注文住宅にウッドデッキを設置したい!後悔しないコツと費用相場を解説
ウッドデッキにはリビングを広く見せる効果もあり、開放感のある注文住宅を望む人に人気があります。この記事では、ウッドデッキを設置することで得られるメリットや失敗例、費用の相場について解説します。また、テラスやサンルームとの違い、設置の際のコツについてもお伝えしますので、理想の住まいを実現するための参考にお読みください。
ウッドデッキのある注文住宅のメリット
ウッドデッキのある注文住宅に住むと、さまざまなメリットが感じられます。家族でくつろいだり、友人を招いてリビングの代わりに使ったり、ライフスタイルに合わせて多目的に活用できるためです。具体的なメリットを5つ紹介しましょう。
洗濯物を手軽に干せる
ウッドデッキはリビングと同じ高さに設計されるのが一般的です。段差がないので、リビングからスムーズに外に出られます。洗濯物を干す際も、庭やベランダよりも移動の手間が省けて便利です。また、ウッドデッキに庇(ひさし)を設置すれば、雨の日でも洗濯物を外で干せます。
セカンドリビングとしての利用
ウッドデッキは、テーブルや椅子を置くことでセカンドリビングとしても利用できる仕様です。食事やバーベキューを楽しむスペースとしても活用でき、家にいながらレジャー気分を味わえます。家事や仕事の合間に外の空気を吸えるので、日常生活の中で手軽にリフレッシュできるのも魅力的です。
リビングを広々と活用
ウッドデッキに続くリビングは、空間に奥行きが生まれます。カーテンや窓を開けると、リビングが屋外まで広がっているかのような開放感を演出できるためです。視覚的な効果だけでなく、実際に屋外まで空間が続くのでスペースも広々と使えます。来客の多いご家庭では、ゲストにゆったりと過ごしてもらいやすい環境です。
こだわりのエクステリアを実現
ウッドデッキは、外構の一部としてこだわりのエクステリアを実現できる要素です。外構とは家の外側に位置する構造物全般を指す言葉であり、ウッドデッキも含まれます。エクステリアは複数の外構が集まって形成される空間であるため、外壁や庭、フェンスなどとのバランスを考えた素材や色を選ぶのがおすすめです。
子どもやペットを安全に遊ばせられる
ウッドデッキは、子どもやペットを見守るのに最適なスペースです。裸足で遊んでも足裏が汚れにくく、夏にはビニールプールを出して遊べます。フェンスを設置すれば、子どもやペットが外に出てしまう心配もありません。十分な安全対策を講じれば、リビングから屋外の様子を伺えて安心です。
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注文住宅に適したウッドデッキの設計ポイント
注文住宅にウッドデッキを設けると、家の外でリラックスしたり、家族や友人との時間を楽しんだり有意義な時間を過ごせるでしょう。ただし、設置する際は、家族構成や生活スタイルに合わせて慎重に計画する必要があります。注文住宅にふさわしいウッドデッキをつくるためには、以下のポイントを考慮するのがおすすめです。
費用
ウッドデッキの床は素材によって価格が異なり、ハードウッドや樹脂木はソフトウッドよりも高価です。広ければ広いほど価格も高くなり、目隠しフェンスや階段、手すりなどのオプションを加えると費用はさらに上昇します。複数の業者から見積もりをもらい、ご自身の予算と照らし合わせながら検討しましょう。
素材
ウッドデッキに使用される素材は主に3種類あり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
1.天然木
天然の木を使用しているため、変色や腐食に注意が必要です。天然木のウッドデッキには、主に3つのタイプがあります。
ハードウッド | ・腐りにくい ・加工が難しい ・比較的高価 |
ソフトウッド | ・柔らかい ・加工が簡単 ・価格は安い |
防腐注入木材 | ・腐りにくい ・耐久性がある ・やや高価 |
2.人工木(樹脂木)
木粉とプラスチックを混ぜてつくられた素材で、天然木と比較して変色や腐る心配が少ないというのが特徴です。木の温もりを感じられる上に、手入れも簡単にできます。ただし、温度の影響を受けやすく、夏に素足で歩くと火傷の危険性もあるため注意が必要です。
3.アルミ
アルミの表面に木目の模様をつけたもので、雨風の影響を受けにくく非常に丈夫です。一方で、加工が難しく、木目模様が剥がれてしまったら下のアルミが見えてしまいます。修理も簡単にはできないため、性質を理解した上での設置がおすすめです。
広さ
ウッドデッキのサイズは慎重に考えておかないと、日常生活に支障をきたす可能性があります。具体的な使用方法と最大人数を想定し、必要なスペースを明確にしましょう。目的に合ったウッドデッキをつくるためには、工務店の担当者に詳細を伝え、的確なアドバイスを受けることが重要です。
手入れ
ウッドデッキは、どのような素材でも定期的な手入れが欠かせません。素材によって頻度は異なり、天然木の場合は最短で1年に1度のペースで防腐剤の塗布が必要です。人工木のウッドデッキは耐久性が高いものの、汚れが付着します。汚れを取り除く際には、水洗いだけでなく、中性洗剤や高圧洗浄機を必要とするケースもあるので準備が必要です。
デザイン
ウッドデッキは、庭の形や家の雰囲気に合わせたデザインを考えると家全体の雰囲気がまとまります。注文住宅では、L字型やコ字型や、ガーデニングが映えるデザインも人気です。階段や手すり、スロープを取りつけて使い勝手を向上させ、目隠しフェンスでプライバシーを守る方法もあります。
ウッドデッキの失敗例と注意点
注文住宅のウッドデッキは、施工業者に依頼するのが一般的です。しかし、プロにすべてを任せてしまうと、入居後に後悔するケースも少なくありません。よくある失敗と注意点について理解し、要望をしっかりと伝えましょう。
庭が狭くなり導線が悪化してしまった
ウッドデッキを設置すると、敷地面積によっては庭が大幅に狭くなってしまいます。家庭菜園や花を植えるスペースが制限されてしまったり、通路が狭くなってしまったりと導線が悪化してしまうというのが問題です。使用頻度や庭の使い方を考慮し、ウッドデッキと庭や通り道のどちらに重点を置くかを検討しましょう。
サイズ選びに失敗して後悔
入居後に、「ウッドデッキのサイズが予想よりも使いにくかった」という声も多くあります。洗濯物を干したり、バーベキューを楽しんだりする際に、スペースが不都合だと感じるようです。ウッドデッキは大きすぎても小さすぎても使い勝手が悪くなるので、サイズ選びは慎重に行いましょう。間取り図に線を引いて、物干しスペースや家具の配置を具体的に書き出すと誤差が減るのでおすすめです。
夏場の虫対策が必要だった
ウッドデッキの下は日当たりが悪く、湿気がこもりやすいという特徴があります。夏は虫が発生しやすく、とくに蚊の大量発生に注意が必要です。快適に過ごすためには、ウッドデッキの下に防虫剤をまく方法があります。猫や小動物の侵入防止も兼ねて、囲いの設置や地面をコンクリートで覆うなどの対策も人気です。
通行人の目が気になる
ウッドデッキでリラックスしたいのに、通行人の目が気になるというケースも多くあります。とくに通り道に面している住宅の場合、人が通るたびに気を遣ってしまうようです。目隠しとなるフェンスを設けると、プライバシーを保護しやすくなります。フェンスは後付けできるものの、新築時に取りつけたほうが作業はスムーズです。
使用頻度が低くなってしまった
ウッドデッキは屋外スペースのため、夏は暑く、冬は寒い傾向があります。ウッドデッキで快適に過ごせるのは、年の半分程度と考えましょう。見た目が良くても、あまり使わない場合は設置しても意味がありません。「おしゃれだから」や「他の家も設置しているから」という理由ではなく、具体的な活用イメージがあるかどうかが重要です。
注文住宅にウッドデッキを設置する費用相場
ウッドデッキの費用相場は、10平方メートル(約3坪)あたり25万〜40万円程度とされています。面積の大小やオプションの有無だけでなく、使用する木材の種類によっても金額が変わってくるので注意しましょう。
木材の種類と相場
ウッドデッキの木材は、主に以下の3種類です。
ソフトウッド
代表的なものにはレッドシダーやベルダウッドがあり、費用相場(1平方メートルあたり)は次のようになります。
材料費 | 約15,000〜30,000円 |
設置工事費 | 約25,000〜30,000円 |
合計 | 約40,000〜60,000円 |
ハードウッド
代表的なものにはイタウバやイペがあり、費用相場(1平方メートルあたり)は以下の通りです。
材料費 | 約15,000〜30,000円 |
設置工事費 | 約35,000円 |
合計 | 約50,000〜65,000円 |
人工木
見た目が天然木に似ているものの、樹脂と木粉からできています。費用相場(1平方メートルあたり)は以下の通りです。
材料費 | 約10,000〜40,000円 |
設置工事費 | 約20,000〜35,000円 |
合計 | 約30,000〜75,000円 |
オプション費用
ウッドデッキに階段やフェンスのようなオプションを追加した場合は、それぞれに費用が発生します。代表的なオプションと価格は以下の通りです。
階段
ウッドデッキに上がるためのステップは、大きさや段数によって価格が変わります。一段あたりの相場は約40,000〜50,000円です。
床下囲い
床下囲いとは、ウッドデッキの床下を囲う幕板を指します。見た目がおしゃれな床下囲いだと、1間(約1.8m)あたり約10,000円が相場です。
フェンス
風を遮ったり、プライバシーを守るためにフェンスは人気があります。種類によって価格が異なるものの、1mあたりの価格は15,000〜20,000円です。
メンテナンス費用
ウッドデッキを設置した後は、定期的なメンテナンスが必要となります。DIYでメンテナンスする場合、1平方メートルあたりの塗料代は約1,800円、道具代が約10,000円です。専門業者に依頼する場合は、1平方メートルあたり5,000円が相場となります。
ウッドデッキと似ているテラスやサンルーム
注文住宅の計画段階では、ウッドデッキと一緒に「テラス」や「サンルーム」も候補に挙がる機会があります。どちらも家の外に突き出し、屋外とのつながりを持つ空間として共通点が多いためです。それぞれの特徴やウッドデッキとの違いについて解説します。
テラス
テラスは地面から1段高くなった、1階の部屋から出られるスペースです。リビングルームを外に広げたような感覚で、屋外でリラックスしたり食事を楽しんだりする場所として使われます。リビングの前にテラスをつくると、セカンドリビングとしても活用可能です。
ウッドデッキとの違いは、床の高さにあります。ウッドデッキは室内の床と高さが同じなのに対し、テラスは地面とほぼ同じ高さです。ウッドデッキは室内の延長というイメージが強く、リビングの一環として取り入れられます。一方、テラスはフランス語で「盛り土」を意味する通り、庭の一部という印象です。また、ウッドデッキは名前の通り天然木や樹脂木を使用しているものの、テラスはタイルやコンクリート、石材などで仕上げられています。
サンルーム
サンルームは天井や壁をガラス張りにし、外から遮断された空間です。太陽光を十分に取り入れられ、家の外に広がる庭や景色を楽しめます。フランス語の「Conserve(保存)」から派生した言葉で、元々は植物を育てる温室として使われていました。晴れた日には自然の風を感じ、冬でも日差しを楽しめると、日本の注文住宅でも人気があります。入居後にサンルームを増築するには費用や時間がかかるため、新築時の取り付けがおすすめです。
ウッドデッキとの違いとして、建蔽率や断熱性の問題があります。サンルームは温室から始まり、自由な使い方ができる部屋へと変化しました。居室の一部として考えられるため、建蔽率に含まれ、断熱性も求められます。一方、ウッドデッキは庭に設置されるエクステリアの一種として考えられるため、設計の自由度が高いというのが特徴です。
まとめ
ウッドデッキのある注文住宅を建てる際は、活用方法を具体的にイメージしながら間取りを計画していくと失敗しません。記事で紹介したメリットや費用相場、テラスやサンルームとの違いを参考にして、理想の家づくりを実現しましょう。
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