注文住宅の打ち合わせのコツとは?疲れないための回数、期間、流れを詳しく解説
注文住宅は自由設計によるオンリーワンの家であるため、施工業者と事前に取り決める内容が多く、必然的に打ち合わせ回数が多くなってしまいます。
ひとつひとつの打ち合わせは大切ですが、できれば効率よく自身の希望を伝えて短期間で終わらせることで、1日でも早く夢のマイホームを完成させたいものですよね。
そこでこの記事では、注文住宅で話し合われる内容や打ち合わせの回数、効率よく打ち合わせをするための7つのコツを解説していきます。
注文住宅の打ち合わせに備えて、万全の準備をしていきましょう。
注文住宅の打ち合わせで決めること
この章では注文住宅の打ち合わせで、話し合われる内容について解説します。
打ち合わせのゴールはどこにあるのかを意識しながら参加すれば、有意義に話し合いを進められます。
資金計画を決める
注文住宅の打ち合わせで最初に決めるのは、資金計画の内訳です。
頭金、毎月の支払額、ボーナス払いなどを算出し、いくらまで支払いが可能なのか、借入金をいくらに設定するのかを決定します。
支払い額が決定すれば借入金額の上限もわかるため、具体的な見積もりを施工業者に打診できるでしょう。
建築予算の金額が決まった段階で、金融機関に住宅ローンの事前審査に申し込みます。ただし審査に通らないこともあり、別の金融機関に再申請する可能性もあるため、余裕を持って申請しましょう。
建物の設計内容を決める
注文住宅の打ち合わせで予算について施工業者と合意ができたら、次に建物の設計内容について考えていきます。
打ち合わせする内容は5つあります。
- 構造(木造・鉄骨)
- 階数(平屋・2階・3階)
- 間取り
- 設備、内装
- 外構、エクステリア
設計を始める前に施工業者に対し、どんな家を建てたいかを5つの設計内容について丁寧に話すことで、イメージを共有してもらうことが大切です。共有できていないと、提案してもらう設計内容などに納得ができず、何度も提案し直してもらうことになってしまいます。
イメージを共有してもらいやすいよう、事前準備をしっかり行いましょう。
工程スケジュールを決める
注文住宅の打ち合わせで設計の大枠が決まったら、工程スケジュールを決めていきます。
注文住宅は入居日を自由に設定できるため、ずれ込むことがないよう、全体のスケジュールもしっかり決めておくことが重要です。
工程スケジュールとは、住宅工事の着工から完了までのスケジュールのことです。基礎工事、屋根、塗装、ガラス、電気設備、給排水工事など、多くの工程を住宅の設計内容に沿ってスケジュールを立てていきます。
工事期間は一般的に3〜4カ月です。
設計内容に関する打ち合わせが長引けば、工程スケジュールがずれ込んでしまいます。繁忙期に当たってしまうと、希望する入居日に引っ越しできない可能性もあるでしょう。
いつまでに設計内容を確定すべきか、計画をしっかり立てることをおすすめします。
ショールームに行く日を決める
注文住宅の打ち合わせの途中で、キッチンやバスルームの設備を決めるために、ショールームに行く必要が出てくるでしょう。
こうした設備を図面やカタログを見るだけで決めることは、あまりおすすめできません。実物を見て、触って、納得のいくものを選択すると後悔せずにすみます。
ショールームには検討したいメーカーの数だけショールームに行くことになる可能性もあるため、余裕を持って日程を決めましょう。
注文住宅の打ち合わせ7つのコツ
注文住宅の打ち合わせは1回の時間も長く、長期間にわたって行うため、「打ち合わせ疲れ」が生じてしまうこともあるでしょう。
打ち合わせに対して取り組む姿勢がゆるんでしまい、いい加減な決定をしてしまうと、後から後悔することになるかもしれません。
この章では、効率よく短期間で注文住宅の打ち合わせを終わらせるための、7つのコツを紹介します。
納得のいく理想の家づくりのために、コツを実践して打ち合わせにのぞみましょう。
コツ①予算をしっかり決める
注文住宅の打ち合わせが始まる前の段階で、設備や材料などの予算の上限を決めておくことをおすすめします。そのためには、打ち合わせする設備や材料などの、価格相場をあらかじめ調べておく必要があります。
設備についてはメーカーサイトやカタログを見て、情報を集めておきましょう。
事前に施工業者に予算を伝えておけば、予算にあった内容を提案してもらえます。相場とかけ離れた提案なのかもチェックできるようにすると、想定外の予算オーバーを防げるでしょう。
コツ②こだわりの優先順位を決める
注文住宅の打ち合わせ前に、こだわりについての優先順位を、家族で話し合っておきましょう。
注文住宅で建てる家は、こだわろうとすれば際限なくこだわれますが、こだわりの部分が多いと間違いなく予算オーバーしてしまいます。
多少予算がかかってもこだわりたい場所、その分予算を抑えてもいい場所などの優先順位をつけることで、資金計画の予算内で収められます。
優先順位のつけ方で気をつけたいのは、「今だけを見て判断しないこと」です。
ライフスタイルは年々変化していく可能性があり、予算をかけて導入しても、数年後にはほとんど使わないというようなことも起こり得るからです。
どうしても家族で意見がまとまらない場合は、施工業者に相談してプロの意見を仰ぐのもひとつの方法です。
コツ③打ち合わせ時のゴールを決める
注文住宅の打ち合わせは決める項目が多いため、1回の打ち合わせが3〜6時間ほどかかります。内容によっては、もっと時間がかかる場合もあるでしょう。
長時間かかって何も決まらないと、精神的な負担になってきます。それが何度も繰り返されると、自分も家族も施工業者もストレスを抱えることになり、トラブルの原因になりかねません。
打ち合わせに入るときには、今日決めたいこと、次回までに決めたいことなどのゴールを決めておきましょう。
こだわりが強い箇所のために、最初に決めたゴールに至らなかったとしても、いつまでに決めるかを施工業者と決定しておくことをおすすめします。
コツ④イメージを共有する
注文住宅の打ち合わせでは、施工業者からさまざまな提案をしてもらえます。全体の建物デザインから間取りや内装の細部、外観塗装やエクステリアまで、プレゼンしてくれるでしょう。
施工業者の設計担当者とイメージを共有できていれば、満足のいく提案が出てくるため、短時間で打ち合わせを終えられます。逆にイメージが共有できておらず、提案が自分の理想と違うものが出てきてしまうと、打ち合わせ時間が無駄になるでしょう。
設計担当者とイメージを共有するためには、最初の打ち合わせから、理想とする家の写真やイラストを集めて提示することをおすすめします。言葉では伝わらないことも、ビジュアルとして見せることで、イメージの共有がしやすくなります。
部屋の窓だけ、壁の色だけなど、写真の一部であってもいいので、早い段階で設計担当者に見せておけば、イメージをふくらまして次々と提案してくれるでしょう。
コツ⑤疑問や不安を共有する
注文住宅の打ち合わせで大切なことは、施工業者に自分の希望を正確に伝えることです。施工業者にとって一番困るのは、完成した家に満足してもらえないことだからです。
打ち合わせ段階でなら、以前に決めた事柄でも変更可能です。疑問や不安材料が出てきたら、遠慮せずに施工業者に伝えて、しっかり解決してもらいましょう。
例えば、塗装の色や床材の素材などは、カタログに載っている小さな画像だけでは実際のイメージがつきにくく、迷ってしまうことがあります。施工業者に対し、サンプルを何枚も用意してもらう、モデルハウスや展示場などで実物を見せてもらうなど、遠慮せずにお願いしましょう。
コツ⑥記録を取る
注文住宅の打ち合わせは、決定する内容が多岐にわたり、時間もかかります。そのため、記録を取っておきましょう。
記録を取っておけば、何を決定して何を決定していないのかなど、決定した内容の確認に使えるため、効率よく打ち合わせを進行できます。
後から発生する「言った」「言わない」のトラブルや、打ち合わせで決定したことと施工内容が違うなどの問題を、客観的に精査するにも役立つでしょう。
記録の取り方は施工業者から提案してくれる場合もありますが、自分でも取っておくと事前準備に使えるため重宝します。
コツ⑦打ち合わせの事前準備をする
注文住宅の打ち合わせでは、効率よく打ち合わせを進めるために、事前準備がかなり重要です。
- 前回の打ち合わせの疑問点をまとめておく
- 次の打ち合わせのテーマについて下調べしておき、具体的なイメージを持っておく
- イメージを伝えるための資料を準備する
- 聞いておきたいことなどをメモしておく
などの事前準備をしておけば、打ち合わせを短時間にできるでしょう。毎回手間がかかりますが、打ち合わせを意味のある内容にするために、しっかり準備していきましょう。
注文住宅の打ち合わせの回数と期間
注文住宅を建てるときの、一般的な打ち合わせの回数や期間はどのくらいでしょうか。
こだわりが多い、敷地面積が広く決めることが多いなどの条件によって、かなり幅がありますが、目安として知っておくとスケジュールしやすくなります。
引っ越ししたい時期を、子どもの学校開始時期に合わせたい、仕事や介護の日程に合わせたい場合もあるでしょう。逆算してスケジュールを決めていき、慌てて設計内容を決定するなどの失敗がないようにしたいものです。
一般的な打ち合わせ回数は?
注文住宅の打ち合わせの一般的な回数は15〜20回程度ですが、打ち合わせの進み具合によって、多くなったり少なくなったりします。
1回の打ち合わせは3〜6時間ほどかかることもあり、小さいお子さんのいらっしゃるご家庭の場合は、お子さんを預けるなどの準備が必要となるでしょう。
打ち合わせにかかる期間は、一般的に3カ月〜半年程度、長ければ1年を要します。
生活動線や間取りにこだわりがある、迷いが多くすんなりと決められない場合は、打ち合わせ期間が長くなる傾向があります。
反対に、住宅展示場で見た家と同じような設計や、施工業者が提案する規格タイプを採用すると、期間が短くなるでしょう。
打ち合わせ回数が変動するのはなぜ?
注文住宅の打ち合わせの回数が変動するのは、人によって家づくりでこだわりたいことや、家に対する理想像が異なるためです。
注文住宅を建てる施工業者との相性も関係します。施工業者が提案する設計が、自分の考えているものと一致する確率が高いほど、打ち合わせ回数が減ってくるでしょう。
ほかにも、細部までこだわりたい箇所が多い場合は、打ち合わせの回数が増える可能性があります。あれもいい、これもいいとなってしまい、なかなか決められない場合も時間がかかります。
せっかく注文住宅を建てるのですから、妥協点をできるだけ少なくこだわっていきたいものです。
注文住宅の打ち合わせの回数を減らしたいと考えるならば、優先順位を決めること、事前準備しておくことが重要なポイントとなるでしょう。
打ち合わせが多いと迷惑?
注文住宅の打ち合わせの回数が多いからといって、施工業者は迷惑とは受け取りません。それよりも、1回1回の打ち合わせが、充実したものになっているかが問題です。
打ち合わせで決定した内容で建てた家が、「イメージしているのと違った」という事態になることこそ、施工業者にとって最も避けたいところです。
そのためには、お互いの共有するイメージに沿って、打ち合わせが進められているかどうかを確認しましょう。
何も進展がないまま打ち合わせを続けるのは、双方にとってストレスです。打ち合わせのゴールを決めておくことで解決していきましょう。
注文住宅の打ち合わせの流れ
ここでは注文住宅の打ち合わせのタイミングと、内容について解説します。
全体のスケジュールや建築工事の工程スケジュールから大幅に外れず、順調に進めていけるようにしましょう。
着工前
注文住宅の着工前に行うことは、7項目あります。
- 資金計画、審査申請、住宅ローン借り入れ
- 土地視察、土地購入
- 施工業者との契約
- 建物の設計内容(構造・間取りなど)
- 外装・水回り設備(ショールーム見学)
- 工程スケジュール
- 地鎮祭、上棟
ここで一番時間がかかるのが、建物の設計内容の打ち合わせで、10回ほど行われます。
構造や間取りは着工してしまうと変更できません。生活動線・家事動線に配慮した間取りなど、施工業者の設計担当者に相談しながら、家族間でもしっかり話し合って決定しましょう。
着工後(建築中)
注文住宅の建築中は、3〜5回程度の打ち合わせになるでしょう。
着工前に決めたことを変更したい場合は、なるべく早めに施工業者に連絡してください。
着工前に決められなかった内装や設備については、工事に間に合うよう決定していきます。内装や設備の決定は予算とのバランスもあるため、施工業者に資金状況を開示して、提案してもらいましょう。
建築途中の現場を訪れて、打ち合わせ通りに建築が進んでいるか、チェックすることもできます。訪問する日程などは、施工業者に相談しましょう。
引き渡し前
注文住宅が完成したら、最終確認である完成審査を兼ねて、1〜2回ほど打ち合わせします。
特に問題がなければ引っ越し、引き渡し完了です。
打ち合わせや設計内容と違う仕上がりになってしまった場合や、建物に傷や汚れがあった場合は、施工業者に修正依頼をしましょう。
最終確認をした後に欠陥を見つけてしまっても、修正してもらえない可能性があります。施工業者との最終チェックは念入りに行いましょう。
まとめ
ここまで、注文住宅で話し合われる内容や打ち合わせの回数、さらに効率よく打ち合わせするための7つのコツを解説してきました。
注文住宅の打ち合わせは、かなりのボリュームがあります。それでも設計内容がどんどん決まってくると、建物の具体的なイメージが見えてきて、打ち合わせが楽しみになってくるでしょう。
満足のいく注文住宅を建てるためには、理想の家の具体的なイメージを正確に伝えること、疑問点や不安をそのままにしないことが大切です。
施工業者と足並みをそろえながら、トラブルが起きないように注意しつつ、納得のいく家づくりをしていきましょう。
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