バリアフリー住宅で快適な生活
一般的にバリアフリー住宅とは、小さな子どもから高齢者まで、幅広い世代の方が安心・安全で、快適に生活できることを前提とした住まいのことです。段差をなくし、廊下に手すりをつけるなど、生活するうえで支障となるものを取り除くとともに生活動作の補助となる設備を整えることで、日常生活が無理なく、スムーズに行えるようになります。
バリアフリーは高齢者だけが便利ではない
一見、高齢者や障害者の方に特化した住まいづくりのように思えますが、妊婦の方がつまずかずに済んだり、若者であってもケガや病気で車いすを使わざるを得ない状況が発生した際に移動しやすかったりなど、その利用価値は幅広く、使いやすいと感じるメリットがたくさんあります。
玄関、アプローチのバリアフリー
スロープは緩やかな傾斜で滑りにくい素材や仕上げを施すのがポイント。
車椅子でも通れるように十分な幅を取っておきましょう。さらに庇を設けることで、雨の日でも車から玄関までの移動時に濡れる心配がありません。出入口は幅を広く取り、引き戸を採用することで車椅子での出入りもしやすくなります。高齢者や小さな子供の力でも、楽に開閉できるタイプの引き戸にすることも大切。
土間の広い玄関だと、車椅子やベビーカーの置き場所としても有効利用できます。
床の段差をなくしフラットな空間に
家庭内の事故で多いのが転倒事故。ほんの数センチの段差であっても、高齢になるとつまづきやすくなります。極力段差をなくすことは、バリアフリー住宅の基本要素といえます。幅にゆとりを持たせた廊下は、壁に体をぶつける心配がなく、将来的に車椅子での介護が必要になった時でも安心です。高齢になると、視力が衰え色の区別がつきにくくなってきます。
とくに廊下や階段などには明るめの照明を用いたり、フットライトで足元を見えやすくするなど、配慮をすることも大切なポイントです。
歩行の補助や体の支えとなる手すりの設置
手すりは歩行時の補助だけでなく、バランスを崩した時などの支えとしても役立ちます。トイレや浴室にも設置することで、動作を補助したり転倒を未然に防ぐことができ、より安全性が高まります。また、寝室から近い場所にトイレを配置するなど、日常の生活動線を考慮することにより、高齢になっても快適に過ごすことができます。介護が必要になった時でも、寝室からトイレや浴室への移動距離が短いと、介護する側の負担を減らすことができます。また、介助スペースを考慮した広いトイレにしておくことも大事なポイントです。