注文住宅の諸費用徹底解説:予算オーバーを防ぐコツ
注文住宅の諸費用徹底解説:予算オーバーを防ぐコツ

家づくりコラム

注文住宅の諸費用徹底解説:予算オーバーを防ぐコツ

注文住宅の諸費用徹底解説:予算オーバーを防ぐコツ

注文住宅を建てる際には、土地や建物そのものの価格以外にも、「諸費用」と呼ばれるさまざまな費用がかかることをご存じでしょうか?

これらの費用の目算を誤ってしまうと、予算オーバーになって住宅費用が払えなくなってしまい、将来的なライフプランに大きな影響を与えてしまう可能性もあります。

そこでこの記事では注文住宅の諸費用について、詳細な内容と費用の相場、諸費用を抑えるポイントについて徹底解説します。

最後までお読みいただくと、注文住宅の諸費用のことがわかります。注文住宅の全ての費用を把握し、無理のない資金計画を立てることで、理想のマイホームを建築しましょう。

注文住宅の諸費用とは?

諸費用とは、注文住宅を建てるときに土地や建物そのものの代金以外に支払いが必要な費用のことです。

一般的に諸費用の目安は、土地・建物費用総額の10~15%が相場とされています。

工務店やハウスメーカーから提示される注文住宅の見積もりで、「本体価格」と説明されるものには諸費用が含まれておらず、別途費用扱いとなるのが通例ですので注意しましょう。

諸費用として発生するものには、後述するようにさまざまなものが考えられますが、その内容によっては通常の住宅ローンでは対応が難しいものもあります。

その場合は自己資金から支払わなければならないケースもあるため、諸費用は注文住宅の資金計画を大きく左右する重要な要素の一つとなっています。

注文住宅の諸費用内訳を徹底解説!

注文住宅の諸費用として考えられるものを、その支払い時期と種類別に解説します。

注文住宅の諸費用①土地の購入時にかかる諸費用

諸費用の内訳には、土地を購入する時にかかる費用があります。

不動産業者を介して土地を取得する場合には、諸費用として仲介手数料(媒介手数料とも呼ばれる)が発生します。

金額の上限は宅建業法で定められており「土地取引代金×3%+6万円」とされています。

土地代金には消費税はかかりませんが、仲介手数料には消費税がかかることにも注意しましょう。

現状有姿での土地売買の場合、既存建物がある場合には建物の解体費用がかかります。
国土交通省の資料によると、日本全国の木造住宅の解体工事費用相場は下記の通りです。

エリア1坪あたりの費用40坪の場合の費用
北海道・東北3.2万円128万円
関東3.7万円148万円
中部3.5万円140万円
関西3.5万円140万円
中国・四国3.3万円132万円
九州・沖縄3.3万円132万円

参考:国土交通省「我が国の住生活をめぐる状況等について」

注文住宅を建てるための土地の売買契約を交わす際には、契約書に諸費用として収入印紙税がかかります。

契約金額印紙税
500万円を超え1千万円以下1万円
1千万円を超え5千万円以下2万円
5千万円を超え1億円以下6万円

注文住宅を建てるための土地の売買に伴い、所有権の移転登記が必要になります。登記には諸費用として「登録免許税」がかかり、司法書士に依頼する場合は「司法書士報酬」がかかります。

土地の売買に伴う登録免許税は不動産価格の1.5%とされており、司法書士報酬の相場は3~5万円です。

注文住宅の諸費用②建物の建築時にかかる諸費用

諸費用の内訳には、建物の建築時にかかる費用があります。

注文住宅を建てるにあたっての工事請負契約には、諸費用として印紙税がかかります。

契約金額印紙税
500万円を超え1千万円以下1万円
1千万円を超え5千万円以下2万円
5千万円を超え1億円以下6万円

注文住宅を工務店やハウスメーカーに設計・施工を一括で発注する場合であっても、設計料や工事管理(監理)費は諸費用として別料金扱いにされるケースがありますので、よく確認しておきましょう。

注文住宅を建築するのに必要な法的手続きである確認申請や完了検査には諸費用として手数料がかかります。自治体によって異なりますが、一般的な住宅規模であればあわせて3~5万円程度になります。

2025年度からはすべての建物に対して省エネ法の適合が義務化される予定ですので、省エネ計算および「省エネ適合性判定の手数料」がかかってくる見込みです。また、木造3階建てなど特殊な注文住宅は構造計算が必要となり、設計諸費用として「構造計算費用」が別途かかります。

長期優良住宅などの認定制度や性能評価書の取得、ZEHや「住宅省エネ2023キャンペーン」などの「補助金申請費用」にも注意が必要です。
長期優良住宅やZEHを採用される場合は、工務店やハウスメーカーに別途諸費用となるかを確認することを忘れないようにしましょう。

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工務店・ハウスメーカーの中には、建物の坪単価はあくまで本体工事として、立地により変動幅の大きい地盤調査および地盤改良費用を別途諸費用としている場合があります。必ず確認するようにしましょう。

電気、水道、ガスの引き込み費用も立地条件やその土地の状況により大きく費用が変わります。こちらも諸費用とするケースがあるので、見積もりの工事範囲を良く確認しましょう。

工事着工時の地鎮祭の初穂料(1~3万円)、上棟式を執り行う場合の職人ご祝儀(棟梁に1~2万円、職人1人あたり5千円程度)も諸費用として予算に見込んでおく必要があります。

注文住宅の諸費用③住宅ローンの契約時にかかる諸費用

注文住宅の諸費用③住宅ローンの契約時にかかる諸費用

住宅ローンを組むときにも諸費用があります。その内訳を解説します。

注文住宅の購入にあたって住宅ローンを利用する際には、諸費用として住宅ローン保証料がかかります。
借入時に現金で支払う場合と、借入金額の中に保証料を組み入れる場合の2パターンがあり、借り入れる際に選ぶことができます。

住宅ローンの担保設定として、抵当権設定費用がかかります。
住宅ローン借入金額×0.4%の登録免許税と司法書士報酬が必要で、一般的な費用としては10~20万円程度です。

火災保険は、住宅ローンを利用する場合にはほとんどの金融機関が加入を求めるので必須の諸費用となります。地震保険は任意加入ですが、地震が起こるリスクを考えて大多数の方が加入するので一般的に必須の諸費用と言えます。

保険料の支払い方法は、最初にローン期間分を一括で支払う方法や、年払いで分割して支払う方法が選べます。

多くの住宅ローンでは団体信用生命保険料をローン内に組み込む仕組みになっていますが、ご自身で加入する生命保険が認められるケースもあります。

特に若年層はそちらのほうがお得になる場合もありますので、その場合は生命保険料を諸費用としてみておく必要があります。

注文住宅の諸費用④建物の完成時にかかる諸費用

諸費用の内訳には、完成したときに支払うものがあります。

注文住宅が完成すると、表題登記と保存登記をすることになります。

表題登記は、不動産の基本情報(所有者や住所など)を登録・変更する登記です。一方、保存登記は、土地や建物に関する権利関係や契約内容を記録する登記です。

表題登記の土地家屋調査士報酬は8万円程度で、保存登記に必要な金額は、建物価格×0.4%の登録免許税と3~5万円の司法書士報酬です。

注文住宅が完成するとかかる不動産取得税も諸費用として見ておく必要があるでしょう。

原則として土地や建物の固定資産税評価額×4%ですが、令和6年3月31日までは軽減税率として3%が適用されており、さらに土地に関しては半額になります。

その年の1月1日時点で土地や建物の不動産を所有している者に対して、市町村税である固定資産税が課されます。

固定資産税は、土地建物の固定資産税評価額×1.4%で計算されます。
市街化区域内の場合は都市計画税(「固定資産税評価額」×最大税率0.3%)が加えて課税されます。
※税率については自治体により扱いが異なりますので、詳細は居住する自治体へお問い合わせください。

注文住宅の諸費用⑤その他の諸費用

その他にも、下記のような雑多な諸費用がかかります、
注文住宅の資金計画を立てる際には、これらの諸費用も考慮しておきましょう。

注文住宅の諸費用を規模別にシミュレーション

注文住宅の諸費用を規模別にシミュレーション

注文住宅を建てる際の諸費用の目安は、総額の10~15%とされています。
予算別に、本体の坪数と価格、諸費用の概算金額をシミュレーションしてみましたのでご参考にしてください。

注文住宅の坪数注文住宅の本体価格注文住宅の諸費用(諸費用割合)
28坪1,700万円300万円(15%)
注文住宅の坪数注文住宅の本体価格注文住宅の諸費用(諸費用割合)
36坪2,160万円340万円(14%)
注文住宅の坪数注文住宅の本体価格注文住宅の諸費用(諸費用割合)
43坪2,580万円420万円(13%)
注文住宅の坪数注文住宅の本体価格注文住宅の諸費用(諸費用割合)
51坪3,060万円440万円(12%)

注文住宅の諸費用を抑えるコツ

ここでは、注文住宅の諸費用を抑えるコツについてご紹介します。

工務店やハウスメーカーから紹介された土地に建てる

工務店やハウスメーカーから紹介された建築条件付きの土地は、仲介手数料が不要になる場合があります。
これは、建物工事を受注するための手段として土地の仲介を行っているため、その部分での収益を事業収益に入れていないためです。

定期借地権付き住宅を建てる

存続期間が50年以上の一般定期借地権、30年後に借地人から建物を買い取る建物譲渡特約付借地権など、定期借地権で土地を用意すると不動産取得税や固定資産税などの税金がかからないというメリットがあります。

ただし、担保価値が住宅にしか付かないため、一般的には住宅ローンの借り入れ可能額が下がります。自己資金を多めに用意できる方向けの方法と言えます。

控除や軽減措置などの税優遇制度を活用する

多くは令和6年3月31日までの期限設定がありますが、住宅の取得については下記のような減税措置や税制優遇が受けられますので、積極的に活用しましょう。

一定の条件を満たす場合に、契約書や証書に貼る印紙税の額を減額する制度です。これにより、建築契約時の負担が軽減されます。

不動産の登記手続きにかかる登録免許税を、特定の条件下で減額する制度です。これにより、不動産取得や登記手続きのコストが削減されます。

不動産を取得した際に課せられる取得税を、一定の要件を満たす場合に減額する制度です。これにより、不動産購入時の税負担が軽減されます。

一定の条件を満たす固定資産(土地や建物)に対して、固定資産税の額を一定期間減額または免除する制度です。これにより、毎年の税負担が軽減されます。

住宅の購入や建築、改築のために贈与される資金について、一定の要件を満たす場合に贈与税を非課税とする措置です。

これにより、親族からの贈与を受ける際の税負担が軽減され、住宅取得の負担が緩和されます。ただし、非課税措置が適用されるためには、贈与の対象、贈与の目的、贈与の金額などが所定の基準を満たしている必要があります。

手続きの方法などについては税務署やお住いの自治体にお問い合わせください。

電子契約を取り入れる

最近急速に広まりを見せている「電子契約」では、諸費用の印紙税がかかりません。
不動産売買契約や工事請負契約に電子契約の対応が可能か、工務店やハウスメーカーに確認してみましょう。

引き渡し日を年末に設定しない

固定資産税の課税対象は、その年の1月1日に居住している住宅です。
事情が許すのであれば、引き渡し日を年末に設定せずに年明け早々に設定すれば、課税を翌年に持ち越せることになります。

現金での諸費用支払いを極力避ける

諸費用の中には、原則として住宅ローンが適用されず現金払いになるものもあるため、注文住宅の計画にあたっては、ある程度の自己資金の準備が必要となります。

ただ、手持ち資金を減らさずに諸費用を極力ローンに組み込み、その分を他の用途に活用する(住宅のグレードアップや子供の教育資金、自動車の購入など)ことも、豊かな生活を計画する上で選択肢に一つです。

そのための方法として、

  1. つなぎ融資の利用で諸費用を支払う
  2. ビルトインの家具や家電を増やして住宅ローンに組み込む

などの方法も手持ち資金で支払う諸費用を抑えるために効果的です。

まとめ

ここまで、注文住宅の建築にあたって発生するさまざまな諸費用の種類と、それぞれの諸費用を抑えるためのポイントについて解説してきました。

注文住宅は建物の本体費用だけでは完結しません。かかる諸費用を正確に把握し、かかるタイミングをきちんと押さえておくことで、無理のない資金計画を立てることが可能になります。

今回ご紹介した内容を参考にしていただき、理想の注文住宅を叶えてください。

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