家づくり初心者が後悔しないための完全ガイド!注文住宅を建てる手順と成功の秘訣を徹底解説
家づくり初心者にとって、マイホームの購入は一生に一度の大きな買い物です。どこから始めれば良いのかわからず、戸惑いを隠せないことも多いでしょう。初めてでも正しい手順を踏めば、理想の注文住宅を手に入れられます。この記事では、マイホーム完成までの主な流れや、初心者が陥りがちな失敗例5つを紹介します。家づくりの基本を知りたい方や、注文住宅初心者の方は、ぜひ最後までお読みください。
初心者が知っておきたい家を建てる5つの手順
家づくりを始めるにあたって、基本的な手順を理解しておく必要があります。注文住宅の契約までの主な流れを5つに分けて紹介しますので、ステップに従って進めていきましょう。
1.予算を設定する
注文住宅を建てる工程で、最も重要なのは予算の決定です。予算を細かく立てないと、月々のローン返済が負担になる原因につながります。自己資金を元に住宅ローンの借入金額を決め、期間としては1~2か月が目安です。なお、すでに土地を所有している場合は、建物費用は全体予算の約8割、諸費用は約2割となります。土地を所有していない場合は、土地購入費が全体の約3割、建物費用が約6割、諸費用が約1割というのが相場です。
2.住みたい家をイメージする
予算が決まったら、家づくりを具体的に進めていきます。住みたい家をイメージし、「外観」「内装」「間取り」「広さ」などの要望を書き出しましょう。二世帯住宅やバリアフリー対応など、将来を見据えた希望も大切です。理想の家が思いつかない場合は、現在の住まいの不満点をリストアップしてみる方法もあります。気に入ったデザインや間取りの画像を集めておくと、ハウスメーカーや工務店との意思疎通がスムーズになるのでおすすめです。
3.ハウスメーカー選びと土地探しを同時に進める
注文住宅を建てる際は、ハウスメーカーや工務店選びと土地探しを同時に進めます。ハウスメーカーは品質が安定しており、工期が短く、アフターサービスも充実しているのが特徴です。工務店は低予算で家を建てやすい一方、品質の判断が難しいという問題があります。ただし、ハウスメーカーと提携している工務店であれば、品質の心配は少ないでしょう。土地探しは不動産会社やハウスメーカーに依頼すると効率的で、土地の形状に合った家のプランを提案してもらえるメリットがあります。
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4.間取りと見積もりを比較
気になるハウスメーカーや工務店をいくつか見つけたら、それぞれに予算や要望、建築予定地を伝えましょう。間取りプランと見積もりを作成してもらえば、初心者でも簡単に比較検討できます。見積もりを依頼する際は、ご自身の希望を詳細まで反映した数字でお願いするのがポイントです。現実的な金額を出してもらうことで、後々の予算オーバーを防げます。また、複数の会社から提案を受けると、新たな視点が発見できるというのもメリットです。家づくり初心者にとっては、選択肢を増やすチャンスでもあります。
5.工事請負契約(本契約)を結ぶ
家づくりをお願いするハウスメーカーや工務店を決めたら、工事請負契約(本契約)を結びます。建築会社が家を完成させることを約束し、依頼者がその報酬を支払うことを約束するものです。一般的に、本契約の前に「仮契約」を行い、数万円から十数万円の申込金を支払うケースが多く見受けられます。申込金は着工費用に充てられるものの、本契約を結んだ後にキャンセルすると手付金が必要となるのが注意点です。契約書の内容をしっかり確認し、疑問を解消してから契約しましょう。
初心者が知っておきたい契約後の家づくりの流れ
本契約を結んだ後は、ハウスメーカーや工務店と家づくりの詳細を決める打ち合わせが大詰めを迎えます。住宅ローンの本審査や工事のスケジュール調整なども行い、引渡しまでに10か月前後必要です。ここでは初めて注文住宅を建てる人向けに、本契約後の大まかな流れと内容をお伝えします。
家づくりのプランを打ち合わせ
注文住宅のプランニングは、主に以下の内容を決めていく作業です。
- 建物の配置
- 間取り
- 窓やドア(建具)
- 屋根
- 外観
- 外構など
土地の状況や日当たり、法律の規制を考慮しながら、何度も話し合いを重ねていく必要があります。住宅会社によって打合せの回数や期間が異なるため、あらかじめスケジュールを調整しておくのがおすすめです。効率良く打合せを進めるためには、「必ず叶えたいもの」と「可能なら叶えたいもの」を事前に整理しておきます。
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インテリア打合せ
インテリアの打合せは家づくりのプランニングと並行して進めることが多く、主に以下の内容を決めていきます。
- キッチンやお風呂の設備
- 床や壁紙の内装
- 照明や電気配線
- カーテンなど
設備や内装は、家の使いやすさや見た目に大きく影響するので慎重に選ぶことが大切です。照明や電気配線は、家具の配置も考慮しながら決めると入居後に後悔するリスクが減ります。カーテンは見た目だけでなく使い勝手も考えて選ぶと、初心者でも快適な家づくりが可能です。
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図面決定
打合せが終わり、図面が確定したら市町村に「建築確認申請」を提出します。無事に家を建てる許可が下りると、いよいよ工事開始です。省エネ住宅(ZEH)の補助金を受ける場合や、長期優良住宅の認定を受ける場合は、通常よりも申請に時間のかかる場合があります。余裕あるスケジュールを組めるよう、早めの準備が重要です。なお、何をいつまでに決めるかは住宅会社によって異なりますが、工事が始まる前にほとんどの打合せを終えておくとトラブル発生のリスクを減らせます。
住宅ローンの本審査に申し込み
住宅ローンの審査は、事前審査と本審査の2回行われます。契約前に事前審査を済ませておき、契約後は本審査に進むのが一般的な流れです。本審査は事前審査よりも厳しく、提出した書類も細かくチェックされます。本人確認書類や所得を証明する書類のほかに、物件に関する書類(売買契約書や間取り図)も必要です。ハウスメーカーや工務店によっては、住宅ローン申請のサポートもしてもらえます。金融機関によっては先に一部を借りる「先実行」や分割融資もあるので、事前に確認しておきましょう。
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地鎮祭
地鎮祭は、建築工事が始まる前に土地の神様に安全を祈願する儀式です。酒や塩、米で土地の四隅を清め、神主さんが祝詞をあげます。地域や神主さんによって儀式の手順や準備が異なるため、内容や費用については一概には言えません。最近では、現場監督による簡略化した地鎮祭で済ませるケースも増えています。必須の儀式ではないので、家族や住宅会社の担当者と相談して決めるのがおすすめです。
着工
地鎮祭が終わったら、いよいよ工事が始まります。土地の状態によっては地盤の改良が必要になり、終了後に基礎工事に移る流れです。基礎工事は型枠を組み、2回に分けてコンクリートを流し込むなどの工程を経て家の土台をつくります。住宅の耐久性に大きく影響する部分なので、丁寧な工事はもちろん、コンクリートの質にも注意が必要です。初めて注文受託を建てる方は、実績のあるハウスメーカーや工務店に依頼すると品質面での不安が減らせるでしょう。
上棟(じょうとう)
上棟は、柱や梁、屋根など家の骨組みを組み立てる作業となります。「棟上げ(むねあげ)」や「建前(たてまえ)」とも呼ばれることもあり、家づくりの大切な節目です。そのため、工事が順調に進んだことや、これからの工事の安全を願って上棟式を行う場合もあります。地鎮祭同様、上棟式も必須ではありません。予算やスケジュールの都合に合わせて、個人で判断しましょう。
内装や電気工事
上棟が終わった後も工事は続き、約3か月かけて完成に近づきます。窓の取り付けや床張り、壁紙の下地作りなどが主な内容です。電気工事も同時に進められ、壁の中に配線を通し、内装が仕上がった後に照明やスイッチを取り付けます。内装の仕上げでは、壁紙や塗装が行われ、いよいよマイホームの全容が姿を現します。家づくり初心者にとっては、インテリアのイメージを膨らませやすい時期です。
引渡し
注文住宅が完成したら、家の登記や住宅ローンの最終手続き、火災保険への加入と進みます。引渡しの日程が決まったら、引っ越し業者の手配や家電の搬入、インターネット工事の準備も進めましょう。ハウスメーカーや工務店による住宅性能のチェックを受け、建物が法律に違反していないかの公的な検査も受けます。すべての確認が終わり、銀行の手続きも完了したら、鍵をもらって引渡しの完了です。
失敗例から学ぶ家づくり初心者が後悔しない5つの進め方
家づくり初心者にとって、間違ったステップを踏むと後悔の原因となります。とくに契約までの手順は、マイホームの成功を左右する重要なポイントです。ここでは、よくある失敗を5つ紹介しますので、正しい進め方を理解しましょう。
予算を決めずにモデルハウスを見学してしまった
家づくりで後悔する進め方の1つ目は、予算を決めずにモデルハウスを見学してしまうことです。毎月支払える住宅ローンの額や頭金を決めないと、適切なシミュレーションができません。予算が不明だと住宅会社を決める作業も難航し、何度も打ち合わせを重ねる必要があります。スケジュールに影響を与えてしまうため、入居時期が決まっている場合は注意が必要です。初心者が家づくりを成功させるためには、早い段階で予算を明確にしておきましょう。
家のプランニングをせずに土地探しを始めてしまった
家づくりで後悔する進め方の2つ目は、間取りの計画を立てずに土地探しを始めてしまうことです。初心者は「土地がないと間取りの相談ができない」と考えてしまうかもしれませんが、先に大まかなプランニングをしてから土地探しを進めましょう。たとえば、土地が高額すぎて建物の予算が足りない、地が狭すぎて希望の間取りが組めないという失敗を防げるためです。土地探しの前に専門家に相談しておけば、どのような家が建てられるか、家と土地の総額はいくらになるかを確認できます。
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冷暖房費を確認せずに住宅ローンを決めてしまった
家づくりで後悔する進め方の3つ目は、冷暖房費を確認せずに住宅ローンを決めてしまうことです。住宅ローンの借入額を決める際に月々の支払い額だけに注目した結果、入居後に冷暖房費が家計を圧迫してしまうケースがあります。家の冷暖房費は建物の性能によって異なり、高断熱の注文住宅では暖房費や冷房費が大幅に削減可能です。しかし、断熱性の低い家では、冷暖房費が数倍に跳ね上がる場合もあります。家づくり初心者は、断熱性の高い注文住宅を建てられるハウスメーカーや工務店を選ぶのがおすすめです。担当者に相談すれば冷暖房費の概算をもらえるので、確認した上でローンの借入額を決めましょう。
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家の性能を比較せずに住宅会社を選んでしまった
家づくりで後悔する進め方の4つ目は、家の性能を比較せずに住宅会社を選んでしまうことです。住宅の性能を確認しないと、電気代の高い家や、地震に弱い注文住宅になってしまう可能性があります。たとえば、気密性能を表す「C値」という数値については、国が定めた基準はすでに廃止されました。ただし、名残として一般的に、C値が1.0以下の家は「気密性が高い家」と考えられています。同じ「高気密」でも、住宅会社によってC値が1.0のところもあれば、0.45のところもあるので注意が必要です。初心者は謳い文句ではなく、数字で性能を比較して住宅会社を選びましょう。
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値引きや人柄だけで契約してしまった
家づくりで後悔する進め方の5つ目は、値引きや営業マンの人柄だけで契約を決めてしまうことです。注文住宅の完成までに確認すべきポイントが多く、初心者は決断の多さに戸惑ってしまう場合があります。住宅会社から値引きを提示されたり、人柄に良い印象を抱いたりして大切な点を見落とさないように注意しましょう。契約後にトラブルにつながるケースもあるため、値引きや人柄を理由に判断するのは危険です。むしろ、信頼できるハウスメーカーや工務店では、冷静に判断できるようにサポートしてくれます。
まとめ
家づくり初心者が満足度の高い注文住宅を建てるためには、正しい手順に則ることが重要です。予算の設定からハウスメーカー選び、住宅ローンの決定まで、ステップごとに押さえておきたいポイントがあります。記事を参考に知識を身につけ、冷静な判断で理想のマイホームを実現しましょう。