注文住宅のオプション選びで後悔しないために!7つの失敗例と成功のコツを紹介
モデルハウスを見学する若い夫婦

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注文住宅のオプション選びで後悔しないために!7つの失敗例と成功のコツを紹介

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注文住宅の設備は自由にオプションを選べる一方で、選び方に失敗すると後悔の原因となってしまいます。打ち合わせの際は、魅力的なオプションに迷ってしまうことがあるかもしれませんが、本当に必要なものを選ぶようにしましょう。今回は、「後悔した」という声の多いオプションを7つ例に挙げながら、失敗を避けるコツについても解説します。注文住宅のオプション選びで迷っている方は、ぜひ最後までお読みください。

注文住宅のオプションとは?

注文住宅のオプションを検討する2人

注文住宅のオプションとは、設備をグレードアップするための選択肢です。建売住宅ではハウスメーカーの標準設備が採用されているケースを多く見かけます。しかし、注文住宅では自分のニーズに合わせて設備やグレードを選択可能です。キッチンや浴室の性能を向上させたい場合は、追加料金を支払えばオプション設備の導入が可能です。理想のマイホームを建てられる一方で、慎重に選ばないと予算オーバーや入居後に使わず後悔の原因ともなってしまいます。住宅設備は一度導入すると返品できないため、メーカーごとの設備を調べ、価格や性能に納得した上で導入しましょう。

注文住宅で後悔しやすいオプションの特徴

注文住宅の図面と模型

注文住宅のオプション選びで失敗しないためには、後悔しやすいポイントを押さえておくのがおすすめです。家づくりにはさまざまな選択がつきものなので、事前に選択の基準を設けておくと迷わずに決められます。

必要以上に高価

オプションの内容が魅力的でも、すべてを選ぶと予算を大幅に超えてしまう恐れがあります。豪華なキッチンや最新のホームシアターシステムなど、高額な設備の導入は家計に負担をかける原因です。家族構成や将来の出費を考え、使用頻度や必要性にあったオプション選びをしましょう。

実際の生活であまり使わない

一時的な興味や流行に流されて選んだオプションが、新生活ではほとんど使われないケースもあります。たとえば、高機能なジェットバスや大型のワインセラーを設置しても、日常生活では頻繁に使わないでしょう。宝の持ち腐れとなってしまうオプションにお金をかけるのは無駄な出費となるため、慎重な検討が必要です。

維持費やメンテナンス費用が高い

オプションを導入する際には、初期費用だけでなく、維持費やメンテナンス費用も考慮します。設備によっては、導入後の光熱費や定期的なメンテナンス費用が高額となり、支払いが苦しくなるというのが難点です。設備の維持費が家計を圧迫してしまう恐れがあるため、トータルコストをしっかりと計算した上で検討しましょう。

注文住宅で後悔の多いオプション7選

無垢フローリングのLDK

注文住宅を建てた後に後悔しやすいオプションを具体的に知っておくと、冷静に判断できます。ここでは7つのオプション設備を紹介しますので、後悔しやすいポイントや対策方法を見てみましょう。

1. 無垢フローリング

本物の木の一枚板を使った無垢フローリングは、柔らかで温かみのある肌触りと味わい深い見た目で人気があります。しかし、種類によって肌触りや傷、シミの付きやすさが異なるため、違いを知らずに選ぶと後悔の原因です。

無垢フローリングには、表面に塗装がない無塗装のものと、傷やシミを防ぐために塗装されたものがあります。無塗装の無垢フローリングは、木の素材そのままの肌触りを楽しめるのがメリットです。一方で、傷が付きやすく、飲み物をこぼすとシミができやすいデメリットもあります。塗装されたものは傷やシミが付きにくい反面、木の質感を感じにくいのが特徴です。

木本来の風合いを好む場合、無垢フローリングの無塗装タイプが適しています。傷やシミを味わいとして受け入れられるようであれば、後悔なく設置可能です。なお、塗装されたものは定期的に塗り直しが必要となるため、塗装費用も考慮しなければなりません。

2. ロフト

ロフトは部屋と屋根の間の空間を利用してオープンスペースをつくれる間取りで、収納やお子さんの遊び場、ワークスペースとしても使用可能です。しかし、ロフトにはいくつかの注意点があり、導入前に把握しておく必要があります。

まず、夏は暑い空気が上がってくるため、熱がこもりやすいというのが難点です。収納スペースとして使う分には問題ないものの、ワークスペースのように長時間過ごす場所としては不向きです。エアコンを設置する方法もありますが、狭くて天井の低いロフトでは邪魔になってしまいます。

また、税金を抑えるために天井の高さを1.4m以下に設定すると、中腰でないと移動できません。自治体によってはロフトへの上り下りはハシゴを使うように義務付けられている場合もあり、年齢を重ねるとハシゴの利用が難しくなるのも課題です。

ロフトは使わなくなって後悔する可能性が高い設備なので、デメリットを十分に考慮した上で検討しましょう。

3. 床暖房

床暖房はフローリングの下に電熱線や温水が流れるパイプを設置し、床全体を温める暖房設備です。足元から暖まる暖房として人気がある一方で、いくつかの注意点を押さえないと後悔することがあります。

電熱線を使う電気式は電気代が高く、温水を循環させる温水式は設置費用が高額です。床暖房は毎年払う固定資産税の対象となるだけでなく、エアコンと違って暖房にしか使えない割高感もあります。

何より、ハイレベルの高気密・高断熱住宅では足元の冷えはほとんど感じられません。床下に高性能な断熱材が入っていれば、床の冷たさがフローリングに伝わることはないためです。気密性が高ければ隙間風も防げることを考えると、注文住宅の気密性や断熱性によっては、床暖房は不要の可能性もあります。

注文住宅を建てる際は高気密・高断熱の家にし、エアコンで室温を調整するのもおすすめです。

4. シャッター

窓にシャッターを設置すると、強風で飛んできたものが当たってもガラスが割れる心配はないというのがメリットです。しかし、シャッターの代わりに、2枚のガラスの間に特殊な樹脂フィルムを挟んだ「合わせガラス」でも同様の効果は期待できます。飛来物が当たっても、泥棒がハンマーで叩いても突き破られないほど丈夫な仕様です。

合わせガラスは比較的手頃な価格で、大きめの窓2〜3箇所にシャッターを付けるのとほぼ同じ金額で家全体の窓に設置できます。家の窓すべてをシャッターにするよりも少ない予算で暴風や防犯に備えられるのは魅力的です。

また、シャッターが閉まっていると留守なのがわかってしまい、空き巣のターゲットになる恐れもあります。合わせガラスなら外から留守かどうか判断できないので、防犯性の高さからも注文住宅におすすめです。

ただし、シャッターを閉めたほうが心理的に安心できるという方もいるため、後悔しやすいポイントを考慮した上で選択しましょう。

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5. 親子ドアの玄関

親子ドアとは、大小の扉が組み合わされた両開きのドアのことです。片開きドアに比べて、玄関の開口部が広くなるというメリットがあります。引っ越し時や大きな家具や家電の搬入がスムーズにできるだけでなく、ベビーカーでの出入りにも便利です。

ただし、日本製の家具や家電は片開きドアでも通れるように考えられており、親子ドアでないと困るというシーンは多くありません。注文住宅に親子ドアを設置したものの、「小さいほうの扉は開けたことがない」という後悔も多く見受けられます。

親子ドアを設置する利点としては、子扉がガラス状になっていると玄関内の採光に役立つ点です。ただし、ガラスを割って中の鍵を開けられる恐れがあるため、防犯性の高いガラスを採用する必要があります。

親子ドアは片開きドアよりも費用がかかるため、本当に必要かどうかを見極めて設置しましょう。

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6. ビルトインエアコン

ビルトインエアコンは本体を天井に埋め込んで設置するため、部屋がスッキリするというメリットがあります。ただし、ビルトインエアコンは一般的なエアコンと比べて価格が高く、同じ畳数でもプラス10万円かかることも珍しくありません。故障した時の修理費も高めで、寿命で買い替えになった際も費用がかかります。初期費用だけでなくランニングコストも含めて、壁掛けタイプのエアコンよりも高額というのが問題です。

製品の種類も非常に少なく、壁掛けエアコンのようにライフスタイルに合わせて自由に選べないケースもあります。そのため、注文住宅では後悔を避けるために、ビルトインエアコンを見送る人も増えてきました。

エアコンの見えないスタイリッシュな部屋をご希望の場合、全館空調をおすすめします。全館空調は、隠れたところに冷暖房設備を設置して建物全体を冷暖房する設備です。冷暖房の機械が見えないのでインテリアの邪魔にもならず、廊下や脱衣室も含めて家全体が快適な温度となります。

費用はかかるものの、ビルトインエアコンよりも多くのメリットが得られる設備です。注文住宅の冷暖房は、全館空調も検討してみましょう。

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7. バルコニー

バルコニーとは、2階以上にある屋根のない屋外スペースです。洗濯物を干す場所として人気があったものの、最近では注文住宅にバルコニーをつくらない人も増えています。バルコニーの設置を見送る理由は、主に以下の通りです。

バルコニーには落ち葉やゴミ、土埃などが溜まりやすく、雨水を流す排水口が詰まる恐れがあります。玄関と違ってゴミを外に掃き出せないため、定期的にホウキとチリトリを使って掃除しなければならない手間も敬遠される理由の1つです。

バルコニーをつくって後悔しないためには、ランドリールームを間取りに加える方法があります。雨や花粉を気にせず室内干しができ、洗濯機の近くであれば濡れて重い洗濯物を運ぶ手間も省けて便利です。

洗濯物が濡れないようにバルコニーに屋根を付けるというアイデアもありますが、屋根や周囲の壁の状態によっては固定資産税の対象となります。洗濯物を太陽の光に当てて干したいというこだわりがない場合、バルコニー設置のデメリットも考慮した上での検討がおすすめです。

注文住宅のオプションで後悔しないためのコツ

注文住宅のリビングで会話する母子

注文住宅のオプション選びで後悔しないためには、いくつかのコツがあります。ここでは、ハウスメーカーや工務店担当者との打ち合わせ段階で役立つポイントを3つ紹介しましょう。

デメリットを把握する

オプションを導入するか決める前に、必ずデメリットを確認します。メーカーの公式サイトではメリットを強調しているものの、どの製品にもデメリットは存在します。公平な目線でメリットとデメリットを伝えてくれる住宅販売会社は信頼できるので、試しに相談してみるのも良いでしょう。生活する上で考えられる課題や問題点を明らかにした上で、本当に必要だと思えば採用しても後悔しない可能性が高くなります。

導入している割合を確認する

注文住宅の打ち合わせで気になるオプションがあったら、実際にどのくらいの人が導入しているのかを質問しましょう。8割以上であれば、万人受けする内容だと判断できます。反対に、2割以下の場合、なんらかの理由があると推測可能です。割合が低いオプションに関しては、採用を見送った理由について尋ねることをおすすめします。価格や性能など、自分が採用する基準との照らし合わせができます。

新居での生活をシミュレーションする

注文住宅のオプションで後悔する最大の理由は、生活に必要なかったというものです。新居での暮らしを想像し、設備を使いこなせるかどうかのシミュレーションは欠かせないポイントとなります。たとえば、床下収納を考えている場合、実際に何を収納するのか、どのくらいの頻度で取りだすのかをイメージしてみます。具体的にアイデアが浮かべば、スムーズに活用できる確率は高いでしょう。オプションの魅力に惹かれても、自分の生活に本当に必要かどうかを見極めることが重要です。

まとめ

今回は、注文住宅で後悔したと感じやすいオプションについて紹介しました。住宅設備のオプションは魅力的なものが多いものの、実際の生活で使わなければ無駄になってしまいます。失敗を避けるためにも、この記事で紹介したコツを参考にハウスメーカーや工務店担当者と打ち合わせしましょう。

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