注文住宅の照明で後悔したくない人必見!よくある失敗例と対策ポイント8選
注文住宅を建てるにあたって、照明の選び方に失敗すると毎日の暮らしが不便になってしまいます。注文住宅は設計の自由度が高い反面、住み心地の良い家をつくるためには基礎知識も必要です。今回は、照明の種類と特徴や選び方のポイントを解説します。よくある失敗例8つと対策方法についても紹介しますので、快適な家づくりの参考にお役立てください。
注文住宅で多く見かける照明の種類
照明器具にはさまざまな種類があり、デザインや明るさの特徴が異なります。注文住宅で選ばれる機会が多い照明はいくつかあり、中でも代表的なものを5つ紹介しましょう。
シーリングライト
注文住宅でも多く使われる照明で、部屋全体を均等に照らします。リビングや寝室、子ども部屋でメインの照明として使用可能です。調光やタイマー機能などのバリエーションが豊富なため、部屋の用途に合わせて選びやすいという特徴もあります。ただし、サイズが大きいと存在感が出てしまうため、場合によってはインテリアの邪魔になってしまうのが課題です。
ペンダントライト
天井から吊り下げて設置するタイプの照明で、ダイニングテーブルで多く使われます。近距離から料理を明るく照らし、食卓の雰囲気を盛り上げてくれるのが人気の秘密です。照明器具自体がインテリアのアクセントにもなり、吹抜けリビングのアクセントとしても需要があります。ただし、器具にほこりが溜まりやすく、高さによっては圧迫感が出てしまうというのが課題です。設置場所は十分考慮し、日常的なお手入れも忘れずに行いましょう。
ダウンライト
天井に埋め込むタイプの照明で、注文住宅のさまざまな場所で使われています。天井から出っ張らないため、部屋に圧迫感を与えないのがダウンライトの魅力の1つです。シーリングライトと比べて明るさは劣るため、リビングや寝室のような広い部屋では複数必要となります。明るさや見た目は調整できるものの、影ができやすいというのが課題です。十分な明るさを確保するのには不向きという特徴を理解し、手元の明るさを必要とする場所への設置には注意しましょう。
ブラケットライト
壁面に取りつけるタイプの照明で、器具の存在感や明暗のコントラストが部屋のアクセントとなります。光源が直接見えないため、間接照明として注文住宅のリビングや寝室でも人気です。階段や玄関の雰囲気を高める目的で選ぶケースも多く、インテリアにこだわりのある人からの支持も目立ちます。ただし、設置する位置によっては頭をぶつけたり、明るさが足りなかったりする可能性があるというのが課題です。解消法として、メイン照明と組み合わせての設置をおすすめします。
スポットライト
一部の狭い範囲を照らすタイプの照明で、商品や美術品のライトアップに多く使用されています。美術館や店舗で見かける照明ですが、デザイン性の高さから注文住宅でも採用される機会が増えています。天井に設置するダクトレールと組み合わせれば、複数のスポットライトで部屋の雰囲気を演出できるのも魅力です。スポットライトは数や角度を調整でき、部屋の模様替えにも柔軟に対応できます。ただし、部屋全体を均一に照らすのは難しいため、メインの照明には向いていません。
建築化照明
建物の一部に照明器具を埋め込む方式の照明で、壁や天井に光を反射させる間接照明の一種です。建築化照明はホテルやレストランで多く採用され、高級感のある雰囲気を演出できる特徴があります。ワンランク上の住まいやインテリアへのこだわりが強い方にも人気で、注文住宅でも注目度の高いライトです。一般的な照明器具と比べて費用が高額であるという課題はあるものの、リビングや寝室でリラックスして過ごすには非常に適しています。
注文住宅の照明を決める3つのポイント
注文住宅の照明を選ぶ際は、いくつかのポイントを押さえると成功しやすくなります。初心者でも迷わずできる方法を3つ紹介しますので、家づくりの計画と一緒に考えてみましょう。
部屋のテイストと家具の配置を決める
照明はインテリアのテイストに合わせて選ぶと、部屋全体を魅力的に仕上げられます。どのようなイメージの部屋に仕上げたいかを考え、雰囲気に適した種類の照明を選びましょう。ペンダントライトやスポットライトのように天井から一部を照らす場合、家具の配置によっては影ができてしまうので注意が必要です。
部屋での過ごし方を考える
照明は部屋の過ごし方によっても選び方が変わるため、各部屋の使用目的を考えます。たとえば、リビングで家族が過ごすようであれば、シーリングライトは部屋全体を明るくてらせて万能です。お子さんが寝た後や夜は明かりを抑えたい場合は、調光機能のあるタイプを選びます。あるいは、ブラケットライトを壁につけておき、間接照明のみで過ごすのもおすすめです。
照明の明るさ、色温度、光の広がり方を選ぶ
照明の明かりは器具によって異なるため、均一に照らすのか、明暗をつけるのか用途に合わせて選びます。照明の明るさは畳数を目安にするものの、規格には幅があるので要注意です。壁やカーテンの色や素材でも明るさの感じ方が変わるため、8畳の部屋に10畳用の器具をつけて調光したほうが快適な場合もあります。
また、照明は「色温度」によっても光の印象が変わるため、過ごし方に合わせて選びましょう。
<代表的な色温度>
2600~3250K(例:2700K) | 電球色(赤みがかったあたたかみのある光色) |
3250~3800K(例:3500K) | 温白色(電球色と昼白色の中間色で、ややあたたかみのある光色) |
4600~5500K(例:5000K) | 昼白色(さわやかな白い光色) |
5700~7100K(例:6500K) | 昼光色(日中の自然光のような、青みがかった明るい印象の光色) |
色温度とは、光源の光色を数値(K:ケルビン)で表したもので、青みがかった光ほど数値が高く、赤みがかった光ほど数値が低くなります。一般的に、電球色はリビングや寝室向け、昼白色や昼光色は勉強や作業向けとしておすすめです。
注文住宅の照明選びでよくある8つの失敗と対策ポイント
注文住宅では照明選びの自由度も高く、さまざまな種類から選択できます。しかし、見た目やデザインに惹かれて選んだものの、生活する上では不便だったという後悔も少なくありません。ここでは、よくある失敗例と覚えておいたほうが良い対策方法を紹介します。
1. ダイニングの照明がずれてしまった
注文住宅が完成したものの、ダイニングの照明がテーブルの真上にならなかったという失敗例です。見た目のバランスが悪くなってしまうだけでなく、必要な場所が明るくならないというのも問題です。とくにペンダントライトの場合、目の前に照明がきます。そのため、座るたびにずれが目に入り、アンバランスさがストレスに感じてしまうでしょう。
照明の位置がずれてしまう失敗は、図面打ち合わせの時点でダイニングテーブルのサイズが決まっていない場合に起こりやすくなっています。サイズがわからないからといって、一般的なテーブルサイズを前提に照明器具の位置を決めるのは得策ではありません。ペンダント照明の取り付け位置が変えられるダクトレールを使用すれば、入居後に微調整できるのでおすすめです。
2. キッチン照明の色を間違えた
照明は主に、白っぽい光の昼白色と少しオレンジ色がかった電球色に分かれます。キッチンの照明を昼白色にすると、食材の色がはっきりと見えるのがメリットです。また、手元が明るくなり、細かい作業もしやすくなります。ただし、リビングやダイニングとつながった空間の間取りの場合は注意が必要です。リビングやダイニングは電球色を使うことが多いため、キッチンだけ昼白色だと統一感が失われてしまいます。
LDKの雰囲気を揃えるためには、キッチンを電球色にするしかありません。しかし、おしゃれな雰囲気になる一方で、食材の色や手元が見えにくいと感じるのが課題です。機能性とデザイン性を両立させるためには、調色式の照明を取りつけると良いでしょう。
3. 間接照明が暗すぎた
間接照明は壁や天井に光を当てることで柔らかな雰囲気を演出し、光が当たる部分と当たらない部分のコントラストを楽しめるのが魅力です。しかし、間接照明は光の広がりが限定的で、光が当たらない部分はかなり暗く感じてしまいます。
間接照明をメインにした場合、部屋が想像していたよりも暗かったという後悔も少なくありません。とくに小さなお子さんがいるご家庭では、宿題をしたり、保育園の書類を書いたりと、明るさが必要な場面も多くあります。照明が暗いと目の健康にも悪いため、文字が見やすい昼白色の照明も一緒に取りつけるのがおすすめです。
4. トイレの汚れがわからない
おしゃれなトイレを目指してレストランやバーのような暗めの照明を選んだ結果、汚れがわかりにくくなってしまったという失敗例もあります。トイレの床に付いた汚れは便器の影になって見えにくいため、照明が暗いとさらに気づきにくくなってしまうのが問題です。インテリアが素敵であっても、清潔感のないトイレは来客を招いた際にも気まずいものです。
トイレの照明は雰囲気重視の暗めのものではなく、少し明るめにすることを意識しましょう。ただし、あまり明るすぎると夜中トイレに起きた時に目が冴えてしまうので、時間帯やシチュエーションに合わせて調光できると便利です。
トイレの汚れは照明だけでなく、床の色や素材も大きく関係します。掃除の手間を省くためにも、注文住宅のトイレづくりは慎重に行うのがおすすめです。
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5. 建築化照明の掃除が大変
建築化照明はスッキリとした見た目とモダンな雰囲気から注文住宅でも人気があるものの、失敗したと感じる人も多くいます。とくに建築化照明の一種であるコーブ照明は、天井近くに棚のようなくぼみをつくる仕様です。そのため、ほこりが溜まりやすい上に、手が届きにくい高さなので掃除が難しいという難点があります。
SNSでは「家を建てて数年後に中を覗いたら、小さな虫の死骸がたくさんあった」という投稿も多く、照明器具を清潔に保ちたいという方には不向きといえるでしょう。メンテナンスを考慮すると、壁に沿って上から下を照らすコーニス照明がおすすめです。
6. ダウンライトの交換費用が高い
LEDのダウンライトには、従来の照明のように電球だけを交換できないタイプがあります。寿命が来たら本体ごと交換しなくてはならず、費用も手間もかかるのが後悔の原因となっているようです。ダウンライトは建物に直に取りつけられているため、交換は電気工事業者に頼む必要があります。交換のたびに工事費用もかかり、維持費が多くかかる照明というのがデメリットです。
交換費用や手間を考えると、電球部分だけ交換できるタイプのLEDダウンライトをおすすめします。初期費用は少し高めなものの、電球だけを交換できて便利です。
7. 寝室の照明が眩しかった
寝室のインテリアに合わせてダウンライトを選んだものの、ベッドから光源が見えて眠りの妨げになってしまったという失敗例もあります。眠気を感じて眠りについても、ライトが眩しいと目が冴えてしまい眠れません。睡眠不足は体調にも影響を及ぼすため、寝室の環境は快適に整えたほうが無難です。
ダウンライトは他の照明に比べると眩しさを感じやすいものの、特徴を知らないと誤った選択をしてしまうという例でもあります。寝室にダウンライトをつける際は、通常よりも照らす範囲を狭くし、眩しさを軽減したグレアレスタイプがおすすめです。
8. センサー照明が勝手に点く
センサー照明は人が近づくと自動的に点灯する照明で、玄関や廊下のように人が通る場所に適しています。スイッチを操作しなくても点灯する便利さから、注文住宅でも人気の照明です。ただし、設置場所を誤ると、勝手に点灯してしまうという失敗もあります。たとえば、リビングとキッチン近くの廊下にセンサーライトがあると、部屋の行き来をするたびに廊下の照明が点いてしまうケースです。
無駄に点灯してしまうと電気代がかかるので、センサー照明を設置する際は細かな計画が欠かせません。打ち合わせの段階で希望の位置や用途を伝え、プロに調整してもらうのが確実です。
まとめ
注文住宅の照明選びは、インテリアや住み心地の仕上がりに大きく影響します。それぞれの特徴を知り、見た目と機能性をバランス良く考慮するのが重要なポイントです。この記事で紹介した失敗例や対策を参考にし、理想のマイホームに仕上げましょう。