注文住宅のお風呂選びで後悔したくない!設備の種類やデザインの選び方を解説
バスタブでくつろぐ親子

家づくりコラム

注文住宅のお風呂選びで後悔したくない!設備の種類やデザインの選び方を解説

バスタブでくつろぐ親子

注文住宅では間取りを自由に決められるため、お風呂も自分の好みに合わせてデザインを選べます。しかし、モデルハウスやショールームで惹かれたものの、実際に生活してみたらイメージと違ったという後悔も少なくありません。この記事では、注文住宅のお風呂の種類やサイズ、オプションの設備についてくわしく解説します。掃除の手間を減らして快適なお風呂を手に入れたい方は、ぜひ最後までお読みください。

注文住宅のお風呂は3種類

おしゃれな在来浴室のイメージ

建売住宅のお風呂は標準的な設計や設備が使われ、カスタマイズできる範囲は限られています。一方で、注文住宅ではオーナーの要望に合わせて高性能な設備やおしゃれなデザインのバスタブも選択可能です。

注文住宅で採用できるお風呂は、主に以下の3種類となります。

・ユニットバス
床・壁・天井・浴槽が一体となった浴室で、すべてのパーツが規格品です。優れた断熱性とコストパフォーマンスが特徴で、幅広い住宅で人気があります。

・ハーフユニットバス
浴槽・床・腰の高さまでの壁が一体化され、浴槽上部の壁や天井は自由にカスタマイズできます。床の防水性を維持しつつ、浴室上部は造作できるメリットがあります。

・在来浴室
お風呂のサイズや建材を自由に選び、希望に合わせたデザインをオーダーメイド可能です。こだわりを実現できるものの、ユニットバスと比べて価格は高めになります。

ユニットバスは、工場で生産される規格品という面で比較的安く、最近ではデザインや素材のバリエーションも増加傾向です。注文住宅では、機能性と価格のバランスからユニットバスの採用が主流となっています。

ハーフユニットバスや在来浴室は、家族のニーズに合わせた使い勝手を実現できるのも利点です。しかし、お手入れやコスト面での課題も多く、浴室に強いこだわりがない場合はユニットバスをおすすめします。

注文住宅のお風呂サイズと選び方のポイント

お風呂で父親の背中を洗う子ども

ユニットバスは規格が決まっており、広さは坪数と数字で表記されているのが一般的です。坪数はお風呂の広さを、数字表記はユニットバスのサイズを示していると理解しましょう。注文住宅で多く採用されているサイズは、主に以下の3種類です。

0.75坪(1216)

浴室サイズは1200mm×1600mmで、洗い場と浴槽がコンパクトに配置されています。狭小地での家づくりでは、他の間取りとのバランスを取りやすいというのが特徴です。限られたスペースを効率的に使う工夫が求められるため、細部まで細かく設計しましょう。

1坪(1616)

浴室サイズは1600mm×1600mmで、注文住宅では一般的なサイズです。0.75坪よりも浴槽のサイズが大きく、一人ならゆったりと入浴できます。ただし、洗い場の広さがやや狭いため、お子さんと一緒にお風呂に入るご家庭では窮屈に感じるかもしれません。

1.25坪(1620)

浴室サイズは1600mm×2000mmで、洗い場の広さがさらに広がります。浴槽のサイズ自体は1616タイプと同じなので、お子さんのいるご家庭では1620タイプのほうが快適なバスタイムを過ごせるでしょう。大きなカウンターを設置できる広さもあるので、家族の人数が多いご家庭にもおすすめです。

お風呂サイズの適切な選び方

広いお風呂は魅力的な一方で、大量のお湯を必要とし、掃除の手間もかかります。浴槽の形や素材も重要で、ベンチ付きのタイプなら半身浴やお子さんとの入浴にも便利です。ユニットバスのサイズは、実物を目にしてみないと実感しにくい部分もあります。モデルハウスやショールームに足を運んで、入居後の生活を具体的にイメージしながらサイズを検討しましょう。

注文住宅のお風呂には多様なオプションがある

モデルハウスの浴室

自由に設計できる注文住宅では、浴室にもさまざまな選択肢があります。お風呂に設置できるオプションや選び方のポイントを知って、ご自身の生活に合った浴室を完成させましょう。

扉の種類

浴室と脱衣室をつなぐ扉は、家族全員が使う建具でもあります。主な種類は開き戸・折れ戸・引き戸の3つで、それぞれの特徴は以下の通りです。

・折れ戸
扉の中心が縦に半分に折れて開閉する仕様で、注文住宅でも標準仕様として定番のタイプです。奥行きがなくても設置できる一方で、汚れやホコリが溜まりやすいというのがデメリットです。

・開き戸
ドアノブを掴んで開閉する一般的なドアで、開閉方向には手前と奥側の2種類あります。床に凸凹がなくて掃除が簡単な反面、ドアの設置にはスペースが必要です。

・引き戸
横にスライドさせるタイプの扉で、横にスライドさせるだけでスムーズに開閉できます。間口を広く確保できて安全性が高いというメリットがあるものの、溝に汚れが溜まりやすく価格が高めというのが課題です。

最近では、浴室の扉を透明なガラスにして開放感を演出するデザインも増えています。家族構成によってはプライバシーが気になる場合もあるので、スモークガラスやブラインドなどで目隠しできると安心です。また、小さなお子さんや高齢者のいるご家庭では、安全性を考慮して引き戸を選ぶケースも多く見受けられます。

浴槽の形状や機能性

ユニットバスの浴槽には、さまざまな形状や材質、保温性に関するオプションまで用意されています。「家族全員が使いやすいかどうか」という基準で選ぶと、入居後の生活が快適です。

形状

底面がフラットなタイプが一般的なものの、底面が一段上がったステップ浴槽もあります。フラットなタイプは足を伸ばしてくつろぎやすく、ステップ浴槽は半身浴に最適です。お風呂での過ごし方に合わせて選びましょう。

素材

多くのメーカーがFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を標準仕様としているものの、人造大理石やホーローなどの種類もオプションとして用意されています。肌触りや質感、お手入れのしやすさを比較しながら選ぶのがおすすめです。

保温性

浴槽の保温性が高まると、お湯が冷めにくくなります。追い炊きの回数を減らせるので、ガス代を削減可能です。家族の生活時間が異なるご家庭の場合では光熱費の節約にも役立ち、それぞれが快適に入浴できるというメリットがあります。

浴室乾燥機

浴室内の換気扇部分に設置され、洗濯物の乾燥や換気、温度調整ができる設備です。冬は浴室内を暖め、夏は涼しく保てるので、体への負担も減らせます。洗濯物を乾かす際は、しわや縮みを防ぎ、洗濯乾燥機では難しい衣類も乾かせるのがメリットです。雨の日や花粉の時期でも洗濯物を干せ、部屋干しの臭いや生乾きの臭いも抑えられます。

一方で、フィルターにホコリが溜まりやすく、定期的な掃除が必要です。また、浴室乾燥中はお風呂に入れないため、家族の予定に合わせて使用しなければなりません。ドラム式洗濯乾燥機と比べて電気代がかかるとされているので、光熱費の面でも慎重に検討しましょう。

浴室乾燥機はリフォームでも設置できるので、入居後に考えるのも1つの方法です。

ジェットバス

浴槽の側面や底面の穴から、気泡の含まれた水を勢いよく連続的に噴出してくれるジェットバスは注文住宅でも人気があります。泡の刺激を体に与えることで、洗浄効果がアップし、血行促進やマッサージ効果が期待できるというのがメリットです。

使用時に音や振動が発生するため、浴室の位置や構造によっては家族に迷惑がかかる可能性もあります。また、ジェットバスによっては、特定の入浴剤が使用できません。とくに硫黄系や炭酸ガス系の入浴剤は、ポンプ内部を傷める恐れがあるので注意が必要です。

住宅用のジェットバスは、ホテルや温泉の大浴場のものと比べて泡の量が少なくなります。ショールームやメーカーホームページ内の動画で、実際の勢いを確認しておきましょう。

浴室テレビ

お風呂でテレビが見られると、長時間の入浴も退屈ではありません。湯船に浸かると、疲労回復やリラックスに役立ち健康的な生活にもつながります。テレビを見ている途中でもお風呂で続きを見られるため、お子さんを浴室に誘導しやすいというのもメリットです。

一方で、浴室テレビは12万〜13万円程度のものが主流で、故障時の修理費用もかかります。電化製品のため、約10年ごとに交換が必要です。通常のテレビよりも費用がかかるケースも多く、防水で持ち運びができるポータブルテレビでの代用も可能となります。

見た目や利便性だけでなく、買い替えや修理の必要性を含めて検討しましょう。

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注文住宅のお風呂はメンテナンスのしやすさも重要

お風呂の浴槽をスポンジで掃除する女性

注文住宅の自由度の高さに惹かれて、おしゃれなデザインや素材を選んだものの、掃除や手入れに手間がかかって後悔するケースは珍しくありません。お風呂は毎日使う場所のため、使いやすさは非常に重要です。素材によっては汚れやカビが付きやすく、メンテナンスを怠ると劣化が進む場合もあります。ここでは、注意すべきポイントを3つ解説しましょう。

凸凹したデザインは掃除が大変

お風呂のデザインは、蛇口やシャワーヘッド、備え付けの収納棚によって凸凹しがちです。使い勝手を考えると仕方がなく、インテリアのアクセントとして魅力的な側面もあります。しかし、メンテナンスのしやすさで考えると、掃除が煩わしくなるというのが課題です。

たとえば壁や棚の継ぎ目はカビやヌメリの温床となりやすいので、頻繁な掃除を必要とします。解消法としては、取り外し可能なタイプのものを選んで、お手入れの手間を減らすことです。浴室は、できるだけフラットにするか、簡単に掃除できるデザインをおすすめします。

目地が多いとメンテナンス費用がかさむ

お風呂では壁のパネル同士や浴槽とカウンターの隣接部分など、さまざまな場所に目地が存在します。目地とは部材の継ぎ目のことで、浴室では水が入らないようにコーキング材で防水加工されているのが一般的な仕様です。

目地の部分はくぼみがあり、水が溜まりやすくいという課題があります。濡れたままにしておくとカビが生えやすく、定期的な掃除が不可欠です。ただし、細長い溝状のため、掃除にはかなりの手間がかかります。壁が小さなパネルやタイルで装飾されている場合、見た目は良い反面、目地が多くなる点に注意が必要です。

注文住宅のお風呂は好きなデザインを選べるとはいえ、あまりにも目地が多いとデメリットもあることを理解しておきましょう。

濃い色は汚れが目立つ

注文住宅のお風呂の浴槽や壁を、黒のような濃い色にしてシックでモダンな雰囲気に仕上げたいと考える人もいます。しかし、濃い色は汚れが目立ちやすいので、慎重に選びましょう。車を例にすると、黒と白の車の場合、雨上がりに汚れが目立つのは黒い車体です。

お風呂も同様の理由で、濃い色のほうが汚れは目立ちやすいという傾向があります。水に濡れて乾くと、水道水に含まれるミネラルや飛び散った石鹸カスが白い跡となって残るためです。明るい色のお風呂であれば目に見えない汚れも、濃い色だと目に付いてしまい、急に清潔感のないお風呂になってしまいます。

落ち着いた雰囲気の浴室に仕上げたい場合は、大理石調のような石目の柄が入ったデザインの浴槽や壁を選ぶのがおすすめです。どうしても濃い色を選びたい場合は、毎日の入浴後に浴室内の水分を拭き取るようにしましょう。

高気密・高断熱の注文住宅なら冬のお風呂も快適

お風呂上りの男の子

一戸建て住宅の脱衣所は、冬場は寒くヒートショックのような健康被害の原因にもなります。冬場の寒さを緩和するためには、家全体の気密性と断熱性を高めることが重要です。断熱性の高い家を新築すると、窓や壁から外気が伝わりにくくなります。室温に影響を与えず、冬は暖かく、夏は涼しい状態を保ちやすくなるというのがメリットです。

断熱性と一緒に気密性も高めると、室内の空気を外に逃がさずに快適な温度を維持できます。家全体に温度差が生じにくく、冬のお風呂も安心です。家の気密性や断熱性をリフォームで強化するよりも、新築時に施工したほうが経済的な負担は少なく済みます。

また、2025年以降に建てる住宅は、省エネ基準に適合していなければなりません。断熱性も重要な要素となるため、今後マイホームを建てる方は高気密・高断熱住宅を視野に入れておきましょう。

(参考:国土交通省「省エネ基準適合義務化」)

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まとめ

注文住宅のお風呂はさまざまな選択肢から選べる自由度の高さが魅力的な一方で、賢く選ばないと入居後に後悔してしまいます。理想のデザインと使い勝手の良さを実現するためには、モデルハウスやショールームで実物を見学しておくことが重要です。快適な浴室を実現するためには、家全体の間取りとのバランスも考える必要があるので、実績豊富な工務店を選びましょう。

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