてはならないポイントです。同時に、採光や通風性は室内の快適さを決める要素となるので、性能面の確認もしましょう。
室内からの眺めを考えた外構としておすすめなのは、庭のエクステリアライトです。美しく照らされた景色を楽しめ、自宅にいながら非日常を味わえます。
生活動線を考慮する
外構はデザインだけでなく、生活しやすい動線を考えないと不便になってしまうというのが注意すべき点です。家の間取りや家族構成に合わせて配置や設備を選ぶと、日常生活での後悔が減らせます。たとえば、ベビーカーや車いすを使うご家庭では、外構工事で玄関にアプローチを設置すると移動がスムーズです。敷地に余裕がない場合は、デッキにスロープをつける方法もあります。
それぞれの状況に合った外構工事をできるのは、注文住宅ならではの魅力です。ハウスメーカーや工務店担当者とも相談を重ね、暮らしやすさに配慮した動線を計画しましょう。
早めに検討する
外構工事は、家づくりにおいて後回しになりがちな部分です。室内の間取りやインテリアを優先した結果、外構にかける予算が足りなくなってしまったという後悔の声もあります。費用が限られてしまうと最低限の工事しかできず、注文住宅の魅力でもある自由度が活かせません。設計の段階から外構工事を計画し、予算も確保しておきましょう。
早めに検討を開始することで、室内の間取りや設備とのバランスもとりやすくなります。外構はマイホームの一部という意識を持って、全体の住み心地を見据えて検討するのが重要です。
長期的な視野で計画する
マイホームは長年住むのが前提となるため、ライフスタイルの変化に対応できる外構を選びます。10年後、20年後の暮らしを想像しながら計画しておくと、将来的に失敗したと後悔しません。小さなお子さんのいるご家庭では、成長に伴い車を買い替えたり、台数が増えたりする可能性があるでしょう。そのため、最初から駐車スペースを広めに確保しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
現時点では見通しがつかない問題に関しては、リフォームでの対応が可能かどうかを調べておくのがおすすめです。先々のことを考えて、アフターサービスの充実した住宅販売会社を選ぶ方法もあります。
まとめ
注文住宅の外構工事は、後悔しやすいポイントを避けるために慎重な計画が必要です。記事で挙げた例を参考にすれば、ライフスタイルや家族構成に合わせた外構選びができます。実績のあるハウスメーカーや工務店に依頼し、家の間取りや室内からの眺めも考慮した理想の家を実現しましょう。